例えば“裸族”で、もっと自由に一歩進んだHDD活用術(後編)(2/4 ページ)

» 2007年09月10日 20時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

外付けケースで活用する

マザーボード上のSATAコネクタに接続し、背面にeSATAコネクタを出すパーツ

 5インチベイに余裕がない場合は、リムーバブルキットは利用できない。そのようなときは外付けケースを活用しよう。外付けケースは基本的にはIDE/Serial ATAのHDDを、IEEE1394やUSB 1.1/2.0、eSATAに変換する。

 ただし、USB 2.0の転送速度は480Mbpsどまり。常用するにはちょっと厳しい速度なので、できればeSATAで接続するほうがよい。eSATAは内蔵HDD用に利用されるSATAのコネクタ部分を挿抜しやすい形に変えたもので、電気的にはSerial ATAとまったく変わらない。そのため理論的には内蔵HDDと同等であり、外付けHDDとしては断トツの転送速度を誇る。

 しかし、このeSATAにも問題がある。現行のPCが例外なくUSB 2.0コネクタを搭載しているのに対し、eSATAコネクタを搭載している機種はそれほど多くない。もっとも、先ほど述べたようにSATAとeSATAは電気的には同じなので、PCパーツショップに行けばSerial ATAとeSATAの変換ケーブルは簡単に手に入る。マザーボード上にSerial ATAの空きコネクタがあれば、この変換ケーブルを使ってケース外に引っ張り出してしまえばいい。マザーボード上のSerial ATAコネクタからeSATAコネクタをブラケットに引き出すパーツもある。

Serial ATAをそのまま出すパーツもある。これは4端子電源コネクタがペアになったもの(写真=左)。HDDの動作にはSerial ATAケーブルだけでなく電源も必要。これは4端子電源コネクタから2つのSerial ATA電源コネクタに分岐するケーブル(写真=中央)。3.5インチベイから4端子電源コネクタを出すパーツ。こういうパーツをつけていくとどんどんマニアックな外見になる(写真=右)

ベアドライブのままで活用

 一時的な利用であればドライブの保護は必要ない。HDD側のインタフェースがSerial ATAの場合は、マザーボードにSerial ATAケーブルを挿し、それを後部ブラケットなどから引っ張り出せばそのままベアドライブを接続することができる。ただし、この場合は電源をどう供給するか考える必要がある。長めの電源ケーブルで一緒に引き出してしまう方法や、センチュリーの「直刺しAC」を利用する方法などがある。

 Serial ATAの引き出しが困難な場合は、エバーグリーン「EG-SATA55」や、エアリア「男五人衆」などの3.5インチIDE/2.5インチIDE/Serial ATA(Serial ATAは3.5インチ/2.5インチとも共通)をUSB 2.0に変換するアダプタを使ってUSB 2.0で接続する。

 取り外したHDDを簡単に接続することができるうえ、比較的安価なので1台持っておくと重宝するだろう。これらはACアダプタもセットになっているため、Serial ATAで外部接続するときの電源用に流用可能だ。

IDEとUSBの変換アダプタの走りであるセンチュリーの「これdo台」。当時の価格は9000円ほどだった。思えばこのころからセンチュリーの目は、ベアドライブを直接利用する“裸族”を見ていたのかもしれない(写真=左)。生産を終えた「EG-SATA3525」。現在はシリコンケースが付属する後継商品「EG-SATA55」が販売されている(写真=右)

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