ついでにいうと、ISO感度も細かい。C-8080WZはISO50から400まで感度を上げられるのだが、1/3段ステップ単位でセットできるのは、この価格帯ではニコンのプロ向けデジ一眼「D70」くらいである。つまり、民生機ではC-8080WZ以外にないのだ。
しかしこれは民生機にこそ必要な機能で、しばしば訪れる「感度を上げたいけれどノイジーになるのはイヤ」というケースで、微妙な設定が可能になるのだ。あるいは、シャッタースピードを維持したいが増感はできるだけしたくない時に、ISO感度を微妙に上げつつ対処できる。この機能は、増感によるノイズに悩まされがちな他のハイエンド機もぜひ用意してほしい。
しかもC-8080WZは、ISO感度を400まで上げてもノイズの増え方は極端ではない。もっとも、よく見るとかなり強くノイズ低減処理をかけているため、被写体によっては不自然さを感じることもある。それでも、他の800万画素機に比べ、ここまでノイズを低減したのは評価すべきだ。
ただ、C-8080WZはここまでやっておきながら、ISOボタンがないのだ。つまり、メニューでISO感度をセットしなければならない(あるいはカスタムボタンに割り当てる)わけで、ちょっともったいない。
マクロ機能も強力だ。通常のマクロモードではワイド端で20センチとそれほどではないが、スーパーマクロモードをONにすると、ズーム位置は90ミリ相当の中望遠域に固定されるが、5センチまで寄ることができる。
ちなみにC-8080WZには、「TruePic TURBO」という名称の画像処理エンジンが採用されている。中身は従来からあったプロパーカラーガンマテクノロジーおよびアドバンストノイズフィルターテクノロジーの改良版と、アドバンストSDフィルタテクノロジーなどをまとめたものだが、結果として得られるクオリティは高く、800万画素機としてはかなり優秀な部類に入るといってよい。
ただ、このCCDサイズで800万画素というのはいささか無理があるのか、例えば前述のコントラスト微調整機能を使っても、コントラストが非常に高い構図ではダイナミックレンジが足りなくなり、コントラストを下げた効果が出にくいのは少々残念だ。それでもデフォルトだと硬めになりがちなので、必要に応じてコントラストを下げ気味にした方がよいだろう。
再度ボディの話に戻るが、一からデザインした新ボディだけあってけっこう凝ったものになっている。前述したシャッターボタンの位置もそうだし、ユーザーインタフェースもそうだ。
操作の基本はボタン+コントロールダイヤルで、カスタムボタンを除けば、撮影時に使うボタンはすべて左手側に集中している。
ボディの真横にあるのは、ホワイトバランスと画質の2ボタン。画質はRAW、TIFFのほかにSHQ、HQ、SQ1、SQ2の4種類があるが、ここがオリンパスらしいところで、その4種類に画像サイズと圧縮率をあらかじめセットしておくのである。
SHQとHQはフル解像度で、圧縮率が異なるだけ。選べるのは4:3または3:2の縦横比だけだ。その下のSQ1とSQ2は画像サイズと圧縮率の組み合わせの自由度が高く、必要ならXGA解像度の絵も撮れる。
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