超小型モバイルPCでVista Ultimateが動く感動――「OQO model 02」自慢用マシンに最適では?(1/2 ページ)

» 2007年04月13日 11時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

それはPowerBook G4の開発者が夢見た超小型PC

OQO model 02

 Windowsを搭載した超小型PCのメーカーとして知られる米OQOの製品は、日本では見かけることがほとんどないため、知らない人が多いかもしれない。同社は、アップルでPowerBook G4の開発に携わったスタッフを中心に、2000年に設立されたベンチャー企業だ。これまで「OQO model 01」「OQO model 01+」「OQO model 02」と3つのモデルを発売し、一部で熱狂的な支持を集めてきた。日本国内では昨年からブルレーがOQOのPCを通信販売しており、日本語環境のWindows Vista/XP(日本語MUI)が導入された状態で購入できる。

 今回はブルレーがこのほど発売した「OQO model 02」のWindows Vista Ultimate搭載モデルを入手したので、写真を中心に製品の解説とファーストインプレッションをお届けしたい。ちなみにブルレーは、Windows Vista Business、Windows XP Professional、Windows XP Tablet PC Edition 2005の各OSをプリインストールしたOQO model 02も発売中だ。価格はXP Professional搭載モデルで30万9800円、Vista Ultimate搭載モデルで33万9800円と高価だが、圧倒的に小型軽量のボディ、高級感のあるデザイン、多彩な機能は実に魅力的に映る。国内でのユーザー数が少ないという希少価値の高さも相まって、常に携帯してデジタルガジェットが好きな知人に思わず自慢したくなる、そんな製品だ。

VAIO type Uを下回るコンパクトボディ

 世界最小のVista搭載PCを標榜するそのボディは、マグネシウム合金製でかっちりと作り込まれている。サイズは142.2(幅)×83.8(奥行き)×25.4(高さ)ミリ、重量は1ポンド以下(約453グラム以下)とWindows Mobile機と見間違えるほどコンパクトだ。同じく超小型のモバイルPCとして定評がある「VAIO type U<ゼロスピンドル>モデル」のサイズが150.2(幅)×95〜100.5(奥行き)×32.2〜38.2(高さ)ミリ、重量が約498グラムなので、OQO model 02はそれよりもさらに小型軽量に仕上がっている。実測値の重量は約465グラムだったが、それでも非常に軽い。

スライド式キーボードを閉じた状態での前面(写真=左)と背面(写真=右)。800×480ドット表示の5インチワイド液晶ディスプレイは、電磁誘導式デジタイザの機能を持つ。ソフトウェアによるスケーリング機能で擬似的に1200×720ドットと1000×600ドットの表示も可能。上下の視野角は狭いが、輝度は高く、発色にも不満はない。ディスプレイ表面は光沢処理されており、屋外では外光の反射が少し気になる。液晶ディスプレイ右下の矢印を上下/左右に指でなぞることで、スクロールが行える機能を持つ。マットな質感の背面はバッテリーで占有されている

 基本スペックは、CPUがVIAの超低電圧版C7-M 1.5GHz、メインメモリが1Gバイト(DDR2-533)、HDDが60Gバイト(1.8インチ/4200rpm)、グラフィックス機能がVIA VX700チップセットに統合されたUniChrome Proコアだ。VIA VX700にはサウスブリッジの機能も統合されている。UniChrome ProコアはWindows Aeroを動かすのに必須のDirectX 9以上に対応していないため、Windows Aeroの機能は利用できない。今回入手したVista Ultimate搭載モデルも、Vista Home Basicと同じWindowsベーシックのデスクトップになっている点には注意が必要だ。

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは、プロセッサが1.9、メモリが3.1、グラフィックスが1.9、ゲーム用グラフィックスが1.0、HDDが3.6で、Vistaを動かすにはギリギリのスペックといった感がある。とはいえ、Vistaの動作は意外に緩慢な印象は少なく、操作のレスポンスが遅すぎてストレスがたまることはなかった。使用時は高速回転するファンの風切り音と本体背面の発熱が気になるものの、ここまで小型のVista対応PCを実現しているのだから、スペック面での割り切りは必要だろう。

 本体のインタフェースは、HDMI出力、USB 2.0×1、ヘッドフォン出力を装備。HDMI出力により、最大1920×1200ドットの外部ディスプレイ表示に対応するのはユニークだ。ネットワーク機能も充実しており、100BASE-TXの有線LAN、IEEE802.11a/g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを搭載している。有線LANとアナログRGB出力は付属の変換アダプターを経由して接続する仕組みだ。

左側面と右側面(写真=左)。左側面にはバッテリーのイジェクトボタンと白く点灯する電源ボタンを用意。右側面にはアンテナが内蔵されており、引き出すことで無線の感度を強化することが可能だ(写真=右)。スライド式キーボードを閉じた状態でアンテナを引き出すと、ポータブルTVのような外観になる

上面(写真=左)と底面(写真=右)。上面には排気口を用意する。底面には、左からヘッドフォン出力、内蔵マイク、HDMI出力、電源(ドッキングステーション)、USB 2.0のインタフェースが並ぶ

背面に装着されたバッテリーのボタンを押すと、バッテリーの残量が4つのLEDで表示される(写真=左)。背面に装着されるリチウムポリマーバッテリー(3.7ボルト 4500mAh)は約3時間の駆動が可能(写真=中央)。約6時間駆動できる大容量バッテリーもオプションで用意されている。ACアダプターは光沢塗装されており、本体に負けず劣らず高級感がある(写真=右)。こうした細かい配慮がうれしい

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