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» 2010年09月30日 18時27分 UPDATE

PCセキュリティの先へ:「ネットにつながるあらゆるデバイスの安全を」――シマンテックのコンシューマー事業戦略

シマンテックでコンシューマー事業を統括するジャニス・チャフィン氏らが来日し、今後同社が目指すグローバル事業戦略について語った。

[後藤治,ITmedia]
og_symantec_001.jpg Norton Everywhere構想を説明するデーブ・コール氏

 シマンテックは9月30日、同社のグローバル事業戦略について、報道個関係者向けの説明会を実施した。コンシューマー事業部門のトップであるジャニス・チャフィン(Janice Chaffin)氏をはじめ、アジアパシフィックを担当するデービッド・フリアー(David Freer)氏、コンシューマー製品のシニアディレクターであるデーブ・コール(Dave Cole)氏が出席し、コンシューマービジネスの新たな戦略である「Norton Everywhere」構想について説明した。

 インターネットに接続されるPC以外のデバイスがすでに100億台以上存在し、2014年までに200億を超えると予想(IDC 2009)される2010年現在、個人ユーザーのオンラインセキュリティリスクも同様に増大しつつある。そこでシマンテックが“PCの先”にあるセキュリティ事業として注力しているのが「Norton Everywhere」だ。Norton Everywhereは、スマートフォンや携帯ゲーム機を含むあらゆるネット端末のセキュリティを確保し、クラウドストレージを利用してデバイスを問わずデータの利用を可能にする幅広いサービス群を指す。すでに米国では「Norton Connect Beta」「Norton Smartphone Security for Android Beta」「Norton DNS Beta」がリリースされている。

 例えば、Norton Connect Betaは、同社のオンラインストレージにiOSおよびAndroid端末からアクセスするためのアプリケーションだ(App StoreおよびAndroid Marketから無償で入手できる)。ノートンオンラインバックアップ、もしくはノートン360によって提供されている同社のオンラインストレージは、現在1200万人のユーザーを抱え、61P(ペタ)バイト以上のデータが集積されているが、コール氏は「Androidの電話でもiPhoneでも、このデータにいつでもアクセスできる」と述べ、モバイル端末における新たなサービスの可能性を提示する。

og_symantec_002.jpg Norton Smartphone Security Beta for Android

 一方、同社はモバイル端末のセキュリティとして、Norton Smartphone Security Beta for Androidを5月より米国で提供している。コール氏は「Androidはモバイルセキュリティ市場にとって大きなチャンスだ」と語り、その理由としてAndroid端末が毎日20万台以上のペースで増加していること、アップル製品と異なり市場がオープンなためセキュリティリスクも大きい点を挙げる。また、ユーザーにとって求められる機能が従来のPCとは違う点を指摘し、Norton Smartphone Security Beta for Androidの特徴として大きく4つの機能を説明した。まず1つはリモートによる端末内のデータ消去とロック。2つめは接触して欲しくない人からの呼び出しやメールを防ぐもの。3つめがマルウェアのスキャン、4つめが多額な請求の要因となるローミング状況の監視機能だ。なお、マルウェアスキャンはまだ実際的な脅威があるわけではないものの、「セキュリティベンダーとしてはパンデミックな状況になる前にあらかじめ手を打った」とのこと。現在Norton Smartphone Security Beta for Androidは5万人以上の人に使われ、日本語を含む20の言語にローカライズされている。日本での展開は携帯電話のキャリア次第ということになりそうだ。

og_symantec_003.jpg アジア地域のNorton DNSサーバは東京、香港、シンガポールに存在する。現在15万を超えるユーザーがいるが、最も多いのはアジア地域だという

 もう1つ、マルチプラットフォームでセキュリティを提供する仕組みとして、シマンテックはNorton DNSを掲げている。同社はノートンユーザーに対し、クラウド技術を基盤としたノートンセーフウェブで安全なWebブラウジング環境を確保してきたが、ここで蓄積したフィルタをNorton DNSを通じて提供するという。これによりユーザーは、ルータのDNS設定を変更するだけで、そこにつながるあらゆるデバイスが危険なサイトに誘導されるのを防げるようになる。コール氏は「PC以外のデバイス、ゲームコンソールやタブレット、携帯ゲーム機を使ってネットサーフィンをするときでも、ユーザーが攻撃されるのを防ぎ、望まないコンテンツかどうかを参照できる。ネットにつながるすべての機器に適用でき、試用期限もアップデートする必要もない」とNorton DNSのメリットをアピールした。

 このほか、組み込み分野のセキュリティで知られるMocanaとの業務提携についても言及。コール氏は「あらゆるデバイスがインターネットに接続することで家電メーカーはまったく新しいセキュリティの課題に直面している」と述べ、これに対してファームウェアによるセキュリティソリューションを提供する用意があることを示唆した。「Norton Everywhereは最も成功したβ版であり、(コンシューマー市場で)PC向けセキュリティ以上のビジネスになると考えている。インターネットにつながるあらゆるデバイスを使うユーザーに安心と安全を提供したい」(同氏)。

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