潜在能力をフルに引き出すワンランク上のスペックが魅力――LaVie G タイプC1920×1200ドットの誘惑(1/2 ページ)

» 2007年11月02日 09時09分 公開
[兼子忍,ITmedia]

デザインにもこだわったフラッグシップノートPC

直販のNEC Direct専用モデル「LaVie G タイプC」

 NECが発売するノートブックPCの中で、最も高い基本性能とエンターテインメント機能を備えたハイエンドモデルが「LaVie C」シリーズだ。全モデルで地上デジタル/地上アナログチューナーを内蔵し、フラッグシップモデルではBlu-ray Discドライブを搭載するなど文字通り最上位シリーズにふさわしいスペックを誇る。

 一方、同社の直販サイト「NEC Direct」では、このLaVie Cをベースに、基本スペックや付属ソフトウェア、修理保証とサポート体制を自在にカスタマイズできる直販専用モデル「LaVie G タイプC」が用意されている。店頭販売モデルでは選べない、フルHD(1920×1200ドット)表示に対応した高解像度液晶ディスプレイや現時点で最速のCore 2 Duo T7800(2.6GHz)を選択可能と、本物の高性能ノートPCを求める人にとって注目の1台と言える。

 LaVie G タイプCは、秋のモデルチェンジで本体から基本スペックまでを大胆に一新した新生LaVie Cに相当する、NEC Direct専用のBTO対応モデルだ。LaVieシリーズの共通コンセプトである「Stream Design」という直線を生かしながら、ポイントでカーブフォルムを使った新デザインを採用。液晶ヒンジ部の両側面をなめらかにくぼませた個性的な形状で、基本色にシルバー、アクセントカラーにブルーブラックという落ち着いた色調ながらも斬新さ感じさせる仕上がりだ。

キーボード上部にあるワンタッチボタンはピアノの鍵盤をイメージしたもので、電源ランプも高輝度タイプと最上位モデルらしいこだわりが見て取れる(画面=左)。液晶ディスプレイのヒンジ部分をえぐったかのような「Stream Design」を採用する(画面=中央)。キーボードはピッチ19ミリ、ストローク3ミリで不規則な配列も見られない(画面=右)

店頭モデルを超える圧倒的なスペックを実現可能

自動輝度センサを備えた15.4インチワイド液晶ディスプレイを搭載する。解像度は3タイプから選べるが、色の再現性にこだわるならNTSC比で約90%の色度域を実現したスーパーシャインビューEX3(1440×900ドット表示)がお勧め

 それでは、実際のBTOメニューを細かく見ていこう。

 LaVie G タイプCにおける最大のポイントは、フラッグシップモデルにふさわしい高性能パーツを集めたBTOメニューだ。詳細はこちらを参照してほしいが、まずは液晶ディスプレイの選択肢に注目したい。

 店頭モデルの上位2モデルは、15.4インチワイド液晶ディスプレイの標準的な解像度である1280×800ドットを上回る1440×900ドット表示に対応している。とはいえ、地上デジタル放送の精細な映像を本来の画質で楽しみたいという人にとっては、まだまだ満足できる解像度とは言えないはずだ。本機をプライベートルームや寝室に設置するコンパクトなデジタルTVとして活用したいなら、ハイビジョン番組の精細な映像を縮小せずに表示できる1920×1200ドット(WUXGA)液晶をお勧めしたい。もちろん、高精細なTV画面だけでなく、広大なデスクトップ領域を手に入れられるのが魅力だ。液晶パネル面に映り込みが少ないノングレアタイプゆえ、長時間PCを使用しても目が疲れにくいのも見逃せない。

 15.4インチワイドというパネルサイズとWUXGA表示の組み合わせには、デスクトップ上のアイコンやフォントが極小サイズで表示されるという問題があるものの、アイコンやフォントのサイズを調整すれば簡単に解決可能だ。BTOメニューではほかに1440×900ドット表示のスーパーシャインビューEX3液晶と、1280×800ドット表示のスーパーシャインビューEX2液晶も選択できる。どちらも光沢パネルを採用しており、解像度より鮮やかな発色を求めるなら、この2つから液晶を選ぶのもよい判断だ。

 なお、1280×800ドット表示のスーパーシャインビューEX2液晶から1440×900ドット表示のスーパーシャインビューEX3液晶への変更は+5040円、1920×1200ドット表示には+1万80円と差額もわずかなのが悩ましい。また、LaVie G タイプCの液晶ディスプレイ詳細についてはこちらのページも併せて確認してほしい。

 基本システムに目を移すと、CPUは店頭販売モデルが搭載するCore 2 Duo T7500(2.2GHz)とCore 2 Duo T7250(2.0GHz)に加え、現時点でノートPC用のCore 2 Duoで最も高速な2.6GHz駆動のCore 2 Duo T7800を選択できる。直販モデルならではのこだわりを感じさせる部分と言える。

2基のメモリスロットやHDDベイには底面からアクセスできる。リチウムイオンバッテリーの駆動時間は約1時間だ。大柄のACアダプタが付属する

 メモリはオンボード実装の512Mバイト(PC2-5300対応)と、2基のメモリスロットに搭載された合計が実装容量となる。店頭販売モデルのメモリ容量が一律1Gバイトなのに対し、LaVie G タイプCでは合計1Gバイトから最大容量の3.5Gバイトまで、512Mバイト刻みで容量を選ぶことが可能だ。また実装方法も512Mバイト、1Gバイト、2Gバイトの各モジュールを自由に組み合わせることができ、メモリスロットに余裕を残しつつ購入するか、拡張性に妥協して安価に購入するかを選べるのがうれしい。

 ちなみに、本機で選択できるOSはWindows Vista Ultimate/Home Premiumでいずれも32ビット版となっている。そのため、メモリの選択肢もOSから認識されるぎりぎりの容量となる2Gバイト+1Gバイト+512Mバイト(オンボード)の3.5Gバイトが最大値となり、この場合は1Gバイトがデュアルチャネル動作となる点は覚えておきたい。

 店頭販売モデルの特徴の1つに、従来のHDDにフラッシュメモリを組み合わせることでアクセス速度の大幅な向上を果たしたハイブリッドHDDの搭載が挙げられる(上位2モデルのみ)。もちろん、この特徴はLaVie G タイプCにも盛り込まれているが、BTOメニューには店頭販売モデルと同じ160GバイトのハイブリッドHDDに加え、120GバイトのハイブリッドHDDという選択肢もある。通常タイプのHDDを選ぶ場合は、120Gバイト、160Gバイトのほか、直販モデルだけに用意される250Gバイトの3種類から選択することが可能だ。

 性能を重視するならハイブリッドHDDを選ぶのがベストだが、実用性にポイントを置くなら、大量のデータを保存できる250GバイトのHDDも非常に魅力的な選択肢になる。特に、標準装備の地上デジタル/地上アナログTVチューナーを使ってTV番組を取り貯めたい場合や、ハイビジョンカメラで録画した映像の編集に本機を活用したいなら、アクセス速度よりディスク容量を重視して搭載するドライブを選ぶといいだろう。

 端子類は、USB 2.0を左右に1基ずつ(うち左側は電源オフ時にiPodなどの充電が可能なパワーオフUSB充電機能に対応)、背面に3基を搭載するほか、前面にSDメモリーカード(SDHC対応)/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード対応のメモリカードスロットを用意するなど、コネクターの種類とアクセス性の両面で不備を感じない内容だ。

 リビングルームの大画面TVや大画面液晶ディスプレイに映像を表示できるHDMI出力端子(Ver.1.2a準拠)を標準で備え、高速通信が可能なIEEE802.11n(ドラフト)準拠の無線LAN機能が選択できる。また、被写体が動いても顔を常に画面の中心に捉えるフェイストラッキング機能と、ユーザーの顔の特徴を鍵として利用できる生体認証機能(Windowsのログオンのみ対応)をサポートした有効198万画素のWebカメラといった先進的な機能も搭載可能と、フラッグシップモデルにふさわしい充実ぶりが目を引く。

前面にメモリカードスロットや無線LANの電源スイッチ(画面=左)が、背面にHDMI(Ver.1.2a準拠)やTV関連の端子がまとまっている(画面=右)
左側面にExpressCard/54とPCカードスロット(TypeII×1)、4ピンのIEEE1394端子、パワーオフUSB充電機能に対応したUSB端子がある(画面=左)。右側面はバッテリーと光学ドライブ、USB 2.0の端子のみだ(画面=右)。なお、ボディサイズは370(幅)×278(奥行き)×43.3〜48.9(高さ)ミリ、重量は約3.5キロ(構成により異なる)となる

 次のページでは、地上デジタル/アナログTV放送やBlu-ray DiscドライブなどのAV機能について見ていこう。

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