富士写、デジタル一眼レフカメラ「FinePix S3 Pro」を発表

[ITmedia]

　富士写真フイルムは7月28日、デジタル一眼レフカメラの新機種「FinePix S3 Pro」（以下、S3 Pro）を発表した。

　S3 Proには、新開発された23.0×15.5ミリの「スーパーCCDハニカム SRII」（以下、SRII）が搭載される。SRIIは、従来の「スーパーCCDハニカムIV SR」（以下、SR）をベースに、新たに開発されたCCDで、前モデルの「FinePix S2 Pro」に比べて、約4倍のダイナミックレンジを持つ。

　SRIIは、面積が大きく感度が高い「S画素」と、面積が小さくダイナミックレンジを広くするための「R画素」に分かれている。SRでは一つのハニカムの中に、S画素とR画素が存在していたが、SRIIではそれぞれの画素が独立し、互い違いに配置されることで、広いダイナミックレンジと高S/N比、高感度を達成したという。これにより、豊富な階調表現が可能になり、ライティング調整や撮影後の画像加工に要する負荷が減り、撮影そのものに集中できるとのこと。

SRIIのS画素とR画素の配置

　なおS3 Proには、S画素とR画素を活用して、ダイナミックレンジをフルに生かした撮影ができる「AUTO」モードと、S画素のみを利用する「スタンダード」モード、ダイナミックレンジを制限して利用する「W1/W2モード」が用意されている。

　またS3 Proでは、新開発の画像処理システムが採用されており、高感度でも優れたS/N比を実現しているほか、色相の忠実性と彩度バランスを改善しており、タングステン下でも好ましい色を再現したとのこと。起動時間も約0.5秒となったほか、フィルムの色をシミュレートする「フジクロームモード」や「フォトポートレートモード」が利用できる。

新開発された画像処理システム

　なお、S3 Proと同時に、CCD RAW14ビットの画像データを扱える画像処理ソフトウェア「HS-V2 Ver3.0」も発売される。

　S3 Proは10月上旬発売で、店頭予想価格は約26万円前後。主なスペックは以下の通り。

製品名	FinePix S3 Pro
有効画素数	1234万画素（S画素617万画素、R画素617万画素）。総画素数1290万画素（S画素645万画素、R画素645万画素）
撮像素子	大型（23.0ミリ×15.5ミリ）スーパーCCDハニカムSRII　原色フィルター採用
記録メディア	xD-ピクチャーカード／マイクロドライブダブルスロット搭載
最大記録画素数	4256×2848ピクセル
記録方式	DCF準拠、圧縮：Exif2.2JPEG準拠／DPOF対応、非圧縮：CCD RAW
レンズマウント	ニコンFマウント対応（AFカップリング、AF接点付き）
ISO感度	100/160/200/400/800/1600
露出制御	プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル
シャッタースピード	30秒〜1/4000秒（バルブ撮影可能）
連写	最短約0.4秒間隔、最大連続12コマまで（ダイナミックレンジ：スタンダード、JPEGモード時）
ホワイトバランス	オート、プリセット（晴天／日陰／昼光色蛍光灯／昼白色蛍光灯／白色蛍光灯／電球）、カスタム（2ポジション）
液晶モニタ	2.0インチ低温ポリシリコンTFTカラー液晶モニタ　約23.5万画素（再生時視野率約100％）
電源	単3型ニッケル水素電池4本（付属）
サイズ	147.8（幅）×135.3（高さ）×80.0（奥行き）ミリ（レンズ、突起部含まず）
重量	約835グラム（レンズ、電池、記録メディア含まず