米IntelのコンパイラはAMD製プロセッサで動作していることを認識でき、そうした場合には、性能を劣化させたり、クラッシュを引き起こしたりするコードが実行されるようになっている――。これは、AMDが最近プロセッサ大手のIntelを相手取って起こした訴訟において、長文の訴状の中で指摘している数多くの告訴理由の1つだ。
問題となっている第123段落には、以下のように記されている。
「Intelは、AMDのプラットフォームでプログラムが動作している際には性能が劣化するよう、コンパイラを意図的に設計している。Intelはこの目的のために、幾つかの代替コードパスでコードをコンパイルするコンパイラを設計した。プログラムがIntelプラットフォームで動作する場合と、プログラムがAMDマイクロプロセッサを搭載するコンピュータで動作する場合とでは、異なるパスが実行されるようになっている(どのコードパスを実行するかは、コンピュータに搭載されたマイクロプロセッサを識別するためのCPUIDと呼ばれる機能を用いて、プログラムの起動時に判断される)。こうしたコードパスは、同等の設計では作成されていない。プログラムが純正のIntel製マイクロプロセッサを探知した場合には、完全に最適化されたコードパスが実行され、最大の効率で動作する。だが、プログラムが真正のAMD製マイクロプロセッサを探知した場合には、別のコードパスが実行され、プログラムの性能を劣化させたり、クラッシュを引き起こしたりするようになっている」
AMDはこのほかにも、以下のような問題を指摘している。
欧州委員会の広報担当者によれば、AMDの告訴を受けて、欧州委員会と各国の競争政策当局の代表者らは、「競争法違反をめぐり続行中の調査」の一環として、Intelと同社パートナーのPCメーカー数社(数は未公表)の事務所を対象に立ち入り調査を行った。
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