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» 2007年02月26日 16時30分 UPDATE

小型フォトプリンタ徹底攻略ガイド:第3回 最新6モデルの機能を徹底比較する (1/3)

前回はエプソン、キヤノン、日本HPの小型フォトプリンタ注目モデル6台を紹介した。今回はこれらの機能を横並びで比較する。

[小川夏樹,ITmedia]

 3回目となる今回は以下の6製品が備えている機能や省スペース性について、横並びで比較していこう。チェックしたのは、インクカートリッジ、給紙/排紙トレイ、メモリカードスロット、液晶とインタフェース関連の使い勝手、本体サイズといった基本的な機能に、オプションのバッテリーやTV出力などの付加機能を加えたものだ。

本特集で検証する小型フォトプリンタ
最新技術と多くの機能を備えた上位モデル
Colorio me E-700 エプソン 3万2000円前後
PIXUS mini 260 キヤノン 2万円前後
HP Photosmart A716 日本HP 2万5000円前後
小型フォトに徹したシンプルな下位モデル
Colorio me E-300 エプソン 1万8000円前後
PIXUS mini 220 キヤノン 1万6000円前後
HP Photosmart A616 日本HP 1万9950円

インクカートリッジとプリントエンジン

 小型フォトプリンタは本体をコンパクトにまとめる必要から、インクカートリッジの仕様が複合機や単機能A4プリンタに比べて不利になる。昨今の複合機や単機能A4プリンタでは、4色〜6色の各色独立型インクカートリッジが全盛だが、今回集めた6台の小型フォトプリンタはいずれも4色か3色の一体型インクカートリッジを採用している。エプソンのE-700とE-300、キヤノンのmini 260は、CMYにBkを加えた4色インク構成だが、日本HPのA716とA616、キヤノンのmini 220はBkインクを持たないCMYの3色インク構成だ。3色構成の製品はCMYを混合して黒を出すが、Bkインクのような黒色にならず、濃度の高いグレーのような色になる。したがって、はがきの宛名印刷は不得意なので注意したい。

 プリントエンジンについても、mini 260が最小1ピコリットルのインク滴で最新複合機並みのスペックを実現している以外、古いプリントエンジンを流用して搭載しているといった印象だ。たとえば、E-700はAdvanced-MSDTを採用するが、複合機の1.5ピコリットルより大きな2ピコリットルのインク滴となっている(E-300は3ピコリットルのMSDT)。また、どのモデルもインクのノズル数は、複合機や単機能A4プリンタより少ない。小型フォトプリンタでは、最高のスペックを盛り込むより、写真印刷に必要十分な性能を確保しつつ、本体の省スペース性や携帯性を高めることに重きを置いているわけだ。

tm_0702kp3_01.jpg E-700:アルバム保存200年をうたう「つよインク200」の染料4色一体型カートリッジを採用している。インクタンクとヘッドは分離型だ。本体への装着は非常に簡単で、カセットを押し込んでレバーを閉じるだけだ
tm_0702kp3_02.jpg mini 260:染料4色一体型カートリッジを採用。インクタンクとヘッドは分離型だ。カバーを開けると、インク部分が中央にスライドしてくる。A4モデルと同じで、戸惑うことはないだろう。耐候性はアルバム保存100年をうたう
tm_0702kp3_03.jpg A716:染料3色一体型カートリッジは、インクタンクとヘッドが一体型なので、インク交換で常に新しいヘッドが使える。本体右側のスロットにインクタンクを押し込んで装着するが、インク装着部分のガイドが少々見にくい

tm_0702kp3_04.jpg E-300:E-700と同じ「つよインク200」の染料4色一体型カートリッジを利用する。ただし、ヘッドが異なるため、最小インク滴は3ピコリットルとE-700より大きい。ヘッドをユーザーが交換することはできない仕様だ
tm_0702kp3_05.jpg mini 220:3色一体型カートリッジと分離型ヘッドという構成。mini 260同様の仕組みで、こちらも小型フォトモデルながら、インクジェットプリンタらしいインク交換方式を採用する。耐候性はアルバム保存100年をうたう
tm_0702kp3_06.jpg A616:上位モデルのA716と同じ染料3色一体型カートリッジ。装着方法も同じだ。ただし、こちらは前面の配色がグレーなのでインクタンクのガイドが見やすいという違いがあった(A716は黒いためガイドが見にくいのだ)

インクカートリッジとプリントエンジン
モデル名 E-700 mini 260 A716
印刷最高解像度 5760×1440dpi 9600×2400dpi 4800×1200dpi
インク構成 染料4色(C M Y Bk) 染料4色(C M Y Bk) 染料3色(C M Y)
総ノズル数 360ノズル 1536ノズル 600ノズル
最小ドロップサイズ 2ピコ 1ピコ 5ピコ
L判1枚最速印刷(公称値) 35秒 43秒 36秒
L判写真1枚コスト 16.2円 19.8円 21.5円
モデル名 E-300 mini 220 A616
印刷最高解像度 5760×720dpi 4800×1200dpi 4800×1200dpi
インク構成 染料4色(C M Y Bk) 染料4色(C M Y Bk) 染料3色(C M Y)
総ノズル数 360ノズル 768ノズル 600ノズル
最小ドロップサイズ 3ピコ 1ピコ 5ピコ
L判1枚最速印刷(公称値) 41秒 42秒 36秒
L判写真1枚コスト 16.8円 23.8円 21.5円

給紙/排紙トレイの構成

 小型フォトプリンタは、複合機や単機能A4プリンタと異なり、それほど多くの用紙サイズには対応していないため、給紙/排紙機能の差は小さい。強いて挙げれば、エプソンの2モデルは同社が推奨するKGサイズ(102×152ミリ)に対応し、日本HPの2モデルは2L判(127×178ミリ)が利用可能という点だ。給紙容量は、全モデルともL判で最大約20枚と横並びになっている。はがきの宛名印刷を考えると、4色モデルでは給紙容量を少し増やしてほしいところだ。

 手差しトレイや2Way給紙、自動両面印刷といった便利な機能は持っておらず、ほとんどのモデルが上面の給紙トレイにセットした用紙を前面に向かって排紙する構造だ。唯一、mini 220のみ前面給紙だが、背面に一時的に用紙が飛び出して上部に移動し、そこから前面に戻ってきて排紙される仕組みを採用しており、その手順が印刷速度に影響すると予想される(印刷速度は第4回で紹介)。また、光沢紙では給紙時に表裏を間違えてしまう可能性もあるので注意が必要だ。

tm_0702kp3_07.jpgtm_0702kp3_08.jpg E-700:給紙トレイは上面のカバーを開くと現れる。はがき、カード、L判、KG(102×152ミリ)、ハイビジョン(102×181ミリ)の用紙に対応する。排紙トレイは前面下部に設置されており、L判用紙ならちょうどトレイに収まる

tm_0702kp3_09.jpgtm_0702kp3_10.jpg mini 260:給紙トレイは、本体上部のカバーが半分に折りたたまれて用紙を支える格好になる。対応する用紙サイズは、はがき、L判、ワイド(101.6×180.6ミリ)、専用名刺、専用カード。排紙トレイは前面カバーを兼ねているため小さい

tm_0702kp3_11.jpgtm_0702kp3_12.jpg A716:給紙トレイは、排紙トレイを手前に引き出すと自動で開く。用紙は上面の背後から入って手前に排出される。用紙サイズははがき、カード、A6、L判、2L判の自動認識設定と、最大2L判(127×178ミリ)のカスタム設定が可能だ

tm_0702kp3_13.jpgtm_0702kp3_14.jpg E-300:上位のE-700と同じ仕様だ。はがき、カード、L判、KG(102×152ミリ)、ハイビジョン(102×181ミリ)の用紙に対応する。KGはL判より37%ほど大きく、欧米で標準的な写真サイズ。ハイビジョンは16:9の画像を印刷するものだ

tm_0702kp3_15.jpgtm_0702kp3_16.jpg mini 220:mini 260とは異なり、前面下部から給紙し、前面上部に排紙される。印刷時には本体背面に用紙が飛び出るため、その分のスペースが必要だ。対応する用紙サイズははがき、L判、専用名刺、専用カードと少ない

tm_0702kp3_17.jpgtm_0702kp3_18.jpg A616:A716と同じ構造を採用するため、給排紙の機構に違いはない。用紙サイズの自動認識は可能だが、バーコードを利用した用紙種別の自動認識には対応しておらず、設定メニューから用紙種別を指定する必要がある

給紙/排紙トレイの構成
モデル名 E-700 mini 260 A716
給紙トレイ 背面 背面 背面
L判給紙容量 約20枚 約20枚 約20枚
排紙トレイ 前面 前面 前面
対応用紙 はがき、カード、L判、KG、ハイビジョン はがき、L判、ワイド、専用名刺、専用カード はがき、カード、A6、L判、2L判
モデル名 E-300 mini 220 A616
給紙トレイ 背面 前面 背面
給紙容量 約20枚 約20枚 約20枚
排紙トレイ 前面 前面 前面
対応用紙 はがき、カード、L判、KG、ハイビジョン はがき、L判、専用名刺、専用カード はがき、カード、A6、L判、2L判

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