普段、業務で使用するPCにはどのような資質が必要か。
NECのビジネス向けモデル「VersaPro UltraLite タイプVS」(以下、タイプVS)は、このポイントを深く追求した“仕事道具”になりえる特徴を多く備えたノートPCだ。
タイプVSが薄いこと、軽いこと、そして導入しやすい価格であることは、カタログスペックなどである程度想像できることだろう。今回はさらにその後、タイプVSを実際に仕事道具として運用した時に気が付く「仕事道具」としての資質を改めて検証していこう。
タイプVSはとにかく薄く、軽く、小さい。そして、マグネシウム合金を用いたボディは、まるで1枚の金属板のように頑丈だ。
ボディは76センチの落下試験や面加圧150キロf、点加圧25キロfの耐荷重テストをクリアする堅牢さを実現する。まず、薄く、かさばらないボディと相まって、移動時はもちろん、満員電車内で「カバンの中のPCは大丈夫か」などと不安を覚えることがほぼ皆無になる。
バッグの総重量も、もちろん減る。タイプVSは標準バッテリー搭載時で重量約725グラム、厚さ15.8ミリ(最薄部)の極薄軽量ボディが特徴だが、これはよくあるB5サイズのモバイルノートPCの半分ほどとなる値だ。3〜4キロのバッグ総重量のうち約0.7キロも軽くなると、身体への負担は驚くほど軽く、楽になる。このほか、業務でノートPCを持ち歩く人はPC本体以外にいくつもの資料や冊子、文房具などもバッグに入れて持ち運ぶが、ボディが軽く、薄い分「さらにもう何冊か」の資料を余分に入れることも可能だ。
タイプVSの金属天板は半つや消しのシルバー1色で、過度な装飾は施されない。ただ、バッグの中へ多少乱暴に収納しても目立つ傷が付きにくいうえ、汚れが目立たず、指紋の付着もまったく気にならない。このため、PCに対して「汚れている」「きれいにしなければ」「恥ずかしい」などといった、業務の妨げになる心配がなくなる。このことがいいか悪いかは人それぞれだが、デザインやボディカラー、そして過度の装飾を施さないタイプVSの仕様は、おそらく「あえてこの効果を狙って」のことと思われる。
タイプVSのキーボードは、小型ボディながらも縦横約17ミリピッチを確保する。1段下げられたカーソルキーやちょうど中央に配置した幅50ミリのスペースキー、4つごとに区切られたファンクションキー、そして小型PCでは縮小されがちな右端の「け」「む」「め」「ろ」などのキーも縮小されていないので、窮屈さはほとんど感じない。キーボードの中央が“浮かない”工夫により、小気味よくパチパチと入力できる。なお、この点は、普段オフィスや家庭ではデスクトップPCや一般的なノートPCのフルキーボードを使う──というシーンのユーザーが、併用する本機とともに外出・出張する場合も「大きな違和感なく使用できる」ことにもつながる。
キーボードの中央にあるスティックポインタは、ノートPCによくあるトラックパッドと比べると好みが分かれるデバイスだ。スティックポインタをはじめて使用するなら多少の慣れは必要だが、ホームポジションから手を動かさずに済むことに加え、Webサイトのスクロール操作なども含めて、大きな動作なしに指先の軽い操作だけで扱える。これは、電車の座席や打ち合わせテーブルなど、やや窮屈な場所で使うこともあるモバイル利用において、使い出すと感じられるメリットだ。
なお、タイプVSはできる限る薄く、軽くするためにパームレストがない設計にしている。このため、電車やバスの車内、あるいは公園のベンチなど、本体をヒザに乗せてPCを操作するシーンにおいて少し窮屈な体制になる──と想像してしまうが、実際は、軽く、薄く、小さいボディのおかげでなんとかなる。本体を少し前にずらし、自分の足の付け根付近に手のひらを乗せて操作すればよいのだ。これは、キーボード面が厚さ約9ミリと大変薄いタイプVSだから違和感なく実践できる方法だろう。もちろん机上での利用ならば、薄いボディと相まって“机がパームレストになる”のでまったく問題はない。
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