そういうわけで、オーバークロックがもたらすパフォーマンスを見てみよう。ハイエンドGPUに敬意を表して今回もAthlon 64 FX-57を基幹としたハイエンドシステムで定番ベンチマークをまわしている。ただし、機材調達の関係で、1枚のEN7800 GTX TOPしか入手できなかったため、(絵的には見ごたえがあるだろう)NVIDIA SLIのパフォーマンスは測定していない。残念。
比較するのは、ノーマルでは定格動作ながら、BIOSを書き換えると同じオーバークロックバーションに変身するギガバイトの「GV-NX78X256V-B」変身前と変身後。GV-NX78X256V-Bはオーバークロック状態でコアクロック480MHz、メモリクロック625MHz。EN7800 GTX TOPはわずかに速いものの、有意な違いを出すことができるだろうか。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Athlon 64 FX-57 |
マザーボード | ASUS A8N-SLI |
メモリ | PC3200/512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
ForceWare | 77.72 |
オーバークロック状態でその周波数の差はわずかであるけれど、3DMark05と3DMark03を見ると、EN7800 GTX TOPは明らかにNX78X上回る値を出している。ただ、Aquamark3でその差は詰まり、市販ゲームをベースしたベンチマークではほとんど同じ(一部は下回る)結果となっている。
今までのGeForce 7800 GTXのレビューで何度も触れているように、これらのベンチマークでは、GPUがほとんど影響していないともいえる状態なので、あまりその結果で優劣をつけられないが、それでも、重負荷状態ではEN7800 GTX TOPが明らかに良好な結果を残している。
以上、オーバークロックがもたらすEN7800 GTX TOPのパフォーマンスは、現在市販されているGeForce 7800 GTX搭載カードでは最速グループにあるといっていい。しかし、このカードで最も高く評価したいのは、時代に逆行するような厚いクーラーユニットを搭載することで、高性能と静音性能を両立させたことにある、と、ここではあえて強く主張しておきたい。
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