歴代ノートの基板で20周年記念モデルの凄さを知る

» 2005年04月20日 20時15分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 4月20日に発表された「dynabook SS SX/190」「libretto U100/190」は、単なる2005年夏モデル、ではなく「東芝ノートPC事業20周年記念モデル」と位置付けられた新製品。

 これは、東芝が1985年に米国向けにT-1100というラップトップPC(ノートというにはちょっとサイズが大きい)を発売してから今年でちょうど20年になるのを記念した、という意味。その記念すべき年に登場した、新生dynabookとlibrettoをアピールすべく、東芝は大々的な製品説明会を開いた。

 その席上で、東芝のPC&ネットワーク社社長の能仲久嗣氏は東芝の技術力で可能となる「差別化戦略」と全世界的に展開する東芝のスケールメリットを生かした「コモディティ戦略」の二本柱による東芝のノートPC事業戦略をアピールし、同社副社長で統括技師長の吉田信博氏は新製品に盛り込まれた「差別化技術」を紹介した。

dynabook SS SX/190で「薄型軽量」「長時間バッテリー駆動」を両立させるために求められた高密度実装技術のために取り入れられた「低損失基板」は、伝導効率をアップして低消費電力化を図るだけでなく、より細い線による配線や配線間隔の短縮をもたらしてくれる

高密度実装技術のために取り入れられたもう1つの工夫が「スタックビア構造」。 これらの実装技術のおかげで、基板面積はdynabook SS S9から30%も縮小した

 会場には、大量のデモ機のほかに「差別化戦略」のキーワードである高密度実装技術をアピールするために、dynabook SS SX/190とlibretto U100/190のスケルトンモデルが展示され、その小さくなった基板に多くの来場者が注目していた。

dynabook SS SXのスケルトンモデルと基板

libretto U100/190のスケルトンモデルと基板

 ところで、「初めて仕事であてがわれたPCはJ-3100SGT101」「初めてのボーナスで購入したPCはDynabook SS 02E」「初めて買ったPC雑誌はOh! Dyna」という根っからの東芝ノートPCフリークである記者が個人的に注目してしまったのが、会場外の廊下に設けられた歴代東芝製ラップトップ、もしくはノートPCとその基板を展示したブース。

 そこで、ここでは展示されていたノートPCから、とくにメモリアル的な製品をピックアップし、その姿をお届けしたい。

すべてはここから始まった、と東芝が説明するラップトップPC「T1100」は1985年の登場

しかし実質的な意味で「すべてはここから始まった」のはこの「T-3100」「J-3100」といっていいだろう。東芝製ラップトップPCの地位を確固たるものにした「J-3100」シリーズ(米国でも「T-3100」という名称で人気を呼んだ)は、個人がおいそれと買える値段でなかったが、それだけに、オレンジ色に発光するプラズマに憧れを抱くユーザーも多かった。その後、東芝のPCといえば「3100」というイメージが定着。ちなみに、浜松町にある東芝本社ビルの31階にPC関連部隊がいたのは有名な話

そしてノートPCをいう新しいジャンルを定着させた記念碑PCともいうべき「DynaBook J3100SS001」は、そのサイズと軽さもさることながら、20万円を切る価格もユーザーの注目を集めた。英語モードではIBM PC XT互換であったことから、米国ゲームをするためにDynabook SSを購入する記者のような輩も少なからずいたようだ

このDynaBook SS 3300は現在に至る薄型軽量のdynabook SS路線の基礎を築いたシリーズ。時系列的には、この前にTFTカラー液晶搭載のサブノートPCとして米国で高く評価された「T-3400」が存在するのだが、残念ながら展示されていなかった

ノートPCというジャンルを確立したのがDynabook SS001ならば、ミニノートPCというジャンルを一般ユーザーに知らしめたのは、Libretto 20(写真はLibretto 50)といっていいだろう(hpのHP200LXという根強い声も多々あり)。バッテリー駆動時間など、いろいろと不満の声もあったが、やはりそのサイズでWindows 95が動いたのは衝撃的であった

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