ちっちゃなボディの「ST100」を液晶一体型PCに変えてみた(2/3 ページ)

» 2007年04月13日 16時13分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

グッドデザインも受賞した高視野角の「LS1954S」がベース

映像入力はDVD-DとアナログRGBの2系統

 それでは液晶ディスプレイとしての性能はどうだろうか。液晶パネルはすでに触れた通り、スクエアタイプの19インチで、解像度は1280×1024ドット。19インチ液晶の通常アスペクト比の製品としては一般的な解像度だ。映像入力はDVD-DとアナログRGBを装備しており、入力切り換えは前面の1ボタン操作で行える。また、片方にのみ映像信号が入力されている場合には、自動で入力を切り換える機能も持つ。

 LS1954FSが採用しているパネルは、上下/左右ともに178度の視野角を持つ高視野角タイプだ。輝度は300カンデラで、映像を見る用途でも十分の明るさと言える。また、コントラスト比は1300:1とかなり高い。パネル表面は、光沢タイプではなく映りこみ防止の加工がされており、彩度は高くないものの自然な発色だ。輝度とのバランスもほどよく、初期設定のままで、PC利用から映像視聴まで特に不満なくこなせた。

 応答速度は20msとスペック上はあまり高速ではないが、動きの激しい動画を再生してみても残像などが気になることはなかった。黒い部分を含むウィンドウなどを高速に動かすと黒い部分が若干尾を引いたように見えるが、日常的なPC利用でこれが気になる状況はまずないだろう。ただし、動きの激しいFPSゲームをするのは、ちょっと厳しいかなという印象だ。

 本体下部にはステレオスピーカーを内蔵し、アナログ入力を1系統装備する。全面ボタンの並びにはヘッドフォンジャックも備え、ヘッドフォンなどを接続すると音声出力は内蔵スピーカーから自動で切り替わる。また「+」「−」ボタンが音量調整のショートカットになっている点も便利だ。欲を言えば、映像入力2系統に対して音声は1系統のみというのがやや残念なところだろうか。

 全面下部に並ぶ操作ボタンは全部で4つ。映像入力の切り換えには専用ボタンが備えられており、1ボタン操作で切り換えられる。ほかの操作はOSDを併用して残りのボタンを組み合わせて行う仕様だが、OSDは日本語表記で分かりやすく、操作性は悪くない。

OSDのメインメニュー。輝度やコントラストといった利用頻度が高い調整機能は独立している(写真=左)。アナログRGB入力ではドットバイドットでの適切な表示に必要な4つの調整機能をサポートする。自動調整機能は「INPUT」ボタンの長押しでも実行可能。ST100以外に、ThinkPad T43、EPSON Direct Edicube S、自作PC(GeForce 6150オンボード/GeForce 7300GS)のアナログRGB出力も接続してみたが、自動調整は完全に機能した(写真=中央)。色調整では、6500K/9300K/sRGBのプリセット以外にユーザー設定も行える(写真=右)

 本製品のベースとなったLD1954Sは、2006年度グッドデザイン賞を受賞しており、本製品もディスプレイユニット部などのデザインは共通だ。ディスプレイスタンドの前部にさり気なく段差を作り、キーボードを立てかけられる点が「形が機能を表す好例である」と受賞理由の1つに挙げられているが、この点は本機も継承している。ちょっとした工夫とはいえ、省スペース利用を狙ったLS1954FSにおいてはより重要なポイントと言えるだろう。

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