シーゲイトから登場したBarracuda 7200.8 SATA NCQは、200Gバイトから、250G、300G、400Gバイトといった大容量モデルが用意されたSerial ATA対応の3.5インチHDDのシリーズ。
シーゲイトにしては珍しくスペックシートでプラッタの枚数やヘッド数を公開していないが、ていねいにも「3枚プラッタソリューション」と銘打っているため、少なくとも400Gバイトモデルでは133Gバイトプラッタを採用していることになる。
インタフェースはSerial ATA 2.0 Phase1対応となり、NCQ(Native Command Queing)もサポートする。残念ながら最大転送速度300Mバイト/秒のSerial ATA 2.0 Phase2には未対応だが、内部の転送速度とのバランスから考えると現状では実効性に乏しいため、とくに気になる弱点とはならない。
そのほか、主なスペックとしては7200rpm、内部転送速度最大95Mバイト/秒、連続転送速度最大65Mバイト/秒と、カタログスペック上はここ数年の主流である80Gバイトプラッタ製品を10%ほど上回る。キャッシュメモリはシリーズ全製品で8Mバイト。
動作音はシーゲイトの製品らしくうまく抑制されている。ランダムアクセス時でもヘッドのシークに伴う耳障りな動作音は控えめで、いわゆる「くぐもった」感じになっている。現在ほどんどのベンダーで流体軸受けが採用されているおかげで、HDDの回転音は軒並み小さくなっているが、シーク音まで含めて評価しても本製品は「より静かなHDD」と評価できる。
ではパフォーマンスをチェックして見よう。検証に使用したのは以下の機材だ。
CPU | Athlon 64 3200+(Socket 939) |
マザーボード | A8N-SLI |
メモリ | PC3200/256Mバイト×2 |
ビデオカード | GeForce 6600GT 128Mバイト |
OS | Windows XP Professional SP2 |
NCQの効果もチェックするため、Sirial ATA Phase2に対応しているnForce4マザーを利用している。Barracuda 7200.8 SATA NCQは最大容量の400Gバイトの製品を用いた。なお、比較用に80Gバイトプラッタ世代のMaxtor DiamondMax Plus9 250Gバイト(シリアルATA1.0対応モデル)を使用している。
(Mバイト/秒) | Barracuda 7200.8(NCQ ON) | Barracuda 7200.8(NCQ OFF) | Maxtor DiamondMax Plus9 |
Drive Index | 58 | 59 | 52 |
順次読込み | 66 | 67 | 57 |
順次書込み | 67 | 66 | 57 |
ランダム読込み | 47 | 47 | 41 |
ランダム書込み | 45 | 47 | 48 |
アクセスタイム(ミリ秒) | 6 | 6 | 7 |
(Mバイト/秒) | Barracuda 7200.8(NCQ ON) | Barracuda 7200.8(NCQ OFF) | Maxtor DiamondMax Plus9 |
XP Startup | 8.97 | 8.96 | 9.43 |
Application Loading | 7.34 | 7.24 | 7.08 |
File Copying | 38.59 | 38.59 | 38.56 |
General HDD Usage | 6.11 | 5.97 | 5.73 |
まずSandra2005だが、やはり目立つのは順次読書き。66〜67Mバイト/秒と60Mバイト/秒を超える速度を記録している。80Gバイトプラッタ世代のHDDのほとんどが60Mバイト/秒に届くか届かないか程度だったので、この性能は明らかに133Gバイトプラッタの効果だ。
ランダム読書きではNCQ OFFの状態で高速になる結果になった。また、ここでは80GバイトプラッタのDiamondMax Plus9にも書込みで劣るものの、読込みにおいて圧倒的優勢となっている。やはり総合的な性能は高いと言えるだろう。このことは総合成績を示すDriveIndexの結果からも導くことができる。
PCMark05ではXP Startup以外でDiamondMax Plus9を上回った。ここではNCQ ONのほうが良好なスコアとなっており、ランダムアクセスでのNCQの効果が見て取れる。
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