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» 2007年04月26日 17時00分 UPDATE

自慢用ミニPCを実戦投入:世界最小Vista Ultimateマシンは使えるか?――「OQO model 02」実力診断 (1/3)

VAIO type Uを下回る小型軽量ボディが自慢のVista対応モバイルPC「OQO model 02」。使い込んでみて、改めて細部のこだわりに驚かされた。

[前橋豪,ITmedia]

圧倒的な小ささ、そして仕上げの美しさ

tm0704oqo201.jpg OQO model 02

 「OQO model 02」は“世界最小のVista搭載PC”を標榜する超小型モバイルPC。米QOQの製品で、国内ではブルレーが日本語化して通信販売を行っている(Vistaモデルは5月中旬ごろの出荷予定)。前回は製品概要の紹介とファーストインプレッションをお届けしたが、実際のところどの程度使えるのか。今回は使用感の評価やベンチマークテストでモバイルPCとしての実力に迫ってみた。なお、入手したOQO model 02は試作機のため、実際の製品と仕様が異なる場合があることをあらかじめお断りしておく。

 まずは簡単におさらいだが、OQO model 02の外形寸法は142.2(幅)×83.8(奥行き)×25.4(高さ)ミリ、重量は1ポンド以下(約453グラム以下)と実に小さい。幅と奥行きは郵政はがき(100×148ミリ)より一回り小さく、厚さはVHSビデオテープ(25ミリ)と同程度、重さは500ミリリットルのペットボトルをひとくち飲んだ程度と言えば、イメージがつかみやすいだろうか。このサイズでWindows Mobile搭載のPDAなどではなく、Vista Ultimateが動作するのだから驚きだ。実測値での重量は約465グラムあったが、国内販売されている数あるモバイルPCを見渡しても、これだけ小型軽量のVistaマシンはない。

 実際に手にとってみると、本体が非常に小さいため、個人的には意外にずっしりとした重さを感じたが、この存在感が心地よかった。小さな本体に中身がぎっしり詰まっている様子が、持った手のひらからジワジワと伝わってくるのだ。

 液晶ディスプレイ部は凹凸のない光沢パネルが一面を覆った美しい仕上がりで、マグネシウム合金製のボディ部はざらりとした質感で手触りがよい。この手のデバイスは実機に触ると、軽さに感心する一方で、いわゆるプラスチッキーなチープさに軽い失望感を覚えることも少なくないが、OQO model 02の高級感は及第点だ。ブルレーによるVista Ultimateモデルの販売価格は33万9800円と高額なので、外装が安っぽくては話にならないが、これなら多くのユーザーが満足できるのではないだろうか。

tm0704oqo202.jpgtm0704oqo203.jpg 左側面と右側面(写真=左)。左側面には白く点灯する電源ボタンとバッテリーのイジェクトボタン、ロック用のホールを用意。右側面には無線LANのアンテナが内蔵されており、引き出すことで無線の感度を強化することが可能(写真=右)。Bluetooth 2.0+EDRのアンテナは液晶ディスプレイの右枠部分に内蔵されている

tm0704oqo204.jpgtm0704oqo205.jpg 上面(写真=左)と底面(写真=右)。上面には排気口を用意。底面は、左からヘッドフォン出力、内蔵マイク、HDMI出力、電源(ドッキングステーション)、USB 2.0のインタフェースが並ぶ。有線LANとアナログRGB出力は付属の変換アダプターを経由して接続する仕組み。欲を言えば、メモリカードスロットが欲しかったところだ

小さいながらも使い勝手への配慮がうれしいキーボード

 ここまで小さいと気になるのが操作性だ。OQO model 02の操作は、液晶ディスプレイを上方向にスライドさせることで現れるキーボードと、液晶ディスプレイ搭載のタッチパネルで行う。タッチパネル部は感圧式ではなく、電磁誘導式を採用しており、利用するには別売のデジタルペン(ブルレー販売価格6900円)が必要なため、基本的にはキーボードを使うことになるだろう。

tm0704oqo206.jpg キーボードは液晶ディスプレイ部を上方向にずらすと現れる。キーボードのベース部分にはヘアライン加工が施されている

 そのキーボードだが、本体を両手で持ちながら左手と右手の親指で「ポチポチ」と押すスタイルになる。筆者は成人男性としては手が少し小さいほうだが、中央部のキーも両手の親指で問題なく押すことができた。本体が湾曲していないフラットなデザインなので、端のほうのキーも違和感なく押せる。

 キーボード上のキーは全部で56個(左右クリックボタンとズームイン/アウトボタンは除く)と最小限に抑えられており、Windowsボタンは省かれている。テンキー部を独立して右側に設けた4段配列が特徴だ。アルファベットキーは横5ミリ、縦6ミリ、テンキーは横4ミリ、縦6ミリとかなり小さいが、主要キーのキーピッチは約7ミリあり、キーの隙間は上下左右に2ミリ近く空いているため、押した際に隣りのキーまで誤って押してしまうことは少なかった。キートップは十分な高さとストロークを確保し、タッチが硬すぎず適度に調整されていることから、予想以上に押しやすい。携帯電話のメールを両手で難なく打てるという人なら、長文の入力も可能だろう。スティックの上に「BSP(BackSpace)」、下に「ENTER」が配置してあるのも使いやすい。

tm0704oqo207.jpg SHIFT、FN、CTL、ALTキーの右下には緑色のLEDを用意。ゆっくりと点滅するので、LEDのツラツキが気になることはない

 小型モバイルPCにしては秀逸なキーボードと言えるが、うまく扱うにはSHIFT、FN、CTL、ALTキーの扱いを知っておく必要がある。これらのキーはほかのキーと同時押しすることが多いが、1回押すとほかのキーを押すまでロック、2回押すと再度そのキーを押すまでずっとロックされる仕組みだ。キーの右下には緑色のLEDがあり、1度押すと点滅、2度押すと点灯になるため、状況を把握しやすい。この工夫により、たとえば「CTL」「C」「CTL」「V」と順番に押せばコピー&ペーストができるし、3つ以上のキーを同時に押すショートカット(CLT+ALT+DELETEなど)もキーを同時押しせずに順番に押せばすむため、両手の親指2本だけでキーボードを自在に操れる。

 ただし、キーボードは英字配列のため、「半角/全角」キーなどはなく、日本語入力への切り替えは「ALT」「FN」「G」と押す必要がある点は注意したい。また、「BSP」と「FN」の組み合わせで「DELETE」になる仕様は少々使いにくい部分だ。このほか、「FN」と「"」(BSKの左隣)の組み合わせでキーボードライトが点灯することと、「FN」とさまざまなキーの組み合わせで音量や輝度の調整、無線LANのオン/オフ、縦画面表示への切り替えなどが行えることを覚えておくと使いやすいだろう。

 次はポインティングデバイスの操作性をチェックする。

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