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» 2007年04月11日 11時45分 UPDATE

“タダ”で幸せになるソフトウェアパラサイト:「Vistaじゃ使えねえぇぇ」――見捨てられた周辺機器で幸せになる (1/3)

今回は「VirtualBox」の話。動け!いま動かなかったら何にもならないじゃないか……だから、動いてよっ!――プリンタを見つめながらそんなセリフを吐いたことがある人は必見だ。

[爪生聖,ITmedia]

 先日、IT関係のメディアに携わる某編集者と、インスタントメッセンジャーで以下の話をした。

編集G 「ところで、Vista使ってます?」

爪生  「使ってるよ。普段から使ってないと、慣れないから」

編集G 「でもあれって、対応していない周辺機器が多くないですか?」

爪生  「USB機器ならVista非対応でも問題ないよ。“VirtualBox”を使えばいい」

編集G 「じゃあ、せっかくだからそのネタで記事を書いてください、朝までに」

爪生  「……なんだこの展開は」

編集G 「……とにかく書いてみようぜ」


 マイクロソフトから登場した「Windows Vista」。鳴り物入りで登場した期待の新OSだが、筆者の周囲を見る限り、現在のVistaユーザーは、XPを使いつつデュアルブート環境でVistaを導入した人たちか、あるいは新たにVistaプリインストールPCを購入したユーザーが大半だ。つまり、純粋にXPからVistaに乗り換えた人はかなり少ない。

 Windows Vistaへの完全移行をためらう人たちは、大きく3つに分けられるようだ。まず1つは「XPで満足している」「Aero以外のVistaのメリットを感じない」と考える“必要がないから”派。次に「要求スペックを満たしていない」「いまのPCじゃAeroが動かない」といった“それ無理”派。そして3つめが「既存の周辺機器が動かなくなるじゃんよ」という“余計に悪くなる”派だ。

og_virtualbox001.jpg メーカーのVista対応表例。頬をつたう涙の行方は……

 Windows Vistaで動作しないソフトを使いたい場合は、以前に紹介した「Virtual PC」(現在はバージョンアップ版のVirtual PC 2007が公開されている)を利用する手があるものの、Virtual PCではUSB接続の周辺機器が使えない。XPとVistaの互換性ではソフトウェアよりもハードウェアのほうが問題が多いのに、Virtual PCでは残念ながら解決できないのだ。

 かくいう筆者も“余計に悪くなる”派だった。大量のインクカートリッジをストックしてしまい、買い替えるにも買い替えられないインクジェットプリンタ。もっぱらCD/DVDのレーベル印刷にのみ使用していたのだが、プリンタ自身はVistaに対応したものの、本体付属のCD/DVDレーベル印刷用ソフトは対応予定なし。いままで作ったファイルはどうすればよいのか、天を仰いだことも1度や2度ではない。

 また、かなり愛用していたテーププリンタもそう。RS-232C接続という古い機種のためか、こちらはプリンタ自体が対応していない。テーププリンタは比較的高額なため、買い替えるのも容易ではない。これからテーププリンタなしで過ごす生活に思いを巡らし、枕を濡らす夜も1度や2度ではなかった。

 そこで、ドイツのInnoTekから登場した仮想PCソフト「VirtualBox」の出番である。VirtualBoxは安定性や操作性に関しては「Virtual PC」や「VMWare」に1歩劣るものの、USB機器が利用できるという大きなメリットを持っている。Virtual PCとハードディスクイメージの互換性があるわけでもないので、「VirtualBoxでなければダメな人」だけがインストールすればいいだろう。では、どういう人がそれに該当するのか。

 それはもちろん「Vistaへの対応をメーカーに見捨てられた周辺機器のユーザー」だ。

ダウンロードとインストール

 自分にはVirtualBoxが必要だ、と思った人はVirtualBoxのダウンロードサイト(http://www.virtualbox.org/wiki/Downloads)にアクセスしよう。なお、VirtualBoxの動作環境は、Windows2000 SP3以降、Windows XPおよびWindows Server 2003となっているが、Windows Vistaでも問題なく動作している(ただし管理者権限が必要)。

 VirtualBoxにはフルセット版のVirtualBoxとオープンソース版のVirtualBox OSEがある。後者はUSB機器が使えないといった制限があるのでフルセット版を選ぼう。原稿執筆時の最新版は1.3.8。サイトから“VirtualBox 1.3.8 for Windows Hosts”と書かれたリンクをクリックしてダウンロードすればいい。

 ダウンロードが完了したらダブルクリックしてインストールを行う。セットアップ時にVirtualBox Personal Use and Evaluation License(VirtualBox個人利用ならびに評価用ライセンス)への同意が求められる。VirtualBoxの利用は個人利用、教育利用、評価用に限られるので、商用で利用したい人は別途商用ライセンスの購入が必要だ。それ以外の人はPUELに同意して先に進む。

 インストール時のオプションでは、USB機器をサポートする「VirtualBox USB Support」と、ネットワークをサポートする「VirtualBox Networking」が選択できる。当然両方ともインストールしておく。インストールが終わったら再起動して準備完了だ。

og_virtualbox002.jpgog_virtualbox003.jpgog_virtualbox004.jpg InnoTekはドイツの会社だが、VirtualBoxサイトは英語(画面=左)。VirtualBoxは個人利用や教育目的であれば無料で使用できる(画面=中央)。ロゴ認証の警告が出る場合があるが、続行する(画面=右)
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