先週は一風変わったマザーボードが2枚登場し、各ショップで注目を集めていた。
1枚目はMSIのP45マザー「P45-8D Memory Lover」だ。2万1000円前後で回っており、在庫は潤沢。最大の特徴は、ATXサイズの基板に8基のメモリスロットを搭載していること。これはDDR2(667/800/1066)用4基とDDR3(800/1066/1333/1600)用4基という内訳で、どちらか一方の規格に統一して排他利用する仕様だ。対応する容量はDDR2で16Gバイト、DDR3で8Gバイトまでとなる。
入荷したあるショップは「なんというかもったいない感じがするマザーです。せっかく8基あるなら、全部DDR2対応にして64ビットOS用に大容量メモリが搭載できる仕様にしてくれたほうが断然売れるはず。現状でもDDR3メモリは高価なので、切り替えを検討しているユーザー自体が少ない。店頭でも注目はされるものの、あまり売れていないんですよ。ちょっとタイミングが惜しかったですね」と語る。ほかのいくつかのショップでも似たようなコメントが返ってきた。
一方、「ちょっともったいない」とされながらも、ヒットを期待されているのがASUSTeKのATXマザー「P5KPL/1600」だ。価格は1万円弱で、在庫は潤沢。チップセットにIntel G31 Expressを採用しているが、VGA機能を無効にしており、代わりにPCI Express x16スロットを2基備えCrossFire Xをサポートしている。また、独自のオーバークロックにより、FSB 1600MHzに対応しているのも特徴だ。
T-ZONE.PC DIY SHOPは「通常のG31マザーはFSB 1066MHzまでの対応になるので、かなり大胆なオーバークロックを施していると思います。その代償にオンボードグラフィックスを省いていますが、現在人気のRADEON用の機能(CrossFireX)をつけているのが憎い。こういうキワモノに近いマザーは安くないと、チャレンジ精神を刺激しないので、あまり売れません。P5KPL/1600は買いたい人が多いでしょうね」と語る。
また、別のショップでは「ASUSTeKがG31チップを持て余していたというウワサを聞きました。それらをさばくために思い切った仕様のマザーを作ったと考えると、P5KPL/1600の仕様は納得できます。安くて売れているRADEON系カードをさせるうえに、レガシーインタフェースを搭載しているので、古めの周辺機器も生かすことができる。サブマシンを組むには魅力的なマザーですよね」という話も聞いた。
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