きょうは、ファンレスなのに定格動作の「RADEON-9600XT ULTIMATE Edition」で遊んでみた(1/2 ページ)

» 2004年03月18日 16時04分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 新世代GPUが発表されたものの、その本格的な出荷には、今しばらく時間がかかりそうなATIとNVIDIA。それまでは既存のGPUで製品ラインアップを継続しなければならないため、ビデオカードベンダーの苦労と苦悩は並々ならぬと聞く。

 このような状況で注目されているのが、ファンレスビデオカードだ。静粛性を向上させるためにファンをPCから排除していく傾向は、PCの設置場所が個室からリビングへと共有スペースに進出するにつれて、多くのユーザーがより高い静音性能を求めるようになってきている。

 今回評価した、Sapphireの「RADEON-9600XT ULTIMATE Edition」もこのようなユーザーの嗜好にあわせたファンレスビデオカードだ。ただし、これまでのファンレスビデオカードとは大きな相違点が二つある。

RADEON-9600XT ULTIMATE Edition

 これまでも、ファンレスビデオカードが多くのベンダーから登場しており、「静音性命」なユーザーに支持されてきた。しかし、ファンによる強制冷却が行えないため、動作時に高熱を発生させるハイエンドビデオカードをファンレスにするのは、非常な困難が伴なう。

 そのため、現在のファンレスビデオカードには、バリュークラスのGPUであるGeForce FX 5200や、RADEON 9200を搭載するか、ミドルレンジのGeForce FX 5700ファミリーやRADEON 9600ファミリーをクロックダウンしているケースがほとんど。

 しかし、9600XT-ULTIMATEは、最も人気のある最新ミドルレンジGPUのRADEON 9600XTを搭載しながら、コアクロックもメモリクロックもそれぞれ定格の500MHzと600MHzで動作させている。これが第一の「大きな相違点」だ。

 一部のベンダーやショップからRADEON 9800 PROなどのハイエンドクラスのGPUを搭載したファンレス製品も登場しているが、総じてヒートシンクが巨大になってしまう問題があった。巨大なヒートシンクは設置スペースの確保や、その重量から取り扱いが難しいといったデメリットがある。AGPに隣接するPCIスロットの一つと干渉したり、静音性がより求められるキューブ型PCに搭載できない場合が多い。

 RADEON-9600XT ULTIMATE Editionの「大きな相違点」の二つめは、ミドルレンジGPUを定格クロックで動作させながらも、ヒートシンクが小型にまとまっている点だ。バリュークラスファンレスビデオカードのような剣山タイプのヒートシンクとはいかないものの、カード表側のヒートシンクサイズは通常のファン付きチップクーラーとほぼ同じサイズになっている。

 ビデオカードの裏面にもヒートシンクが実装されているが、これは裏面に実装されたメモリチップやカード基板と接していない。針金のようなの支柱で支えられて浮いた状態になっており、表面のヒートシンクとヒートパイプでつながっている。GPUから発生した熱をヒートパイプで誘導し、両面のヒートシンクから放熱することで、ヒートシンクの小型化を実現しているのだ。

カード表面のヒートシンクはギリギリでPCIスロットにかかっていない。ヒートパイプでつながっている裏面のヒートシンクは基板に接触していない

 ファンレスでありながら、定格動作のRADEON-9600XT ULTIMATE。当然、パフォーマンスに期待したいところ。ということで、定番のベンチマークでミドルレンジビデオカードと比較してみた。

 なお、今回は比較用としてRADEON 9600 XT搭載ビデオカードに、同じSapphireのATLANTES RADEON9600 XTも加えている。最近登場するRADEON 9600 XT搭載ビデオカードの差別化として、先ほど述べたようなファンレスの方向性に加えてもう一つ、定格よりややオーバークロック気味に設定した製品が挙げられる。

 もちろん、PowerStripのようなユーティリティを使えば、ユーザーがオーバークロックして使うこともできるが、ベンダーが最初からオーバークロックをしている場合は、ビデオカードベンダーが検証して動作を保証している安心感がある。

 ATLANTES RADEON9600XTも、最初から動作クロックが高く設定されている製品で、コアクロックは定格の500Mzながら、メモリクロックは定格からやや高めの650MHzとなっている。ベンチマークでは、定格動作のRADEON 9600 XT搭載ビデオカードとATLANTES RADEON9600XTのパフォーマンスの違いにも注目してみたい。

ベンチマークシステム環境
CPUPentium 4/2.53GHz
マザーボードGNB Max-L
メモリPC2700 256MB×2ch
HDDDiamondMax Plus9(120GB)
OSWindows XP Professional +SP1

3DMark03 Score
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月21日 更新
  1. GoogleがAIモデル「Gemma 4」の大規模改善を発表/Windows 11における既知の不具合を公表 (2026年07月19日)
  2. ギガバイトから40周年記念のRTX 5080やX870マザーが登場! Lian-Liの次世代ファンもアキバで話題に (2026年07月20日)
  3. 価格高騰&Win 10サポート終了の救世主? あえて旧世代CPUを搭載するミニPC「GMKtec NucBox M3 Pro」の実力 (2026年07月15日)
  4. 企業や業種の垣根を越えるコミュニティ「印刷女子」が提示する、“推し”から始まる新しい価値創造と印刷ビジネスの可能性 (2026年07月20日)
  5. 新CPU「Ryzen 7 7700X3D」が登場も悩ましい事情/修理需要で売れる3500円のコードレス精密工具 (2026年07月18日)
  6. ノートPCやスマホの「充電器(ACアダプター)」は何を見て選べばいい? ポイントは3つ (2026年07月14日)
  7. ジェンスン・ファンCEO、「セガ」と「T-ZONE」を語る (2026年07月17日)
  8. 約58gのAIスマートグラス「INMO GO3」日本初上陸 累計販売トップブランドのビジョンは (2026年07月17日)
  9. フルサイズHDMI端子&タッチ対応で実売3万円台! プリンストンの15.6型モバイルディスプレイ「PTF-M156T2」を試す (2026年07月15日)
  10. 間もなく登場するWindows 11次期アップデート「26H2」で何が変わる? 2027年に向けたUI進化と高速化 (2026年06月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー