いよいよアテネの開幕だ。巷では、この一大イベントをきっかけにして、大型、かつ薄型のTVやDVD/HDDレコーダーなどが、ずいぶんと景気よく売れているらしい。景気が良くなるのは大歓迎だが、そうはいってもDVD/HDDレコーダーはまだまだ高価である。
DVD/HDDレコーダーを用意したとしても、それで準備万端ということにはならない。最大最高のスポーツイベントだけあって、メジャーマイナー取り混ぜて、実施競技が多種多様であるあるため、同時並行的にどんどんと日程が消化されていくのである。
TV実況も「ひとつのチャネルをずっと見ていればいい」ということにはならない。「ある」衛星放送では「全部やる」をうたい文句にしているけれども、衛星だけではとても無理。地上波とBSが同時に放送を行うばかりでなく、民放も地上と衛星の電波を最大限に駆使して同時刻に放送が行われる。
アテネからの実況で、放送時間がダブるのは当たり前であり、多い時では地上波だけでも3番組、アナログBSを含めると4番組、BSデジタルやスカパーなどを含めると、もういくつ重なっているのか把握することも難しいのである。
こうなってくると、DVD/HDDレコーダーの容量問題がにわかにクローズアップされてくる。最新最高級のDVD/HDDレコーダーでさえ、HDD容量は400Gバイト程度しかない。もし、標準画質の平均4Mbps程度で録画を行ったとしたら、400GバイトのHDDは約220時間の録画が行える。実際には音声データもあるし、OS領域や管理情報などもあるので、200時間程度となるはずだ。
それなのに、例えばNHK-BS1は、ほぼ毎日20時間以上を関連番組に割り当て、それが8月11日から29日までの19日間続く。単純計算しても360時間の録画領域が必要になり、400GBのHDDをもってしても容量不足となってしまうのである。
NHK-BS1だけでも足りないのだから、民放やNHK地上波を「全部録るっ!」と意気込んでみても、どうしようもなくなってしまうのは明白。もちろん、録画したデータをどんどんDVDに保存して、HDDから消してしまえば何とかなるかも知れないが、それにしても膨大な手間と時間がかかってしまう。
もし、関連番組すべてを録画しておこうと思ったら、DVD/HDDレコーダーは最低でも2〜3台用意しなければならなくなる。ただでさえ高価なDVD/HDDレコーダーを複数台用意するなど、非現実的だ。
そこで、是非挑戦していただきたいのが、PCで全放送をキャプチャーする方法だ。
最近のメーカー製PCには、キャプチャーカードが搭載されているモデルが主力となっている。おかげで「PCでTV番組を録画できる」という行為はずいぶんと「普通の使い方」となってきているようだ。
ごくごく簡単に説明すれば、PCでTV番組を録画するということは、デスクトップPCならPCI接続のキャプチャーカード(USB接続の外付けユニットでもOK)、ノートPCの場合はUSB接続、またはPCカードのキャプチャーカードを取り付け、テレビ番組をHDDへ記録する方式である。
では、PCによるTV録画がDVD/HDDレコーダーより優れている部分はどこであるのか。その最大のメリットは、機能の拡張と増設が簡単、かつ経済的に行えることだ。とくに、最近のHDDは大容量かつ安価で、手軽に長大な録画時間を手にすることができる。
たとえば、ちょっと奮発してトータルで1テラバイトのHDDを搭載した場合でも、2万円弱の250GB HDDを4台用意するだけなので、7〜8万円で済んでしまう。
また、最近では1台のPCに複数のキャプチャーカードを取り付け、同時複数録画という荒技も実用的になってきている。キャプチャーカードの中には、6番組同時録画が可能という強者もあり、今回のような一大スポーツイベント関連番組録画用途には、とても心強い味方になってくれる。
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