ゲルにITはあるか?──モンゴルで見たIT事情山谷剛史の「アジアン・アイティー」(1/3 ページ)

» 2006年06月26日 00時00分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

モンゴルに“Canon”あり

一戸建てとゲルが隣接するモンゴルの首都ウランバートル

 多くの日本人にとってモンゴルは「草原で馬が駆ける」というイメージだが、人口100万人を超える大都会ウランバートルは高層マンションからモンゴル式住居「ゲル」に至るまでモンゴル中の建物がなんでも並ぶ。モンゴルの伝統的な住居といえば移動式「ゲル」だが、ウランバートルの街中にあるゲルには電気がきているものもある。いまやゲルでもITの導入は不可能ではないのだ。そんな新旧が入り混じるモンゴルの首都ウランバートルでIT技術はどのように利用されているのか。ウランバートルの中心部から住宅街まで散策してみよう。

 歩き出してすぐ気が付くのが、いたるところで見かける“Canon”ロゴだ。このロゴのある家はどこでもキヤノンのデジカメやプリンタを販売している……、なんてことはない。日本とモンゴルは“超”がつくほどの友好国だが、キヤノンの御手洗会長が経団連会長になるからそれをお祝いしてモンゴルの街中が“Canon”だらけということでもない。モンゴルにおいて“Canon”とは「コピー」を意味する言葉になっているのだ。キヤノン製プリンタのクオリティを評価して、いつのまにやら“Canon”という言葉がコピーの同義語になったらしい。

 このように、モンゴルにはウランバートルから小さな町まで、日本でいう「Kinko's」のようなビジネスセンターがたくさんある。そこで人々はコピーやプリントアウトやスキャンやCD-Rへの書き込みなどなど、PCを使ったちょっとした事務作業ができる。どのビジネスセンターも常に人が出入りしているのを見る限り、ビジネスセンター(それにCanon)は生活に不可欠な存在であり、PCが身近な存在であることがうかがえる。


モンゴルの街中ではいたるところに「Canon」のロゴを見ることができる

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