「正直、EOSに勝った」──「α-7 DIGITAL」が来た(1/3 ページ)

» 2004年09月15日 21時33分 公開
[小林伸也,ITmedia]

 「EOS 20Dを見た。正直言って、勝たせて頂いたかな、と思っている」──コニカミノルタ「α-7 DIGITAL」開発者の口調は控えめながら、言葉は自信にあふれていた。新製品が相次いだ他社デジタル一眼レフ(DSLR)の喧噪を横目に、αユーザーが待ち続けてきたα-7 DIGITAL。コンセプトは「デジタルへの滑らかな移行」だ(関連記事参照)

αの血統

 αユーザーなら周知だろうが、電子画像が撮れるαは実は初めてではない。初代機「α-7000」、これに続くフラッグシップ「α-9000」に装着可能なオプションとして1987年に発売された「スチルビデオバックSB70/90」がそれだ。当時の価格は19万8000円。「α-7 DIGITAL」とほぼ同じ価格だ。

photo スチルビデオバックSB70/90は社史にも残る(同社Webサイトより)

 αシステムは1985年、本格的なシステム一眼レフカメラとしては世界初となるAF一眼レフとして世に出た。それまでもAF一眼レフは存在したが、「ピントがちゃんと合う」実用的な一眼レフはαが最初。Honeywellとの特許訴訟も思い出しつつ、何と言ってもカッコよかったカードシステムや内蔵ストロボのズーム連動、“構えたら撮るだけ”というアイスタートシステムにオートズームなど、堺の名門から繰り出されるボディは常に先進的で挑戦的だったのだ。

何はともあれAnti-Shake

 α生誕20周年に先だって発売されるα-7 Digitalも挑戦的なボディとなった。まず気になるのはCCDシフトによるAnti-Shake(AS)だろう。

photo ボディ内のAS機構を取り出したデモ。左下のジャイロセンサーを動かすと、連動してCCD部がぐいぐい動くさまは楽しい

 気付いているユーザーはそう多くないが、手ぶれは写真の解像感を下げる大きな原因だ。俗に「焦点距離分の1のシャッター速度」と言われる手ぶれ限界だが、しかし手ぶれはスローシャッター時にのみ影響してくるわけではない。カメラは本来三脚を立てて使うものであって、手持ちで撮るのはやむをえない場合のみ──しっかりした三脚で撮影した経験を持つユーザーならそう思うくらい、手ぶれは常に写真に悪影響を及ぼしている。無理して高いレンズを買うくらいなら、手ぶれ対策の徹底の方が安上がりに画質を向上させられる即効薬なのだ。

 手ぶれは人間の微妙な動きが原因。これをカメラ側で解決する補正機構の搭載がポピュラーになってきている。ただ既存の方式はレンズの移動で補正する光学式。一体型コンパクトなら問題はないが、レンズ交換式一眼レフでは対応レンズ以外を装着すると当然、効かなくなる。それに防振レンズは重くなるのも難点だ。

 これを解決するのがコニカミノルタのCCDシフト方式。ボディ側で手ぶれ補正を行うため、レンズを選ばずに手ぶれ補正効果が得られるというわけだ。同社は「累計1600万本を出荷したαレンズすべてで手ぶれ補正を利用できる」と胸を張る(ただし「AFマクロズーム3X-1X」ではASを切る必要がある)。単に手ぶれを補正するだけでなく、夕暮れ時に自然光で撮影したり、マクロ時の解像感の向上など、「撮影範囲や表現を拡大する積極的な使い方を提案したい」(同社)。

photo 「DiMAGE A1/2」で既に実績がある技術だが、駆動アクチュエータの改良などでCCDサイズの拡大に対応した

 ただ、例のない方式だけに“副作用”があるのも事実だ。まず本体の起動時間。公称値は現段階では確定していないが、「最終的に2秒を切るレベルにしたい。ASのリセットが必要なため、他社のようにコンマ何秒というのは難しい」(同社)。起動時間の高速さは各社のアピールポイントの一つ。気短なユーザーにとっては弱点と言えるだろう。

 またα-7 DIGITALの発表以来、ユーザーからは「ASではAPS-C専用レンズは難しいのでは」という声が上がっていた。ASによるCCD移動は「焦点距離によってはミリ単位」(同社)というレベル。きっちりAPS-Cサイズのイメージサークルだと、場合によってはケラレる可能性があるためだ。

 現段階では「APSサイズ専用レンズは必要性を検討した上で、必要なら開発する。具体的なロードマップは現段階では差し控えたい」と開発表明もしなかった。ただし「CCDの移動分、イメージサークルを数ミリ拡大させればいい」(同社)わけで、軽量コンパクトなDSLR専用レンズの登場は十分期待できそうだ。

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