USB機器を作るパーツとして欠かせないのはUSBコネクタだ。正確には細長い方の「USB Aコネクタ」というやつだ。千石電商では280円で売っていた。たとえば、ここに第2回で使ったフルカラーイルミネーションLEDをつけると、それだけで七色に光るUSBコネクタの出来上がりだ。
USBケーブルは1メートルのA−Bケーブルで140円。1メートルのA−Aケーブルなら、半分に切って両方使えるのにやっぱり140円と、コネクタの半値で売っている。さらに100円ショップでもUSBケーブルを扱っており、消費税込みで105円で売っていたりする。品質面ではイマイチの印象がないわけでもないが、別に光らせるだけなので、ケーブルの品質が云々ということは問題にならない。
LEDというのは電球ではなく立派な電子パーツなので、規格外には弱い。LEDは大体、流す電流を20ミリアンペア以内にしましょうという決まりがある。加えて、LEDを光らせるためには「順方向電圧」(電流が流れる向きに電圧をかけた場合)に、一定の電圧が必要となる。
LEDは普通のダイオードよりも電圧が高く、2ボルト位必要というのが昔の知識だった。現在は少々事情が異なっており、たとえばスタンレー電子の商品検索ページから、代表的なLEDとしてφ5の各色、比較的低輝度と高輝度製品をいくつかピックアップすると以下のようなものがある。
表2■スタンレー電子製LEDの製品特性(抜粋)
品名 | 発色 | 光輝度(mcd) | 順方向電圧(typ.) |
BR5304S | 赤 | 80 | 1.7 |
UR5366X | 赤 | 3600 | 2.2 |
AY5304S | 黄 | 60 | 2.2 |
UY5366X | 黄 | 4000 | 2.2 |
PG5304S | 緑 | 60 | 2.1 |
UG5306X | 緑 | 6720 | 3.7 |
DB5304X | 青 | 300 | 3.5 |
UB5306X | 青 | 2800 | 3.7 |
UW5805S | 白 | 2000 | 3.7 |
UW5806W | 白 | 4800 | 3.7 |
つまり、新顔のLED(高輝度や青、白)は順方向電圧が高いというわけだ。で、ダイオードは順方向の抵抗成分がないのが理想的なので、電流が流れすぎてしまう。そこで抵抗を入れるわけだ。
先週使った秋月電子通商で売っているフルカラーイルミネーションLEDをには100Ωの抵抗が入っていて、しかも「USB(5ボルト)でお使いのときは、必ず抵抗を入れてください」と書いてある。いにしえの知識では「LEDを5ボルトで光らせるときは330Ωぐらいの抵抗を入れろ」だったのだが、抵抗値が低いのはこのフルカラーLEDの順方向電圧が高いためだろう。
ということで、ひとまずUSBコネクタにフルカラーLEDを取り付けてみた。コネクタは5ミリのケーブルが通るようになっているので、5ミリのLEDは都合がよいのだが、LEDの根元は少々太くなっているので、これをニッパで切り取っておく必要がある。また、コネクタカバーの根元も切断しておいたほうがカッコよさそうだ。
さらにコネクタ内に100Ωの抵抗も内蔵してみた。がんばって作ってみたのだが、やっぱりハンダこてスキルもいるし、長さとかはカンと経験(!)が必要になるかもしれない。スタンバイ時でもUSBに給電する設定にしておくと、暗闇で光ってなんとなくいい感じだ。
で、光モノはチカチカと点いていたほうが目立つというかカッコイイというか、商品価値が高いので、秋月電子通商で売っている自己点滅LEDも買ってきて付けてみた。一個当たり40円と通常のLEDよりは高いものの、フルカラーLEDや白LEDよりは断然安い。
しかし、困ったことに10個単位での販売。4色売っているのだが、3色買うと1200円となってしまい、ちょっと高すぎる。サンプル版4色セットとして、各色2本づつ入り400円程度で売って欲しいところだ。
これらをガシガシ取り付けるとクリスマスイルミネーションみたいなコネクタがあっさりできあがるか……と思ったのだが、USBケーブルの途中にハンダ付けをしようとしたらハンダが乗らず、とりあえず点灯テストをしたところ、チカチカとうるさすぎる。クリスマスイルミネーションにするためには、もうちょっと研究が必要のようだ。
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