インタビュー
» 2010年06月11日 19時20分 UPDATE

あなたのMacを健康に:「Macユーザーはマルウェアよりも先にHDD障害を心配すべき」

「ドライブジーニアス3」の開発元である米Prosoftのゴードン・ベル氏が来日し、同ソフトの特徴について語った。Macユーザーはセキュリティソフトの導入よりも先にHDDメンテナンスを考えるべき?

[後藤治,ITmedia]
og_igeek_001.jpg Prosoft Engineering社長、ゴードン・ベル氏(左)と、アイギーク社長、デイビット・スミス氏

 既報の通りアイギークがMac向けディスクメンテナンスツールの最新版「ドライブジーニアス3」の取り扱いを発表し、6月11日からパッケージ版の店頭販売が始まった。これにあわせて、同ソフトウェアの開発元である米Prosoft Engineering(以下、Prosoft)の社長、ゴードン・ベル氏が来日し、最新版で追加された新機能などの特徴を語った。

 ProsoftはMac向けユーティリティソフトを数多くリリースしており、その基盤技術がMac OSの標準機能として組み込まれるなど、アップルとも関わりも深いソフトウェア開発社の1つだ。また、2005年に最初のバージョンがリリースされたドライブジーニアスは、登場後すぐにMac用ディスクユーティリティの主要製品になった定番中の定番ソフト。デフラグやボリューム修復、パーティショニングなど、HDDのメンテナンスや最適化を行うツールキットとして、アップルストアのProCareサービスでも公式採用されているほどだ。

 今回登場した最新バージョンでは、HDDの状態をバックグラウンドで監視する機能「Drive Pulse」が新たに追加された。Drive Pulseはシステムの負荷状態に応じて動作するため、ユーザーの作業に影響を与えず、ディスクに問題があれば自動的に警告を出し、これを解決するための推奨機能を提示してくれる。これまでユーザー自身がメンテナンス作業を行う必要があった“ユーザー主導型”の前バージョンに対し、最新版はDrive Pulseによって自動的にメンテナンスを行う“アプリケーション主導型”のツールに生まれ変わったという。このほか、デフラグ機能には断片化状態が一目で分かるGUIが加わり、データを完全に削除するシュレッダー機能がファインダーに組み込まれて使いやすくなっている。

og_igeek_002.jpgog_igeek_003.jpgog_igeek_004.jpg 新機能のDrive Pulseは、アイドル状態にディスク状態を監視し、問題があれば警告してくれる

og_igeek_005.jpgog_igeek_006.jpgog_igeek_007.jpg デフラグ機能も強化された。断片化の状態が一目で分かるGUIが導入され、ファイル単体でのデフラグも行えるようになった

ライフスタイルの中心にMacがある人は「ディスクメンテナンス」が重要

――今回の目玉機能である「Drive Pulse」はどちらかといえば初心者向けの機能ですが、これはMacのシェアが拡大して初心者ユーザーが増えていることを意識したのでしょうか?

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ベル 必ずしもそうではありません。もちろん、複雑な操作なしにディスクメンテナンスが可能なDrive Pulseは、初心者にとって便利な機能ですが、それは上級者にとっても同じでしょう。誰も定期的に自分でディスクの状態を調べたいとは思わないはずです。我々が行ったディスクメンテナンスに関するアンケート調査で、「メンテナンスの必要性は理解していながら実際にどうすればいいのか分からない」というユーザーが相当数いることに気付きました。最適化するタイミングや修復のための機能を選択できないというものです。今回のDrive Pulseはこれらのユーザーフィードバックを元にしています。

 また、「繊細な作業をしているときにOSの操作が遅くなるのがイヤで使うのをやめてしまった。たばこをすっているあいだに作業してくれるような心づかいがほしい」といった声を反映して、Drive Pulseはアイドル状態が一定時間続くと監視を行うようにしました。

――基本的な質問ですが、ディスクメンテナンスを行うどのようなメリットがあるのでしょうか

ベル ドライブジーニアスの人気機能の1つにデフラグがありますが、これによりMacのパフォーマンスが改善します。特に動画などの大きなファイルを編集する人にとっては有用ですね。Mac OS XではOS自体に断片化を防ぐ機能もありますが、20Mバイト以下のファイルに限られますし、容量の大きなあらゆるメディアファイルをPCで管理する今のライフスタイルにはそぐわなくなっています。この点に関しては、我々の最大の顧客がアップルであるということが証明していると思います。もちろん、デフラグの効果はユーザーの環境で差がありますが、普段Macを使っていてレインボーカーソルが出やすくなっていたら断片化を疑ったほうがいいですね。

――将来的な計画としてSSDへの対応を挙げていましたが、これについては?

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ベル SSDについては、SSDに特化した性能向上や最適化の機能を追加するために検証に入ってる段階です。もっとも、現状ではSSDへのデフラグは意味をなしませんが、Drive Slim(v2.2で追加された機能、不要なファイルをリストアップし、空き領域を広げる)など容量の小さなSSDでこそ有用な機能もあります。

 ディスクメンテナンスのメリットではもう1つ、ディスクの保護という観点もあります。これはMacが日常生活で重要な位置を占める現在では特に重要です。何もせずにいて、気付けばもう難しい状況になっている、ということは往々にしてあります。車を定期的に洗浄し、人間も定期的に健康診断を受けますが、Macもこれと同じように考えるべきです。ディスクを常に監視することで故障を事前に察知し、大事なデータが失われるまえにバックアップしておくこともできるでしょう。特に“オリジナル”が紙などではなく、最初からPC内のデータになっている現在では真剣に考えるべき問題です。

スミス みんな知りたくないことですが、HDDは必ず故障します。そして例えば、ディスプレイが壊れたら交換は可能ですが、もしHDDが壊れたら、HDDを交換することはできてもHDD内にあるデータは取り戻すことができないかもしれません。Drive Pulseによってトラブル事前に察知することができるのです。

――データを守る、という意味では、バックアップやセキュリティソフトと同じように重要だということですね?

ベル 実際、セキュリティソフトよりも重要だと思います。Macユーザーにとってデータ消失のリスクを考えた場合、マルウェアとHDDクラッシュのどちらが確率が高いかを考えれば圧倒的に後者でしょう。個人的な話ですが、これまで長年Macを使ってきて、セキュリティリスクに直面したことは1度もありません。もちろん、仕事柄その手のソフトウェアは導入していますが、せっかくインストールしているのだから1度くらいは検知してもいいのに、という不謹慎な考えを抱くこともあるくらいです(笑)。

 我々の調査では、Mac向けセキュリティソフトをインストールするユーザーの多くはWindowsからのスイッチャー組であり、昔からMacを使っている人たちは少ないようです。かつてWindowsユーザーだった人は同じような感覚でマルウェア対策を考えているのかもしれません。ただ、もしお金をもっと有用に使いたいと考えるのであれば、セキュリティソフトを購入するよりもドライブジーニアス3を導入するべきだと言いたいですね。

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