進化した低価格ワイドノート「Endeavor NJ2150」を試すNetbook並みの価格で買える(2/2 ページ)

» 2008年12月04日 18時11分 公開
[兼子忍,ITmedia]
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液晶ディスプレイは1440×900ドットの高解像度パネルを選ぶべき

評価機は1440×900ドット表示の液晶を搭載していた

 15.4型ワイドの液晶ディスプレイは、解像度を1280×800ドット(WXGA)と1440×900ドット(WXGA+)の2種類から選択できるが、両者の価格差は3150円と小さいので、よほど予算に余裕がない限りは、より広いデスクトップ領域で快適に作業を行える後者を選ぶのがおすすめだ(ただし、本体カラーにパールホワイトを選んだ際は1280×800ドット固定になる)。

 いずれもノングレアパネルを採用しているため、動画投稿サイトやDVDを視聴する際は発色の鮮やかさが少々物足りないものの、外光の映り込みが抑えられており、照明や窓の位置にかかわらず表示が見やすいのは好印象だ。ビジネス用途などではノングレア液晶の採用はむしろメリットと言えるだろう。また、目視で視野角をチェックしたところ、上下/左右とも広いとは言えないものの、画面と正対する位置であれば視認性に問題はない。机上など目線の高さに近い位置に設置するのであれば、画面を見づらいと感じることはまずないはずだ。

使い勝手の良い余裕たっぷりのキーボードは今モデルでも健在

19ミリピッチの日本語87キーボード

 入力環境は、横ピッチ19ミリ/ストローク2.5ミリのキーボードと、2ボタンタイプのタッチパッドというスタンダードな組み合わせで、クセのない良好な使い勝手を実現している。キーボードは文字/記号キーのピッチに余裕があり、EnterキーやBackSpaseキー、スペースキーのサイズも十分に大きいことから、タッチタイプでもスムーズにキー入力を行うことができた。

 また、キーボードを支えるベースユニットの剛性が高いため、強めにタイプしてもキーボードがたわむことはなく、安心感を持ってタイピングできるのもポイントが高い。キーボードの奥には無線LAN機能のスイッチと液晶解像度のワンタッチ切り替えボタンのみが搭載され、独立したワンタッチボタンは用意されていない。

電源ボタンの右に解像度の切り替えと無線LANのオン/オフ専用ボタンが並ぶ

 もっとも、Internet ExplorerとWindowsメールは、それぞれFnキーとF2キー、F3キーの組み合わせでワンタッチで起動するし、ボリュームや液晶ディスプレイの輝度もFnキーとファンクションキーの同時押しで調節できる。ショートカットを覚えてしまえば各機能をスムーズに利用できるだろう。

 なお、解像度切り替えボタンは、1440×900ドット液晶を搭載した評価機では、ボタンを押すごとにフルスクリーン表示と1024×768ドット表示が切り替わって表示された。タッチパッドは、定番のSynaptics製ドライバが採用されているため、機能、感度ともに不満はない。ボタンはストロークが浅いものの明確なクリック感があり、サイズも十分に大きいので、確実にクリック操作を行える。

3Dグラフィックスは期待薄だが、CPU性能はメインPCとして十分

 今回のベンチマークテストは、Core 2 Duo P8400(2.26GHz)と1GバイトのPC2-5300 DDR2 SDRAM、80GバイトのHDDとDVD-ROMドライブを搭載した構成で計測した。なお、システムに高い負荷のかかるベンチマークテスト計測中も、本体の発熱はキーボードの右半分がわずかに暖まる程度で、ファンノイズも耳障りに感じるような騒音にはならなかったことを付け加えておく。クーラーユニットの排気口が本体背面の左端に搭載されているため、例え今回の試用を上回る負荷がかかったとしても、液晶パネルが防音壁の役割を果たして耳に届く騒音は最小限に止まると予想される。

 さて、Windows エクスペリエンス インデックスは、グラフィックス関係のテスト結果が伸びず、メモリも容量が1Gバイトと少ないことから3.9に止まった半面、プロセッサは5.2、プライマリハードディスクは5.3と、メインマシンとして利用するにも不足のないスコアを記録した。気になるメモリテストの値も、メモリの容量を増やすことで向上できることから、グラフィックス性能を要求するアプリケーションを使わないという条件付きであれば、メインマシンとしての役割を十分に果たしてくれる1台と言えそうだ。

 PCMark05の結果は3502と、こちらもメインマシンとしての使用に十分に耐えると判断できる結果だ。CPUテストのスコアも5426と満足できる値で、常用するノートPCを低価格で手に入れたいという人にはうってつけと言える。ただし、PCMark05でもグラフィックス関係のスコアは低く、特に3Dアプリケーションを利用するには力不足は明らかだ。

 以上2つのテストでは、グラフィックス性能の低さが明らかになったが、3DMark06を用いてその性能を改めて確認してみた。結論から言うと、トータルスコアは1024×768ドット表示で152、1440×900ドットのフルスクリーン表示で115と、こと3Dゲームを楽しむ環境としては完全に力不足であることを示す結果となった。

 本機が3Dアプリケーションの利用を重要視しない低価格モデルであることを考えればこの結果に不満を持つことはないだろうが、仮に用途として3Dゲームのプレイを想定しているなら、そもそも本機を選択するのは避けるべきだ。なお、人気オンラインRPGの動作状況を確認できる「Final Fantasy オフィシャルベンチマークテスト3」の結果も、低解像度モードで962、高解像度モードでは515と振るわず、プレイ環境としては不合格と言わざるを得ない結果となった。

PCMark05(画面=左)、3DMark06(画面=中央)、FFベンチ(画面=右)

3Dグラフィックス性能が不要なら、コストパフォーマンスの高さが光る

 今回試用した評価機は、メモリ容量が1Gバイトと少なく、光学ドライブも書き込み機能を持たないDVD-ROMドライブが搭載されていたため、この構成のままメインで使う家庭用ノートPCとして満足できるかと言われればやや疑問かもしれない。しかし、メモリを2Gバイトに増設し、光学ドライブをDVDスーパーマルチドライブに交換、さらにIEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN機能を追加しても、価格は10万4790円と十分に安い。3Dアプリケーションの利用については、グラフィックス性能の強化を行えないことから厳しいと言わざるを得ないが、この点さえすっぱりと切り捨てられるなら、メインマシンとして活用できるコストパフォーマンスに優れた1台と言えるだろう。価格重視でノートPCを選ぶなら、Endeavor NJ2150を検討してみてはいかがだろうか。

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