開発コード「Nehalem」の名で知られるインテルの次世代CPUが、まもなく「Core i7」として店頭に並ぶことになる。アキバ電気街では、これまで具体的な情報はあまり流れていなかったが、現在パーツショップ街を歩くと、店内のそこかしこに「Core i7」のロゴが見られるようになっている。T-ZONE.PC DIY SHOPは、店の大看板の脇に巨大なロゴをはべらせていた。
Core i7はコンシューマー向けに用意される上位のCPUで、まもなく出回るとされているのはクアッドコアの3モデル。上位から動作クロック3.2GHzの「Core i7-965 Extreme Edition」、2.93GHzの「Core i7-940」、2.67GHzの「Core i7-920」となる。それぞれL3キャッシュを8Mバイト搭載しており、Pentium 4時代に活躍した、コアを擬似的に2倍にする「ハイパー・スレッディング」に対応しているのが特徴だ。
また、条件によってメインアプリケーションを受け持つコアのクロックを引き上げる「Turbo Mode」という技術も新搭載する。TDPは130ワット。予価はCore i7-965 Extreme Editionが12万円弱、Core i7 940が6万5000〜7万円弱、Core i7 920が3万円台前半だ。
入荷時期は11月中旬でほぼ確定している様子。各ショップに話を聞いても「早ければ」「うまくいけば」といった枕詞は出てこなかったため、販売解禁日が設定されていると思われる。なお、Core i7に対応するチップセット「Intel X58 Express」を搭載したマザーボードも同時期に出回ると予測するショップが多かった。
いくつかのショップでは、Core i7を使ったデモを展示しており、ユーザーの問い合わせも多数受けているという。ドスパラ秋葉原本店は「Core i7は、Core 2 Duoが登場して以来の新アーキテクチャを採用した本格派です。擬似的に8コアで動作するので、マルチスレッドに対応したアプリケーションが劇的にパフォーマンスアップするはず。ハイスペック志向のユーザーに大ヒットする可能性は高いですよ」と期待を寄せていた(関連記事:Nehalemのパフォーマンスは?──Core i7 965 ExtremeとCore i7 920の性能に迫る)。
T-ZONE.PC DIY SHOPも「久々にワクワクするCPUですよね」としながらも、どこまでシェアを獲得するかは予測がつかないという。「低価格化と低消費電力化が進む今のCPU市場で、Core i7のスペックは異端です。現状のスペックで満足している人が“ちょっと試してみようか”とはなりづらい。まあ、今後は下位のラインアップも充実してくるでしょうから、まずはハイエンドユーザーの心をつかむのが先決でしょうね。それは心配していません」。
さて、各ショップが“大物”と認めるCore i7だが、深夜販売イベントは決行するのだろうか? 今のところ明言するショップはなかったが、「やるかどうかわかりませんね」「ウチはやらないけど、ほかは乗り出すのかも」など、期待を持たせるコメントはいくつか耳にしている。
一方のAMDは、11月6日から低消費電力のデュアルコアCPU「Athlon X2 5050e」を発売した。TDPは45ワットで、動作クロックは2.6GHz。これまで登場した「e」シリーズの最上位モデルとなり、1万円弱で潤沢に出回っていた。ツートップ秋葉原本店は「Athlon X2といえば、eシリーズが売れ筋。TDP45ワットのままでクロックの高いモデルを待っていたユーザーは多いでしょう。まずまずの売れ行きになると予想しています」と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.