第2回 マザーボードテスト用のパーツを作ってみよう自作PCユーザーのための夏休み工作教室(1/3 ページ)

» 2004年08月03日 12時00分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

 第2回はさらなるハンダ付け技術の向上を目指して「ベンチマーカーの友:直結インジケーター&スイッチ」を作る。これは以前PCUPdateのN記者に渡したところ、意外と好評で、テスト環境で愛用中らしい。ただし、あまりお上品なつくりではないことを最初にお断りしておく。動けばヨシのレベルのつくりだ。

過激なベンチマーカーは電源スイッチを使わない?!

 過激なベンチマーカーはパーツを頻繁に取り替えるために、ケースに組み込むことなく利用していることがままある。A4サイズ程度の雑誌の上にマザーボードを置き、パーツを水平展開するわけだ。PCIやAGPボードは固定なしだ。ちょっと工夫するときには、電源を下に敷き、横にドライブを縦に並べたりする。玄人志向の「SEIGI-1GOU」(生技壱號 根性試し用まな板)や、ダンボールケースすら使わないわけだ。

 実のところ、これでは外気が直接入るものの、効率的な空気の流れではないので、BTX時代になってこの方法が生き残れるかどうかやや不安があるが、今のところ意外と多くの編集部やライターが使っている。

 この場合に電源オンをどうしているのかというと、丁寧な人はスイッチパーツを使うと思うのだが、たいていは乱暴なことに「10円玉電源スイッチ」、「ドライバー電源スイッチ」が横行している。

 ベンチマーカー向けとしか思えないインジケーター&スイッチキットも出ているが(前回紹介した千石電商では200円で売っている)、バカ正直に電源とHDDアクセスLEDにPowerとResetスイッチを付ける必要などなく、無駄が多い。最小限でいいので、電源スイッチさえあればよいという漢向けアイテムだ。もちろん、市販されていなければ作るしか! ということで、ハンダこてを握ることになる。

千石電商で売っているスイッチパーツ

 ここで先週の補足とお詫びを一つ。長寿命タイプのハンダこて先を使う場合は、最初の通電時にハンダをまんべんなくつけておくのが望ましい。具体的にはハンダをこて先に軽く巻いてから通電すれと、暖まったときに一気に溶けて先にべっとりと付く。これで全体にハンダでコーティングされるので都合がよい。もちろん、余ったハンダはふき取る必要がある。

 もう一つは、ハンダ付け作業をする際にはまず、軽く先を拭いてやる必要がある。専用のクリーナー(先週の写真のこて台の横の黄色いスポンジ)もあるが、濡れ雑巾で十分だ。ただし木綿でなければだめで、ない場合はキッチンペーパーなり、ティッシュを軽くぬらして拭こう。

圧着用ですよ……なんてことは気にしない

 電源スイッチ用に使うコネクタは「2550」(千石電商では「信号伝達コネクタ」で販売)と呼ばれているものだ。最近はフロントUSBコネクタに取り付けられているので、コネクタを見たことがある人も多いだろう。マザーボード側で1×1または1×4のがよく使われている。

 ここではスイッチとインジケーターを作るので、1×2のものを買う。電源インジケーターも必要ならば1×3も必要だが、これはCPUクーラーが回っていれば分かるので必須ではない。どちらも20円程度だ。

 また、通常は中身のコネクタピンは別売りなので、これも忘れずに買っておこう(千石電商では4本単位で30円で販売している。。そして、初めて作るならば絶対にミスをするので、ピンは余計に買っておいたほうがよいだろう。なお、千石電商では、50円以下の商品は10個以上でないと通販で買えないので注意しよう。

1×2(左)と1×3(中)の2550(信号伝達)コネクタ。右はコネクタピン

 このコネクタピンは電線を圧着工具でカシめるのが正当な使い方だが、本当の圧着工具は高い(千石電商では4980円だった)。また今回のように、スイッチやLEDを直接取り付けることは想定されていない。だからこそ、売っているものは電線を介して取り付けてあるわけだが、どうも収まりが悪いように思える。

 そこで乱暴だが直接ハンダ付けしちゃおうというわけだ。この手の圧着ピンは曲げないとコネクタに入らないので、ラジオペンチであらかじめ曲げておく。完全につぶすとガイド役にならないので、抵抗やLEDの足を挟むようにして作業するといいだろう。

 そしてスイッチのハンダ付けだが、コネクタに入るぐらいの余地を残しておいてハンダ付けし、コネクタに入れればよい。なお、コネクタを入れるのは向きがあり、間違えるとロックしないし、いったん差し込むと抜くのは困難なので注意しよう。

 これでスイッチは完成だ……と、言葉で書くと非常に簡単に見える。

今回のハンダ付けは意外と難易度が高い

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