乾電池で長時間駆動が可能な400万画素デジカメ――松下 LUMIX DMC-LC70(2/3 ページ)

» 2004年05月11日 14時21分 公開
[石井英男,ITmedia]

初めてデジカメを使う人におすすめの「かんたんモード」

 LC70では、モードダイヤルで、通常撮影モード/エコモード/マクロモード/ポートレートモード/風景モード/夜景ポートレートモード/動画モード/かんたんモード/再生モードの切り替えが可能である。

 かんたんモードは、初めてデジカメを使う人でも簡単に使える撮影モードで、液晶に表示されるアイコンが大きくなるほか、メニューでの設定項目も必要最低限に限定される。かんたんモード自体はLC43にも搭載されていたが、LC70では、かんたんモードで逆光補正機能が利用できるようになった。かんたんモードでの逆光補正機能は、カーソルボタンの上を押すだけで有効になる。露出補正量は自動的に設定される。

 かんたんモードでは、記録画素数やクオリティを個別に設定することはできず、画質設定として一つにまとめられている。画質設定では、「引き伸ばし」(2304×1728ピクセル/ファイン)や「サービス版」(1280×960ピクセル/ファイン)、「Eメール」(640×480ピクセル/スタンダード)というように用途から選ぶようになっているので、初心者にもわかりやすい。

 なお、かんたんモードでは、ISO感度はAUTO固定で、ホワイトバランスもAUTO固定となるほか、デジタルズームやカラーエフェクト、画質調整、音声記録、スポットモードなどの機能は利用できない。

かんたんモードでは、液晶に表示されるアイコンが大きくなり、逆光補正もワンタッチでおこなえる
かんたんモードでは、画質設定を「引き伸ばし」「サービス版」「Eメール」から選択できる

FOCUSボタンによる置きピン撮影も可能

 通常撮影モードでは、ホワイトバランスやISO感度などの設定が可能である。ホワイトバランスは、AUTO/晴天/曇り/白熱灯のほか、マニュアル設定も用意されている。

 ISO感度は、AUTO/50/100/200/400から選べる。ISO感度をAUTOにすると、50〜200の間(フラッシュ使用時は50〜100)で自動的にゲインアップされる。

 また、被写体のある一部分にピントと露出をあわせるスポットモードも利用できるほか、AF駆動をシャッターボタンの半押しで開始するか、FOCUSボタン(削除ボタンも兼用)で開始するかを選択できる。FOCUSボタンに設定すると、あらかじめピントをあわせておいて撮影を行う「置きピン撮影」が可能になる。置きピン撮影は、動きの速い被写体を撮影するときに有効なテクニックで、運動会でゴールしてくる子供を撮るときなどに役立つ。

 撮影時にリアルタイムヒストグラム表示が可能なので、適正な露出を判断しやすいことも嬉しい。露出補正は、-2EV〜+2EVの範囲で、1/3EV刻みでおこなえる。シャッタースピードや絞り値も撮影時に表示されるので、参考になるだろう。

 通常撮影モードでは、クール/ウォーム/白黒の3種類の色彩効果が得られるカラーエフェクト機能や、画質調整機能(ナチュラル/ヴィヴィッドから選択)も利用できる。また、コマ撮りした画像をつなぎ合わせて、最長約20秒の動画ファイルを作成できるコマ撮りアニメ機能が用意されているのもユニークだ。

AF駆動をシャッターボタンで開始するか、FOCUSボタンで開始するかを選択できる
通常モードでは、撮影時にリアルタイムヒストグラム表示が可能

マクロ機能はやや弱い

 通常撮影モードでは、最短50センチまでしか被写体に寄れないが、マクロモードに切り替えることで、最短10センチまでのマクロ撮影が可能になる。ただし、10センチまで寄れるのはワイド端の場合で、テレ端にすると最短50センチまでなので、通常撮影モードと変わらなくなる。マクロ機能は、あまり強くないといえる。

 連写機能は、高速と低速の2モードから選択でき、高速では1秒間あたり3.3コマ、低速では1秒間あたり2コマの連写が可能だ。ただし、2304×1728ピクセルでは最大3コマ(ファイン時、スタンダードでは5コマ)までしか連写できない。

 動画モードでは音声付き動画の撮影が可能だ。解像度は320×240ピクセル固定だが、フレームレートは10フレーム/秒と30フレーム/秒から選択できる。なお、動画撮影中は、光学ズームは利用できない。また、5秒間の音声付き静止画の撮影や、露出をずらして撮影をおこなうオートブラケット撮影機能も用意されている。

 シーン別モードが細かく用意されているわけではないが、屋外での人物撮影に適したポートレートモードや、遠くの風景を撮るのに適した風景モード、夜景を背景に人物などを撮るのに適した夜景ポートレートモードがあるので、一般的なシーンはほぼカバーできるだろう。また、撮影した画像をリサイズしたり、トリミングすることも可能だ。

シンプルで使いやすい初心者向きの製品

 LC70は、シンプルで使いやすいデジカメであり、旧モデルのLC43に比べて電池寿命が大幅に長くなっているので、製品としての完成度はより向上している。EXLIMやオプティオなどの薄型デジカメに比べれば携帯性は劣るが、その分、手でホールドしやすいデザインともいえるわけで、初心者にはぴったりだ。デジタル機器の操作にあまり慣れていない親などに贈ってあげれば、喜ばれるのではないだろうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー