今回は、とくにギガビットLANハブとしてのパフォーマンスをやはり気にしないわけにはいかない。個人用途であれば、唯一のLANハブとして利用する人も多いだろう。
今回は2台のギガビットLANポートを備えるPCを利用し、相互にファイルコピーを行うことでLANの実スループット値を計測した。検証に用いたPCの仕様は以下の通り。
マシンA | マシンB | |
マザーボード | AOpen「MX4SGI-4DL」(Intel 865G) | ASUS「A7V600」(VIA KT600) |
CPU | Pentium 4/2.53GHz | Athlon XP 2500+ |
メモリ | 512Mバイト | |
HDD | マックストア「DiamondMax Plus 9 6Y120L0」(120Gバイト) | |
LANチップ | Intel Kenai II (オンボードCSA) | 3com 3c940(オンボード) |
OS | Windows XP Professional SP1 | Windows 2000 Professional SP4 |
また、比較用単体ギガビットLANハブとして、JumboFrame未対応のバッファロー「LSW-GT-4W」、JumboFrame対応の「LSW-GT-8C」を用意した。
検証はマシンAからマシンBへ、そしてマシンBからマシンAへの双方向で約1Gバイトのファイルを、Windowsエクスプローラ上でファイルコピーが終了するまでの時間を測定し、通信速度を算出した。なお、同様操作を計5回行い、その値を平均化したものとなる。
JumboFrame有効時のテストは、BRL-04Gの最大フレームサイズが1万2000バイト、Intel Kenai IIでは1万2000バイト以下で選択できる最大フレームサイズの9014バイトで設定し、3com 3C940の最大フレームサイズもこれの設定値に合わせた。
BRL-04GのギガビットLANハブ機能は、その単体機能製品に見劣りしないパフォーマンスを発揮した。JumboFrame無効時には、JumboFrame未対応のLSW-GT-4Wより低い結果となったが、僅差ながらLSW-GT-08Cは上回るパフォーマンスとなった。
JumboFrameを有効にすると、マシンAからマシンBへのコピー時に30%以上というファイルコピー速度の向上が見られ、同じくマシンBからマシンAへの作業でも15%近く向上した。マシンAからマシンBへのファイルコピー速度が300Mbpsを突破している点にとくに注目したい。この時、1Gバイトのファイルコピーは28秒ほどで完了した。
価格面に目を向けると、ITmedia Shoppingでの最安値は1万1340円、平均価格は1万3000円(2004年11月初旬現在)で販売されている。
4〜5ポートギガビットLANハブ製品が5000円前後なので、有線ブロードバンドルータと個別に購入した場合と比較してもお買い得感がとくにあるわけではないが、さほど割高感もない。設置スペースや必要なコンセント数が削減できるといったメリットを考慮すれば、コストパフォーマンスも悪くないのではないだろうか。
気になる点を上げるとすれば、やはりPPPoE接続では45Mbps程度に留まったブロードバンドルータとしての性能だ。現状、実用面では大きな問題にはならない場合がほとんどとはいえ、その可能性があるというのでは不安を感じてしまうのも事実だ。ファームウェアレベルで大幅にPPPoE接続時のスループット値を改善した製品も過去に見られるので、本製品でも可能な範囲での改善を期待したい。
対してギガビットLANハブ機能のパフォーマンスは、単体製品に見劣りしない性能は持っている。家庭内LANで大きなサイズ、とくにPCで録画した番組データのようなGバイト単位でのデータをPC間でやりとりする機会が多く、かつ接続する機器を無駄なく使用し、設置をできるだけスマートにしたいというユーザー、あるいはスループット値が同製品より低いものを使用していて、ちょうどルーター製品から買い換えようかと考えていたユーザーであれば、ギガビットLANハブ付きで1万円程度という価格から、そこそこのコストパフォーマンスを発揮すると言えるだろう。
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