モバイルノートPCは“持ち歩いてこそ”のPC。いつでも、どこでも業務に対応するには、バッテリーで何時間駆動するかという点は大変重要だ。タイプVSは、標準の「バッテリパック(M)」(以下、標準バッテリー)のほかに、カタログ値で約8.2時間駆動を実現する「バッテリパック(L)」(以下、Lバッテリー)もオプションで用意し、それこそ「1日中営業」あるいは「出張」といったシーンにも十分に対応できる。
ちなみに標準バッテリーをLバッテリーと交換しても、標準バッテリー搭載時より約100グラムほど増える程度に留まる。例えば、よくある文庫本(約200グラム)を1冊バッグに入れるより軽い。なお、厚さは変わらないのでバッグへの収納性もほとんど変わらない。
Lバッテリーが必要かどうかは、1日に最長でどのくらいバッテリーで駆動するかを考えるとよいだろう。バッテリー駆動中は常に通信(無線LANかワイヤレスWANを利用)も行うと想定した実駆動時間の目安は、標準バッテリーは約2時間半、Lバッテリーは約5時間である。
例えば、会議や商談など、外出先で使用するシーンは1日に数回であり、電源を確保できるオフィスに在席する機会が多いなら、小型で軽い標準バッテリーでおおむね問題ないだろう。一方、1日に数回の外回りや会議、商談に加え、電源を確保できないシーンが想定される国内出張の機会も多いならば、Lバッテリーを導入しておくと安心だ。ある日の一例として、約30分の電車移動時から、約1時間の会議、約1時間半の資料作成、約1時間の商談、約30分の帰宅電車移動時に3Gデータ通信とともに使用したところ、無難に「業務時間はまるごと」Lバッテリーのみで乗り切ることができた。
ノートPCの未使用時はスリープか休止状態(ハイバネーション)のどちらかを主に使用する。普段は利便性のよいスリープを使用するが、バッテリー残量が不安になったらバッテリーを消費しない休止状態(ハイバネーション)に切り替えることもよくある利用スタイルだ。この点、タイプVSに標準でSSDをデータストレージに採用するので、移動中の使用やディスプレイを閉じてすぐ移動しなければならないシーンでもHDDより問題が生じにくい。この安心感は、HDD搭載PCではなかなか得られないものである。
使い方によってはバッテリー駆動でも1日持ちこたえるタイプVSだが、“リスク回避”のためACアダプタも常時バッグに入れておきたい──。こういう人も多数存在し、実際に正しい選択だ。
それなら、オプションの「薄型ACアダプタ」の導入を強く勧めたい。薄型ACアダプタは厚さ15.9ミリ/DCケーブル込みの重量が約200グラムと、ストレート型携帯電話ほどのサイズで済むほか、ACアダプタ本体とDCケーブルを分離できる仕様なので、バッグの中でかさばらないのが大変便利だ。ちなみに、さらにかさばりにくくバッグへの収納性がよい、巻き尺スタイルの「巻き取り型DCケーブル」もオプションで用意する。
なお、モバイルPCにおいては“携帯用”とオフィス/家庭内用の2つを用意しておくと利便性がより高まる。オフィスでは使い勝手のよいウォールマウントプラグ+ケーブル非着脱型の標準ACアダプタを据え置いて使用し、バッグにはオプションの薄型ACアダプタを忍ばせておく使い方がしっくりくる。
ともあれ、ACアダプタ本体で2種類(標準、薄型)、プラグも2種類(ウォールマウントプラグとケーブルプラグ)、そしてケーブルも2種類(標準、巻き取り型)もの選択肢を用意したのは、やはり「どんなユーザーに使ってほしいのか」を深く考慮したためだと感じられる。
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