次期Centrino Duo搭載ノートPCで期待の液晶省電力技術とは?Display 2007

» 2007年04月12日 00時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

画質が最優先ではないモバイルノートPCの液晶パネル

 PC関連で最も積極的な展示を行っていたのは、モバイルノートPC用の低温ポリシリコン液晶で知られる東芝松下ディスプレイテクノロジーだ。ノートPC向けの薄型液晶パネルや半透過型液晶パネル、省電力駆動技術の「D2PO」のデモを実施し、来場者の注目を集めていた。

 同社は量産出荷中の8.9/10.6/12.1/13.3インチワイドパネルを展示。8.9インチワイドパネルは半透過型で、壁面のスイッチを押すと照明が点灯し、外光を反射させて表示する場合の視認性が確認できるようになっていた。12.1インチワイドパネルは0.2ミリ厚ガラスを、その以外のパネルは0.3ミリ厚ガラスを採用していることに加えて、バックライトにはLEDを使うことで、薄型軽量の設計にこだわっているのが特徴だ。12.1インチパネルの場合、0.5ミリ厚ガラスと0.2ミリ厚ガラスでは後者のほうが約33%も軽量化できるという。ちなみに、液晶ディスプレイで一般的なバックライト方式はCCFLだが、同社ではLEDバックライト搭載パネルの出荷比率が50%を超えている。

 これらの液晶パネルは、薄型、軽量、低消費電力というメリットがあることからモバイルノートPCに最適だが、色域がNTSC比50%未満で、上下の視野角も狭いなど、画質面では大型ノートPC向けのワイドパネルに見劣りする。視野角の改善や色域の拡大については技術的に十分可能だが、スペックの強化がコストに跳ね返ってくるので、今後のPCメーカーの要望次第だという。

LEDバックライトは、薄型、軽量、高輝度、低消費電力、水銀レス、衝撃や振動に対する高い耐久性などの特徴がある(写真=左)。下部にLEDバックライトを配置して、拡散板で光を画面全体に回り込ませるエッジライト方式を採用する。0.2ミリ厚の極薄ガラスを採用した12インチワイド液晶パネル(写真=中央)。同社製の液晶パネルを搭載するノートPC(写真=右)。手前からVAIO type SZ、LaVie J、dynabook SS SX、Let'snote R、FMV-BIBLO LOOX Pの順に並ぶ。国内主要メーカーのモバイルノートPCに幅広く採用されていることが分かる

東芝松下ディスプレイテクノロジー展示のノートPC用液晶パネル
サイズ 8.9インチワイド 10.6インチワイド 12.1インチワイド 13.3インチワイド
解像度 1280×768ドット 1280×768ドット 1280×800ドット 1280×800ドット
輝度 200カンデラ 300カンデラ 300カンデラ 300カンデラ
ガラス厚 0.3ミリ 0.3ミリ 0.2ミリ 0.3ミリ
厚さ 5.15ミリ 4.6ミリ 4.6ミリ 2.95ミリ
重量 130グラム 150グラム 183グラム 225グラム
消費電力 3ワット 3ワット 3.6ワット 4.1ワット

 同社がこれとは別にデモを行っていた「D2PO」(Dynamic Display Power Optimization)は、インテルと共同開発した液晶ディスプレイの省電力駆動技術だ。今夏に登場する予定の次期Centrino Duo(コードネームSanta Rosa)搭載ノートPCでの採用が想定されている。D2POは、静止画や動きの遅い動画などを表示する際、液晶パネルの動作モードを60Hzのプログレッシブ表示から60Hzのインターレース表示に切り替えることで、画質の劣化を抑えつつ、消費電力を削減する仕組みだ。D2POの効果は液晶パネルに表示する内容によって異なり、公称値ではカラーバー表示で710ミリワットから590ミリワット(17%減)へ、黒表示で730ミリワットから550ミリワット(最大25%減)へ消費電力が削減される。

 D2POは液晶パネルの駆動技術なので液晶パネルのサイズなどに影響はなく、既存の液晶パネルに見られる薄型軽量という特徴を生かしたうえで製品化できるという。製品化の時期は「近いうちに登場する予定」とのことで、ノートPCのバッテリー駆動時間を延ばす新技術として期待できそうだ。

D2POの概要(写真=左)。展示されていたD2PO搭載ノートPCは、本体隣りのボタンを押すことで、D2POのオン/オフが切り替えられるようになっていた(写真=中央)。液晶パネルの消費電力はノートPCの上に用意された電光板にリアルタイムで表示され、D2POの効果を体験できる(写真=右)。

医療向けの10ビット液晶パネルやタブレットも展示

 NEC液晶テクノロジーは、IPS方式をベースにしたSA-SFT方式によるディスプレイ用19インチ液晶パネル(1280×1024ドット)を展示していた。同じくSA-SFT方式のディスプレイ用液晶パネルとしては、主に医療向けを想定した700カンデラ/平方メートルの高輝度21.3インチ液晶パネル(1600×1200ドット)や、RGB LEDバックライト搭載かつ10ビットカラー対応の21.3インチ液晶パネル(2048×1536ドット)といったハイスペックパネルの試作機も見られた。後者はNTSC比103%の広色域と約10億73万色の最大表示色に対応する。

上がNTSC比103%の広色域を実現したRGB LEDバックライト搭載パネル、下がNTSC比72%のCCFLバックライト搭載パネル(写真=左)。700カンデラ/平方メートルの高輝度に対応した21.3インチ液晶パネル(写真=右)。いずれもSA-SFT方式の試作機だ

 ワコムは、液晶ペンタブレット製品に加えて、同社製のペン入力デバイスを採用したPCを陳列。電子ペンでも指でも操作可能な新型デバイス採用のThinkPad X60 Tabletをはじめ、VAIO type U、PORTEGE、FMV-BIBLO NB、Inspiron 9300を並べていた。FMV-BIBLO NBは、タッチパッド部分をペンタブレットのように利用できる「フラットポイント・デジタイザ」を採用したモデルが展示されていた。

液晶パネルに搭載されるタブレット機能のセンサーユニット(写真=左)。ワコム製のペン入力デバイスを採用したPC(写真=右)

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