次にnForce4のコントローラを利用して2台のHDDをストライピングした場合のパフォーマンスをチェックしてみた。
(Mバイト/秒) | Barracuda 7200.8(NCQ ON) | Barracuda 7200.8(NCQ OFF) | Maxtor DiamondMax Plus9 |
Drive Index | 107 | 108 | 97 |
順次読込み | 130 | 132 | 115 |
順次書込み | 129 | 128 | 115 |
ランダム読込み | 74 | 73 | 66 |
ランダム書込み | 71 | 70 | 91 |
アクセスタイム(ミリ秒) | 6 | 6 | 7 |
(Mバイト/秒) | Barracuda 7200.8(NCQ ON) | Barracuda 7200.8(NCQ OFF) | Maxtor DiamondMax Plus9 |
XP Startup | 12.17 | 10.73 | 10.33 |
Application Loading | 7.82 | 7.89 | 7.31 |
File Copying | 52.58 | 51.85 | 45.60 |
General HDD Usage | 7.43 | 7.47 | 7.21 |
Sandara2005では順次読書きでほぼ2倍に性能が向上している。性能の優劣比較の傾向も1台で利用した場合とほぼ似通っている。DriveIndexではここでもNCQ OFFで良好なスコアになってはいるが、ランダム読書きはNCQ ONで高い結果を残している。
順次読込みは130Mバイト/秒に達している。これは、コントローラがPCI-Expressに接続されていないと性能をフルに発揮できないことを示している。
PCMark05ではXP Startup、FileCopyingでNCQ ONがNCQ OFFを上回った。また、ここでは1台構成で結果が拮抗していたDiamondMax Plus9を全項目で上回っている。
この結果だけで言い切れることではないが、Barracuda 7200.8とDiamondMax Plus9の大きな違いとしてそれぞれのインタフェースコントローラが、Serial ATAネイティブか、Ultra ATAブリッジか、という違いがあることを考慮しなければならないだろう。ネィティブSerial ATAコントローラのメリットが現れている、といえなくもない結果だ。
ここまでの結果でちょっと気になるのは、NCQ OFFがNCQ ONより良好な成績を示すテスト結果が多いことだ。もちろんNCQを有効にすることでオーバーヘッドが生じる可能性は確かにあるわけなので、ONにして使うべきか、OFFにして使うべきか迷うところでもある。
そこで「IOmeter」を利用し、さらに検証を行ってみた。IOmeterは以前インテルがデベロッパー向けの検証ツールとして配布していたもので、現在はオープンソースとなり有志が開発を継続している。ほぼ自由に設定を変更できるのが特徴でもある。今回は512バイト、4Kバイト、16Kバイト、32Kバイトの各データ単位でのシーケンシャル読込み、ランダム読込みを行わせた。
(Mバイト/秒) | Barracuda 7200.8(NCQ ON) | Barracuda 7200.8(NCQ OFF) | |
Seaquential | 512B | 27.65 | 28.27 |
4KB | 60.62 | 60.65 | |
16KB | 60.66 | 60.65 | |
32KB | 60.66 | 60.64 | |
Random | 512B | 0.14 | 0.13 |
4KB | 1.14 | 1.02 | |
16KB | 4.39 | 3.98 | |
32KB | 8.40 | 7.80 |
結果を見てみると、やはりシーケンシャル読込みではわずかにNCQ OFFが良好な結果を示し、ランダム読込みではNCQ ONがアクセス単位に関わらず上回った。もちろん体感できるような差ではないが、NCQがランダムアクセスに対して有効であることは間違いなさそうだ。
以上のように、133Gバイトプラッタの採用で、そのパフォーマンスは80GバイトプラッタHDDをシーケンシャル読書きで10%程度上回る。もちろんこの差は体感できるほどではないが、コンシューマー市場で大容量HDDを必要とするユーザーは動画ファイルなどの扱いが多いため、ギガバイト単位でファイルをやり取りすること多いだろう。そのような場合、たとえ10パーセントの違いといえ、決して無視できない時間となってくるはずだ。
なお、400GバイトHDDに関しては、3枚プラッタであることにも注目しておきたい。現在、標準的なサイズの3.5インチHDDでは3枚プラッタが搭載できるプラッタ数のほぼ上限になっている。
つまり、400Mバイトといえども、既存の製品とメカニカル的にほぼ共通ということになる。このことは、大容量製品だからといって構造的に特別な不安になる要素が少ないことを意味しており、HDDでもっとも重要である「信頼性」にとって大きなメリットとなることを、とくに述べておきたい。
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