基本的なマシンスペックも申し分ない。メインメモリは標準でPC2700 DDR SDRAMを256Mバイト搭載し、最大2Gバイトまで拡張可能。ハードディスクは最大80GB、光学式ドライブもCD-RW/DVD-ROMコンボドライブ、DVD+-R/RW対応のDVDマルチドライブ、全DVDメディアに対応するDVDスーパーマルチドライブの中から選択可能だ。
ネットワーク機能としては、1000BASE-T対応のLAN機能やIEEE802.11a/b/g無線LANが搭載可能となっている。それ以外にも、CardBus対応のPCカードスロット(TYPE II×1)、IEEE 1394ポート、SDメモリーカードやメモリースティックが利用可能な「3in1スロット」などが用意されており、A4フルサイズのオールインワンノートとしては十分満足できる機能が盛り込まれている。
EDiCube Fに搭載されている面白い機能としては、マシンの電源を入れずに利用できる音楽CD再生機能がある。本体全面手前に用意されている音楽CD専用のコントロールボタンを利用することで、OSが起動していない状態でも音楽CDの再生が可能だ。DVD Videoの再生に対応していないのはやや残念だが、活用の幅を広げるという意味では歓迎できる機能だろう。
従来のEDiCube Lシリーズは、ビジネスノートと言ってもいいような無骨なデザインで、家庭での利用をメインターゲットとしているマシンとしては、やや物足りないという印象であった。
しかし、EDiCube Fシリーズでは、黒をベースとして、液晶ディスプレイのベゼルやキーボード面に白を採用するツートンカラーのデザインが採用され、デザイン性は大きく向上している。
液晶面を閉じている場合には、黒がメインで、ボディの側面部分に白が見えるだけだが、液晶面を開けると逆に白が多くなり、明るい印象を受ける。これなら、リビングルームで利用する場合でも、部屋のイメージを損なうことなく利用できるだろう。
ただし、リビングでの利用時には、CPUファンの騒音が気になることがあるかもしれない。ゲームをプレイする場合など、高いマシンパワーを必要とするときには、断続的に空冷ファンが高速回転し、かなりの騒音が発生するためだ。とはいえ、空冷ファンは常時回転しているわけではないし、インターネットアクセスやオフィスアプリケーションを利用している場合などはほとんどファンは回転しないため、静寂性が大きく失われることはないと思う。
大型液晶ディスプレイを搭載し、CPUにモバイル Athlon 64、グラフィック機能にMOBILITY RADEON 9200/9700を採用することによって、ビジネス用途はもちろん、家庭でのホビー用途にも柔軟に対応できるマシンに生まれ変わったEDiCube Fシリーズ。それでいて価格面でも十分魅力が高い。
家庭での利用を中心としたハイスペックノートPCや、省スペースデスクトップとしてのノートPCを探していた人にとって、十分な魅力のあるマシンと言ってよいだろう。
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