「Intelは当社プロセッサ上でのコンパイラ動作を妨害」とAMD主張

» 2005年07月14日 14時17分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米IntelのコンパイラはAMD製プロセッサで動作していることを認識でき、そうした場合には、性能を劣化させたり、クラッシュを引き起こしたりするコードが実行されるようになっている――。これは、AMDが最近プロセッサ大手のIntelを相手取って起こした訴訟において、長文の訴状の中で指摘している数多くの告訴理由の1つだ。

 問題となっている第123段落には、以下のように記されている。

 「Intelは、AMDのプラットフォームでプログラムが動作している際には性能が劣化するよう、コンパイラを意図的に設計している。Intelはこの目的のために、幾つかの代替コードパスでコードをコンパイルするコンパイラを設計した。プログラムがIntelプラットフォームで動作する場合と、プログラムがAMDマイクロプロセッサを搭載するコンピュータで動作する場合とでは、異なるパスが実行されるようになっている(どのコードパスを実行するかは、コンピュータに搭載されたマイクロプロセッサを識別するためのCPUIDと呼ばれる機能を用いて、プログラムの起動時に判断される)。こうしたコードパスは、同等の設計では作成されていない。プログラムが純正のIntel製マイクロプロセッサを探知した場合には、完全に最適化されたコードパスが実行され、最大の効率で動作する。だが、プログラムが真正のAMD製マイクロプロセッサを探知した場合には、別のコードパスが実行され、プログラムの性能を劣化させたり、クラッシュを引き起こしたりするようになっている」

 AMDはこのほかにも、以下のような問題を指摘している。

  • Intelは販売促進のために違法な助成金を用い、また一部のケースでは、AMD製品を使用したり販売したりすれば「深刻な結果」を招くとして、企業を脅したりもしている。
  • Intelは徹底的な現金払いや差別的価格体系、マーケティング助成金などと引き換えに主要顧客に排他的契約を強制することで、市場における独占的な立場を濫用した。

 欧州委員会の広報担当者によれば、AMDの告訴を受けて、欧州委員会と各国の競争政策当局の代表者らは、「競争法違反をめぐり続行中の調査」の一環として、Intelと同社パートナーのPCメーカー数社(数は未公表)の事務所を対象に立ち入り調査を行った

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