逆に素晴らしいのは、レンズの繰り出し速度である。起動時の繰り出し量が少ないこともあるが、公称で0.7秒、実測でも1秒以下でさっと起動する。これはよい。
オートフォーカスは外光パッシブセンサーとCCDコントラスト検出の併用型で、けっこう高速で正確だ。パッシブオートフォーカスのON/OFFも可能である。
CCDは2/3インチ800万画素で、この春に続々と登場するハイエンド機とおそらくは同じものだ。画素数は多いが画素ピッチは一般ユーザー向けのコンパクトデジカメとさほど変わらず、画質面での不安はある。
C-8080WZは「CAMEDIA C-5050ZOOM」やC-5060WZと同様に、画質に対するカスタマイズの幅が非常に広い。デフォルトでは時々「コントラストが強くて硬すぎる」とか「ダイナミックレンジが狭い」などと思わされることがあるが、そういう時にセッティングを変えると、がらっと違う絵を見せてくれたりする。
C-8080WZの元々の絵はややあっさり系なので、こってり系が好きな人はコントラストとシャープネスをやや弱くし、彩度を上げてみるとよいかもしれない。
変更できるパラメータは、彩度、コントラスト、シャープネス、色相の4種類で、それぞれ±5まで微調整できる。
さらにすごいのはホワイトバランスだ。プリセットされた太陽光や白熱灯などの設定に対して微調整が行える機種は他にもあるが、C-8080WZではワンタッチホワイトバランスでカスタム設定した色に対しても微調整できるのだ。赤寄りから青寄りまで±7段階の調整が行える。これだけ細かく設定できるデジカメは知らない。しかも、ユーザー自身で調整したホワイトバランスを合計4種類までカスタム設定として登録できる。
その一方で、ユーザーインタフェースはややこしくなってしまった。「WB」ボタン+コントロールダイヤルという基本操作でセットできるのは、「オート」、「プリセット」(屋外系の「プリセット1」と屋内系の「プリセット2」)、「カスタム」、「ワンタッチ」の4種類だけなのだ。プリセット1とプリセット2に何を割り当てるかは、あらかじめメニューで決めておかねばならないのである。
ワンタッチにしても、以前セットしたホワイトバランスを呼び出すだけで、新たにホワイトバランスを取得するにはメニューからホワイトバランスを辿っていかねばならない。E-10/20のようにグリップ部にワンタッチホワイトバランス取得ボタンが付いていれば話は別なのだが、それが継承されなかったのはつくづく残念である。
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