「B's Recorder」のBHAが事業停止、自己破産申請へ

» 2009年08月21日 18時04分 公開
[ITmedia]

 帝国データバンクによると、CD/DVDライティングソフト「B's Recorder」で知られるソフトウェア会社、ビー・エイチ・エー(BHA、大阪府吹田市)が8月20日、事業を停止した。9月中をめどに自己破産を申請する予定という。負債額は約15億円の見込み。

photo 今年4月の東京オフィスの閉鎖告知で止まっているBHAのサイト

 1991年5月に福岡県太宰府市に設立し、その後現在地に移った。「B's Recorder GOLD」シリーズ、フォーマットソフト「B's Crew」シリーズ、パケットライティングソフト「B's CliP」などを開発・販売し、2003年9月期には約16億1100万円の売上高があった。

 B'sシリーズで一定の評価・地位を確立し、多数のベンチャーキャピタルから出資を受けていたという。03年4月には、DivXを超えるという動画コーデック「XVD」を発表。XVD形式による動画配信事業の発表したほか、エンコードソフト「超圧縮XVD Plus」などを発売した。06年7月には、エクセルと共同で地上デジタル放送専用モジュールの開発・販売を発表するなど、積極的な事業拡大を図っていた。

 だが既存ソフトウェアの伸び悩みや「超圧縮XVD Plus」の不振などから、05年9月期には売上高が約9億5000万円に落ち込んだ。既存ソフトのバージョンアップ版販売などでしのいだが奏功せず、07年4月には大幅減資を実施。同年11月には、ソースネクストにB's Recorderなどのプログラム著作権と商標権を譲渡していた。

 その後、次世代製品開発を目的に海外への投資を行っていたが、製品化の遅れによる損失の発生や前述のデジタルチューナーへの開発投資などで資金繰りが悪化。今年4月には東京オフィスを閉鎖していた。外資系ファンドによる支援が検討されたが、その見込みがなくなり、事業継続を断念した。

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