ステラナビゲータ Ver.7で始めるデジタル天文(1/2 ページ)

» 2004年11月02日 16時55分 公開
[木田佳克,ITmedia]

 2001年ほどではないものの、今年も代表的な天体現象のひとつ「しし座流星群」が、11月17日前後に流れ星を見せてくれる。月明かりの影響がない見やすい時期だ。

 近年、スモッグや街灯影響などで星空が見えづらい地域が多いが、都市圏でもきれいに見るコツがある。それは、直接目に街灯の光が飛び込まない、暗がりで見上げてみることだ。何気ないことだが、身近には思いのほかよく見える場所があるかもしれない。

画面1■2005年10月17日21時前後の部分月食を3分置きに連続表示。残念ながら欠け方が少ない
画面2■2003年夏の火星大接近を10日置きの22時で連続表示。火星だけを500倍表示で光跡残し設定したもの

 画面1〜2は、アスキーソリューションズから発売された天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ Ver.7」(開発元:アストロアーツ)でシミュレーション表示した一例だ。

 ステラナビゲータ Ver.7は、今晩の星空を見てみようといった用途に限らず、過去、未来のあらゆる天体現象を条件検索し、シミュレーション表示可能なソフトである(ITmedia Shoppingでの最安値:1万2540円)。

画面3■初期設定で昼間に起動してみるとこの通り。PC時刻で描画する。太陽の影響(昼光)を消す設定もあり、皆既日食中に見られるような様子が現れる

 このVer.7は2年ぶりのバージョンアップであり、膨大な天体データを活かすべく、各種天文現象を検索し、調べて見るための手段が複合機能として搭載された。ほかにもCGのリアルな描画が特徴となっており、星の瞬きや拡大表示した場合に惑星などの精細表示が目を引く。

 プラネタリウム番組の搭載も目新しい(画面4)。季節ごとの星座などを、著名なプラネタリウムナレーターが画面のアニメーションと共に、PCM音源で解説してくれる。BGVとしても楽しめるだろう。

画面4■臨場感には差があるものの、街角のプラネタリウムのようにPC上で見られる。この画面は「星のリズム」と呼ばれる番組

 ほかにも星図表示状態で特定の場所を拡大表示すると、天体望遠鏡による観測時にも役立つほどの情報量を備えている。PCと接続可能な天体望遠鏡では、ステラナビゲータ Ver.7がナビゲータ役となる(後述)。

写真1■コンピュータ制御可能な天体望遠鏡の専用コントローラ各種と、PC(ステラナビゲータ)を接続できる

さまざまな現象のカスタマイズ表示が可能

 人にはよるものの、流星群、日食、月食などが注目に値する天文現象だろう。これらの現象をネット上を探しても、意外と星図と共に掲載しているサイトは少ない。

 日食や月食は画面1のように表示させることができ、ほかにも彗星や惑星を天文誌で見るような移動経路(位置推算)表示が可能だ(画面5)。

 もっとシンプルに、実際の夜空を見上げるような最短1秒置きの再描画をするアニメーション表示もできる。筆者はよくスクリーンセーバ代わりにボーッと眺めている。

画面5■2005年6月から2005年12月までの宵の明星(金星)の移動経路。印刷すれば教材にもなるだろう

 多くの彗星は、地球や太陽に近づくにつれて発見される。ステラナビゲータ Ver.7は、インターネット経由で彗星や人工天体などのデータ無料更新が可能だ。このような移動経路表示を保存(印刷)しておけば、あらゆる現象の日時や位置を把握可能だ。

 ノートPCで実際の星空と照らし合わせて見上げる、などという使い方もある。この場合に便利なのが、実際に星空を見上げる環境に近づける設定だ。街灯による光害やスモッグ影響によって見える星が少ない時は、光害をオンにしたり、満月があれば月明かりの影響をオンに、そして市街地であれば表示限界等級値を2等級などと小さく設定できる。

 田舎に行って日ごろ市街地で見上げる星空と異なり、星が多すぎて雰囲気がつかめない、などという苦い経験をしたのは筆者だけだろうか。ステラナビゲータ Ver.7は、このような環境もシミュレートしてくれるのだ(画面6)。

画面6■表示設定が多数用意されている

 そうとはいえ、心情的にはソフト上だけでも光害やスモッグなくきれいに表示しておきたい……。

星座のガイド解説

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