なお、Nangang Exhibition HallのAcerブースには、SF映画にでも出てきそうな異形のケースが特徴のゲーム用デスクトップPC「PREDATOR」や、インテルからの正式発表が延期されたMontevinaことCentrino 2搭載ノートPC、Turion X2 Ultra搭載ノートPCなども展示されていた。
MSIが2008年のCOMPUTEXで大々的に展示しているのが、同じくAtom N270(1.6GHz)搭載の小型ノートPC「Wind Notebook U100」だ。6月3日にようやく正式発表となったが、以前から情報が公開されており、Eee PC対抗ノートとして話題を集めていた。国内での発売は6月中の予定で、価格は6万円前後になるという。
基本スペックだが、液晶ディスプレイは1024×600ドット(WSVGA)の10インチワイドで、チップセットはIntel 945GMS+ICH7M、メモリは最大2Gバイト、ストレージは80GバイトHDD(2.5インチ)となっている。海外向けには、8.9インチワイド液晶ディスプレイを搭載したバリエーションモデルも展開されるとのこと。SSDを採用していないのが印象的だ。
本体サイズは260(幅)×180(奥行き)×19〜31(高さ)ミリ、重量は3セルバッテリー装着時で約1キロと、同サイズの液晶ディスプレイを備えたASUSの「Eee PC 1000/1000H」より少し小さくて軽いが、持ち運びのしやすさは同レベルだ。バッテリー駆動時間はオプションの6セルバッテリー使用時で最大約6時間をうたっている。
台湾ではホワイト、ピンク、ブラックの3色が展開されるが、天板のツヤは抑えめで、ボディの塗装にも凝ったところは見あたらない。新型Eee PCやAspire oneと比較すると、シンプルで無難な外観といえる。
インタフェースの構成は、Eee PC 1000/1000Hとよく似ている。ネットワーク機能は有線LAN、IEEE802.11g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRを備えているが、Eee PC 1000/1000Hのように11nはサポートしていない。
ボディサイズに合わせて、キーボードはゆとりのある作りだ。主要キーで17.5ミリのキーピッチを実現しており、キーボードユニットもぐらついたりしないので、右Shiftキー周辺の変則的なキーレイアウトさえ気を付ければ、問題なくタイピングできた。タッチパッドも横幅が54ミリあって使いやすいが、左右のボタンが一体化したクリックボタンの押し心地はいまひとつだった。
ここまで本体サイズが大型化して基本スペックも手堅くまとまってくると、もはやMIDやNetbookといっても、実際の利用シーンにおいては、通常のモバイルノートPCと変わらないだろう(インテルは、AtomとIntel 945GMS+ICH7Mの組み合わせがNetbookとのカテゴリ分けをしているが)。
会場でわずかな時間触れただけだが、先に紹介したAspire oneもこのWind Notebook U100も後発だけあって、既存の低価格小型ノートPCをよく研究しており、性能的にも価格的にも新型Eee PCと十分勝負できる製品に仕上がっているとの感想を持った。国内版が登場するタイミングで、改めてレビュー記事をお届けしたい。
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