ポインティングデバイスは、右手親指でスティックの操作、左手親指でクリックを行う。スティックがテンキーの左側、つまり本体の中央寄りに配置されているため、両手でしっかりグリップしたまま操作できる。スティックはThinkPadの拡張版トラックポイントのようなツルツルしたゴムではなく、ザラザラした繊維の質感だ。スティックの反応は自然で、力の加減でポインタが移動しすぎたり、逆に移動の開始がもたつくことはない。
クリックボタンは大きめに作られており、キーボードと同様の適度なクリック感がある。上に左クリック、下に右クリックを配置した縦配列により、右クリックでコンテクストメニューを表示して左クリックで選択するといった操作もストレスなく行えた。さらに、液晶ディスプレイ右下の矢印を上下/左右に指でなぞることで、スクロールが行える機能もある。
そのほか、前述の通り、オプションのデジタルペンを使えば、液晶ディスプレイに直接ペンで触れて操作できる。Vista Ultimateにはペンタブレット機能が標準搭載されているため、手書き文字認識による文字入力や、ペンの上下左右ドラッグにWebブラウザの「進む」「戻す」「スクロール」といった操作を割り当てるフリック機能が利用可能だ。ペンを本体に収納するスペースがない点と、センサーが感圧式ではなく指で触れて操作できないのは残念だが、液晶ディスプレイを閉じた状態でピュアタブレットPCのように使えるのは便利だ。
液晶ディスプレイは、5インチワイドの光沢仕様。液晶パネルの解像度は800×480ドットにとどまるが、ソフトウェアによるスケーリング機能で擬似的に1200×720ドットと1000×600ドットの表示も可能だ。1200×720ドットや1000×600ドットの表示は、さすがに細かな文字の判別などは無理だが、キーボード左下のズームボタンを押すことで、ズームイン/アウトができるため、狭い画面を効率よく使える。今回入手したVistaモデルは試作機なのでズームボタンが正常に動作しなかったが、Windows XP搭載モデルでズームボタンを試してみると、すばやいズームイン/アウトの切り替えが可能で直感的に操作できた。
800×480ドット表示の設定では、Vistaのプロパティダイアログなどが画面からはみ出して設定できなくなることも多いので、パネル解像度で使うよりもズーム機能を活用したほうがよいだろう。VAIO type Uが4.5インチのワイドサイズで1024×600ドットの解像度を確保していることを考えると、ドットピッチが狭くなるとはいえ、もう少し高い解像度が欲しかったところだ。
表示品質については、上下の視野角が狭いものの、輝度が高めで、モバイルPCとして考えれば発色に不満はない。ただし、動画表示中に暗部の階調がつぶれ気味になる点と、光沢パネルに外光が反射しやすい点は気になった。
なお、本体にはHDMI出力とアナログRGB出力(アナログRGBは同梱の変換アダプター経由で接続)が搭載されており、最大1920×1200ドットの外部出力が行える。今回はHDMI入力を装備したディスプレイが都合よく手元になかったため、試しにHDMI-DVI変換ケーブルで1600×1200ドット表示の液晶ディスプレイにつないでみたところ、本体の800×480ドット表示と合わせて問題なくデュアルディスプレイで利用できた。
さらにオプションのDVDスーパーマルチドライブ搭載ドッキングステーション(ブルレー販売価格6万6500円)を使って、ディスプレイとUSB接続のキーボードとマウスを接続すれば、パフォーマンスこそ控えめながら、超小型デスクトップPCとしての運用も可能だ。ドッキングステーションは折りたたんで運べるほか、外装に光沢塗装を採用しており、本体と統一感のあるデザインになっている。
次はいよいよ各種テストでOQO model 02の性能を明らかにしたい。
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