マザーを上下逆に設置する“直線エアフロー”ケース――SST-TJ06を試すPCケース(4/4 ページ)

» 2004年12月20日 14時32分 公開
[河野寿,ITmedia]
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一方、使い道が分からないキーロック開閉式の前面パネル

 なお前述したように、このケースには電源が付属しないので、偶然にも某ショップの在庫処分セールで入手した、SilverStone製の400ワット電源「SST-ST400」を搭載した。同じメーカー製だからしっくりくるというわけでもないが、収まるべき所に収まった感もある。

 電源の真下にHDDベイが配置されるため、直接熱や振動などを伝えないためだろうと思われるゴム足が付いており、これに支えられるような形で電源が設置される。

photo 同社製電源「SST-ST400」を取り付けたところ

 実際に使ってみて意外に便利だと感じたのは、前面の左横に設置されるUSB、IEEE1394、オーディオ出力端子だ。

 これらは、いまどきのマザーには当たり前に付いてくるフツーの機能だが、座って右にケースをおいたときに差し込み口が手頃な位置に来るのが、机上の右側にケースを置く筆者にぴったりだった。もっとも、左側に置いたり、足下に置いた場合には、逆に使いにくくなるだろうから、万人受けするとは言わないが。

photo ケースを右に置くとUSBコネクタが猛烈に使いやすい。

 一方、個人用途としては使いそうであまり使い道がないと思えるのが、キーロック開閉式の前面パネルだ。

 サーバとして使用する場合にストレージを交換しやすく、かつセキュリティを高めるためのものだろうが、多分そういった場合により重要であろう電源ボタンはむき出しだ。例えばキーロックではなく、何かのレバーによりワンタッチオープン式とする方が個人ユーザーにはうれしいことだろう。

photo キーロック式パネルを採用するが……

買い換える価値のありそうなPCケース

 このケースの最大の特徴である「ウインドトンネルテクノロジー」は、今回使ってみた限りではかなりよい。このエアダクトによって空気の流れをはっきり分割でき、冷却性能と静音性が両立している。

 エアダクト用の12センチファンは2200rpm時で、騒音レベルは21デシベル、上部の8センチファンもやはり2200rpmで、同じく21デシベルというスペックだ。同社によると、一番熱を放出するCPU部分をダクト内に隔離したことで、ほか部分の冷却はさほどシビアではなくなったためとしている(ただし昨今は、グラフィックスチップやチップセット、メモリなども高熱を発するが)。

 効率性から考えると水冷や液冷システムの方が高いかもしれないが、静音レベルを高めるため、静音ファンや巨大なファンレスヒートシンク、あるいは静音シートなどのサプライ系パーツを複数導入することを考えると、このエアダクトシステムと、ほどよく使いやすいドライブ系ベイの機能を持つSST-TJ06は「買い換える価値のありそうなPCケース」と言えるのではないだろうか。

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