暑い時期には低クロックでスローライフ──TyanのGeode NXマザーを試す(前編)CPU&マザー(1/3 ページ)

» 2005年08月04日 15時14分 公開
[河野寿,ITmedia]

TyanによるGeode NXのためのFlex ATXマザー

 今回、Geode NX 1750とともに評価することになったマザーボードはTyanの「Tomcat K7M」(以下、K7M)というモデルだ。KM7には100Mbps LANのみの「S2498AGN」と、100Mbps LANにギガビットLANが追加された「S2498AGNN」の2種類があるが、今回試用したのは後者のギガビットLAN搭載モデルである。気になるお値段は、S2498AGNが実売価格で2万2000円ほど(現在の実売価格はここを参照)、Gigabit LANが追加されたS2498NNは2万5000円前後(現在の実売価格はここを参照)と、このクラスのマザーボードとしてはやや高めである。

Tyan Tomcat K7M(S2498AGNN)

 K7MのフォームファクタはFlexATXで、サイズは約23×19センチである。miniITXの17×17センチほどではないが、microATXなどと比べるとコンパクトだ。ただ、miniITX用のPCケースは多数発売されているが、FlexATX専用のケースはあまり見かけない。そのため、せっかくコンパクトなマザーなのにmicro ATX用ケースを利用するようになるのがおしい。

 チップセットはVIAのKN400AとVT8237Rの組み合わせ。ProSavage KN400シリーズ自体はモバイルAthlon XP-Mに対応したチップセットで、BartonコアのモバイルAthlon XP-Mも使用できる。しかし、TyanのWebサイトの説明を見る限り、K7Mが対応するのはGeode NXのみで、モバイルAthlon XP-Mに関してはまったく言及していない。

 事実上「Goede NX専用」のマザーボードなのだろうか。なお、KN400Aに搭載されているグラフィックス機能は、S3のUniChrome 2D/3D AGPグラフィックスコアで、MPEG-2のアクセラレーション機能などもビルトインされている。

 サウスブリッジにVT8237Rを採用したため、Serial ATAコネクタも2つ搭載している。また、IDEのコネクタもプライマリとセカンダリの2つが搭載されている。コンパクトなマザーボードにしては、ディスクまわりのインタフェースが多いが、使う側にとっては手持ちのIDE対応HDDが流用できるので便利だ。

 LANインタフェースは先にも述べたように100BASE-TXだけのバージョンとギガビット LANも搭載したバージョンの2種類がある。ギガビットLAN搭載のものは、既存の100MbpsのLANを置き換えるのではなく追加しているため、LANのインタフェースも2つ用意されている。

 その代わり、1000BASE-TはS2498AGNではオーディオポートの位置に増設されているため、オーディオ出力は内部のピン端子のみに変更されている。もっとも、最近の、とくにコンパクトなPCケースは前面にオーディオ用インタフェースを用意しているものが多いので、バックパネルにオーディオインタフェースがなくてもそれほど困ることはなかろうかと思う。

S2498AGNNにはLANインターフェースが2つある

 このように、LANインタフェースには力が入ってるが、グラフィックスはアナログVGAの端子のみ。BIOSにはS端子などのテレビ出力関係の項目もあるが、評価機にはマニュアルが付属していなかったため詳細は不明である。テレビ出力に関係しそうなケーブルなども付属していなかった。

 メモリはPC2100あるいはPC2700のDDR SDRAMが使用可能で、メモリスロットは2つある。また、PCIのスロットも2つ用意されており、コンパクトなマザーながら拡張性も確保されている。

ギョエデとはオレのことかとGeodeいい

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