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» 2005年01月20日 15時08分 UPDATE

液晶背面に背負う、日立製ノートPC向け燃料電池公開

FC EXPO 2005会場で、日立は同社ノートPC「Prius」に搭載する燃料電池試作機が展示された。静音性に優れるパッシブ型システムを採用し、25ccカートリッジで2時間駆動が可能だという。

[岩城俊介,ITmedia]

 日立製作所は、21日まで開催される国際燃料電池展(FC EXPO 2005)会場にて携帯電話向け、および同社ノートPCに搭載した燃料電池の稼働デモを行っている。

photo 液晶の裏面に背負うタイプの日立製燃料電池試作機

 展示されていた試作機は、同社製ノートPC「Prius」シリーズの液晶ディスプレイ背面に背負われる形で搭載される。

 昨年のWPC EXPO 2004で展示されていた、大型サイズの追加バッテリーといった形の東芝製やインタフェース追加ドックのようなNEC製などのものとはまた異なる設置方法となっている。同社ではこれを「ピギーバック固定方式」と呼び、キーボードの自然な使い心地を重視した結果だという。

photo Priusに搭載された燃料電池。燃料電池で駆動する機器をいくつか触っているが、これはそれほど熱を持っていなかった。PCがアイドリング状態で、時間あたりのバッテリー消費量が少なかったためかもしれないが

 燃料となるメタノール(濃度は約30〜40%)を補填した二重管型カートリッジに、排出用モーターなどを用いないパッシブ型システムが採用される。燃料排出は一緒に補填される圧縮空気により押し出す仕組みとなっている。「PC用途として考えると、モーター音が騒音源となるアクティブ型システムはあまり向かないと考えます」(説明員)とのことだ。

 この試作機は、18セルバッテリーを搭載し、Prius搭載のバッテリーと同程度電圧・電流がまかなわれる。重量は約700グラム、現在は25ccカートリッジにより約2時間の駆動が可能となっており、将来的にはカートリッジ1本で8時間駆動を目指す。

 カートリッジは、100円ライターで知られる東海との共同開発によるもので、流通経路などもコンビニや量販店、駅売店など同社のネットワークを活用することも想定されている。乾電池のように容量・サイズ別にラインアップする予定だ。

photo ライター大手の東海と共同開発する予定。PC内蔵用、PDA用、携帯電話用といくつかのサイズ見本が用意されている。ただしこの例のPC内蔵用のものは、上記Priusに搭載されているパッシブ型ではなく、モーターによるアクティブ型システムの例とのこと

 ただし、単1、単2といった乾電池のように国際的に規格化されるかというとがまだ議論段階のようで、燃料電池の開発そのものはもちろん、この点についても大きな課題となるようだ。

 また、今年3月に開催される愛知万博向けに、来場者へ貸し出す予定という「Nature Viewer」なるポータブル情報端末のデモも行われている。

photo ポータブル情報端末「Nature Viewer」
photo 同ブース説明員の多くが携帯していた

 Nature Viewerは30%濃度のメタノール5ccカートリッジにより24時間駆動が可能。液晶ディスプレイと2軸分の十字キーを搭載し、データ格納メディアにiVDRが採用される。

 背面は多数の排気穴が開けられ、水素が発生する燃料電池駆動モデルらしく細かい水滴が付いている。もちろんこれら水滴は内部基板などにまで達しないようシーリングされている。

photo 背面は電子機器なのに大丈夫か、と心配してしまうようなほどの水滴がびっしり
photo 置いてあった端末を持ち上げると、コーヒーカップを持ち上げた時のような跡ができていた

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