ここでRakuten UN-LIMIT VIIの話に戻りましょう。実はこのプラン、よくよく見てみると月額1078円からスタートするという点において、現行のRakuten UN-LIMIT VIと変わりはありません。月間のデータ通信に応じて、以下の通り3段階で料金が変わっていきます。
料金設定に変更がないのに大きく騒がれているのは、ひとえに1名義1回線限定の「月間1GBまでなら無料」が廃止され、少なくとも月額1078円の支払いが必要となるからです。
段々と広がっているとはいえ、他の大手キャリアと比べると楽天モバイルの自社エリアは限られています。特に地下街や大きめの商業施設、人口の少ない地域に行くと“圏外”になることは珍しくありません。そこにLINEMOの3GBプランやpovo2.0を持ってくると、「楽天モバイル、エリアが狭い割にちょっと割高じゃない?」と思えてきます。
月間20GBまでで比較した場合、Rakuten UN-LIMIT VIIはLINEMO(スマホプラン)よりも550円、ahamoよりも792円安いことは確かです。しかし、エリアの差を勘案すると「これくらいの料金差なら、つながりやすい方にしよう」と考えても不思議ではありません。混雑時の通信速度はさておいて、料金差が気になるなら大手キャリア回線を利用するMVNOサービス(格安SIM)という選択肢もあります。
「あれ、楽天モバイルってもっと安いような気がした」と思った方に補足すると、楽天モバイルは“税別”の料金を強く訴求しています。他社と同様に税込みにそろえて比較してみると、思ったよりも料金差が少なくなる可能性があります。
ただ、Rakuten UN-LIMIT VIIに強みはないのかといえば、そんなことはありません。
Rakuten UN-LIMIT VIIは、自社エリア内での月間データ通信容量に特に制限していません。そのため、毎日ガンガン通信するという人は、Rakuten UN-LIMIT VIIは大手キャリアの大容量プランよりも手頃に使えます。
当日中に大量に通信すると、日付が変わるまで通信速度に制限が入ります。詳しいしきい値と制限内容は公表されていませんが、筆者の実測では「1日10GB以上の通信で上下最大3Mbps程度」という感じです。
このような制限はあるものの、「月額3278円で1日10GBの高速通信を毎日使える」と考えると「これ、意外とおトクなのでは?」と思えてくるはずです。
少し前の話になりますが、筆者は引っ越しで固定インターネット回線が一時的に使えなくなった際に、楽天モバイルのモバイル回線でしのいだことがありました。
思った以上に便利だったことを踏まえると、スマホ単体でたくさん通信する人にとって、Rakuten UN-LIMIT VIIは引き続き魅力的なプランであることは間違いありません。あくまでも楽天モバイルの自社エリア内で使うことが前提になりますが……。
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