Pentium XEの搭載で、気になるのが発熱量の増加だ。TDPは従来のPentium 4 600番台が115ワットであったのに対して、Pentium XEは120ワットまで増加している。
もし、自作PCにPentium XEを導入するなら、それまで使っていたものより風量の多いCPUファンやケースファンを使ったり、ケース内のエアフローを見直すなど、あれこれ工夫してケース内の効率的な冷却を考えなくてはならない。
Endeavor Pro3300は従来モデルと同様デザインの筐体を継承している。同モデルで採用するミドルタワーケースでは、以前からケースファンに大型の12センチ角ファンを採用していたり、CPUファンと外部を直結するダクトを搭載するなど、強力な冷却機構を採用しているので、最新のCPUを搭載しても冷却性能に不安はない。ちなみにケースデザインこそは同様だが、内部HDDシャドーベイのHDD設置間隔を若干広げるなど、細かなリファインがなされ、総合的な冷却効率性能を向上させたという。
ただし前モデル同様、CPUをフルパワーで稼働させたときのCPUファンの高い回転音が気になる傾向にあったのが変わっていなかったのは残念。次のモデルではぜひCPUファンをより大型低回転にすることで静音性も高めてほしいところだ。
最新のデュアルコアを搭載したEndeavor Pro3300のパフォーマンスを検証すべく、PCMark04を用いて測定を行った。比較対象として動作クロックがPentium XE 840より高いPentium 4 660(動作周波数3.60GHz)搭載PCを選択した。
比較機構成 | |
CPU | Pentium 4 660(動作クロック3.6GHz) |
メモリ | DDR2-533/512Mバイト×2 |
チップセット | Intel925XE+ICH6R |
HDD | 80Gバイト |
グラフィックスカード | GeForce 6600GT |
PCMark04 | Pentium 4 660(3.6GHz) | Endeavor Pro3300 |
PCMark | 5066 | 6097 |
CPU | 5178 | 5930 |
MEMORY | 5501 | 5190 |
Graphics | 812 | 6806 |
HDD | 3843 | 5106 |
PCMark04のスコアを見ると、400MHzの実クロック差を4基のCPUによるマルチスレッドで補って余りある印象だ。ただし全体のスコアに関してはグラフィックスカードの性能差、単体HDDとRAID 0構成のHDDによる性能差も大きいため、CPU性能の単純な比較でないことに注意して欲しい。ただし、デュアルコアCPU、標準でRAID 0を構築、RADEON X850XTの搭載といったEnceavor Pro3300全体のパフォーマンスの高さは十分に分かっていただけるだろう。
CPUのデュアルコア化は今後の主流になっていくCPU技術のトレンドだ。そのような最新CPUを搭載可能なEndeavor Pro3300は、将来性からも魅力的なデスクトップPCであると言える。また、現時点で秋葉原などで購入が難しいPentium XEもBTOにて選択できる点から、最新CPUに興味のある自作ユーザーにとっても注目したい1台だ。
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