なお、光学ズームはないがデジタルズームはある。4倍のデジタルズームを使った作例を1つ。
ちなみにT*コーティングのレンズは特に逆光に強いといわれているが、i4Rはメカニカルシャッターを持ってないため、強烈な光源があるとスミアを押さえきれない。そのため逆光で撮るとこんな絵になることもある。
とこんな感じだが、時々、なんてことないシーンなのにAFがうまく合わないケースが見られたのも追記しておきたい。
製品には充電やデータ転送用のクレードルが付属する。これはカメラを横にして置くタイプ。デザイン的には縦に置きたかったところではあるが、コネクタの位置関係でしょうがないというところか。このクレードルで注目すべきは「D3出力」を持っていること。もしハイビジョン対応のHDテレビを持っているならダイレクトに高画質な映像を映すことが可能だ。
とまあi4Rはこんな感じの製品である。
デザインはピカイチ。ユーザーを選ぶデザインではあるし、デザインのために機能や使い勝手を犠牲にした部分もあるが、その結果として得られるデザインがこれだけ凝っていれば文句はない。間違いなく持っていると目立つデジカメだ。さっと取り出してさっとカバーをつまんで引っ張り出して撮影するというスタイルは斬新で、この指で引っ張る感触はなかなか楽しい。
気になるのはその製品ターゲットと性能とのバランスだ。
こういうスタイルの製品を使うユーザーが自分で彩度やコントラストをいじったり、カスタムホワイトバランスのセットをするのはレアだと思うし、この京セラ系の硬めの画質がこういう製品と合っているかも少し疑問だ。晴天下でカリッとした絵が欲しいときには大ヒットするけれども、ポートレートを中心に撮るならもうちょっと柔らかめの方がいいと思う。
画質については善し悪しというよりは好みの問題かもしれない。個人的にはコントラストよりはもうちょっとリッチな色彩の方が好きだけれども。
でもデザインという意味ではもう久々に斬新で、なおかつ奇抜なだけではないしっかりしたデザインコンセプトがある鋭利な製品なのは確か。それはすごい。
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