LL770/ADはさらに15インチスーパーシャインビュー液晶を搭載し、テレパソ色を強めている。各社とも空きモデルでは高輝度液晶を搭載した製品が増えているが、ノートPCでは消費電力の増大を招くデメリットがある。
指標となる色度域は72%で通常の液晶ノートPCの45%と比較すると大幅なアップで、液晶テレビ相当となっている(この値はNTSCで再現可能な領域を100%とした相対値)。
色度域を向上させることで実際の輝度以上に鮮やかに見えるというメリットがあり、300カンデラ程度で十分な画像が得られるだけでなく、PCとして使う場合に輝度を落としても鮮やかな表示となる。ちなみにLL770/ADの輝度は320カンデラの二灯式バックライトなのでほかの製品と比較して暗いというわけでもない。
TV機能が付いているということで、当然ながらキャプチャーボード相当の機能が組み込まれているが、ノートPCの製品としては珍しく、本体左にビデオ/オーディオのRCAジャックがそのまま出ている。TVを見るだけでなくビデオデッキを接続するときなどに便利だろう。
アンテナは残念ながら短い変換ケーブルを介して接続するが、アンテナケーブルは堅いものが多いので無理に直接つけるタイプより、変換ケーブルを介したほうが取り回しはよさそうだ。
キャプチャーユニットは新開発となるもので、ハードウェアエンコーダと高画質回路(DNR/TBC)が付いている。ただし、都市部で欲しいGR(ゴーストリデューサー)が組み込まれていないのは残念。
同梱されるソフトウェアも大幅に強化された。TV関連のコントロールソフトはデスクトップPCで定評ある「SmartVision」に変更され、視聴時点よりも前からの録画(さかのぼり録画)やキーワードによるおまかせ録画、そしてEPG(ADAMS系)にも対応している。ADAMS Plusにもプリインストールで対応しており、簡単なユーザー登録のみでインターネット経由の受信も行える。
テレパソで問題となる「TVを見たいだけなのにマシンの起動が遅くて待たされる」不満は、インスタントTV機能で対応する。電源OFFの状態からTVボタンを押せば、15秒ほどでTVの視聴が行える。本来のOSを使わない方法は他社でも採用されつつあるが、インポーズ画面が日本語化されており、文字も大きめで見やすいため使いやすい。
“テレパソ”マシンとしてみた場合、インスタントTV、SmartVisionによる視聴/予約/録画の強化だけでなく、液晶の色度域のアップとよりTVに近づいた新LaVie LはノートPCでもTV機能がアップできる好例といえるだろう。TV機能の強化はこの冬にかけての業界のポイントとなるが、色度を上げた液晶と使いやすいインスタントTV/DVDは注目すべきポイントと思われる。
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