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» 2012年09月11日 12時30分 UPDATE

微妙な違いが意外といい:使うほどに好きになる──「ThinkPad X1 Carbon」と試しに付き合ってみた (1/5)

海外のサプライズ発表から日本での“チラ見せ”で、前評判から絶好調の“Carbon”が日本でも登場。うわさにたがわぬ実力ルーキーか? はたまた、バストか?

[長浜和也(撮影:矢野渉),ITmedia]

コンパクトボディで軽量で大画面で高解像度なCarbon

kn_tpx1crbnrv_01.jpg これまでの“X1”からさらに薄くコンパクトに、そして、軽くなった「ThinkPad X1 Carbon」

 ThinkPad X1 Carbonは、ThinkPad X300から始まり、ThinkPad X1シリーズにつながる、ThinkPadで薄型ボディを採用する“デザインを重視した”ラインアップの最新モデルだ。

 これまでの、ThinkPad X1シリーズは、サイズが337.0(幅)×231.1(奥行き)×16.5〜21.3ミリで、重さが約1.69キロのボディに13.3型ワイドで解像度1366×768ドット、そしてゴリラガラスで正面を覆った液晶ディスプレイと、第2世代Coreプロセッサー・ファミリーでTDP 35ワットクラスのCPUを搭載しただけでなく、従来のThinkPad Classicシリーズに相当する耐衝撃性能と処理性能の実現にも成功した。

 薄型ボディというデザインの視点では、それまでのThinkPadとは一線の画するThinkPad X1シリーズだが、それでもユーザーからは、液晶ディスプレイのさらなる大型化と解像度の向上、そして、長時間のバッテリー駆動を求める声が多かったという。ThinkPad X1 Carbonの開発を担当したレノボ・ジャパン 大和研究所のスタッフは、このユーザーの声に応えることが、“Carbon”における開発で重要な課題であったと述べている。

 そのThinkPad X1 Carbonは、14型ワイドの液晶ディスプレイを搭載し、解像度は1600×900ドットを実現した。従来のThinkPad X1シリーズからディスプレイサイズが大きくなったのにもかかわらず、ThinkPad X1 Carbonの本体サイズは、331(幅)×226(奥行き)×8〜18.8(厚さ)ミリといずれもコンパクトになり、重さも1.36キロと軽量になった。

kn_tpx1crbnrv_06.jpgkn_tpx1crbnrv_07.jpg ThinkPad X1 Carbonで注目したいのは、従来よりコンパクトなボディに大きなサイズのディスプレイを搭載したことだ。14型ワイドのディスプレイで解像度が1600×900ドットと、“X1”ユーザーから多かった大画面高解像度に応えた(写真=左)。ThinkPad Classicシリーズで初めて逆ヒンジを採用した。液晶ディスプレイはキーボード面に対して水平近くまで開くが、それでも机面に対しては完全な水平とはならない(写真=右)

“人工衛星”クラスの炭素繊維強化プラスチックを採用

 この軽量化ために、従来のThinkPad X1で採用していた、液晶ディスプレイを覆うゴリラガラスも廃止した。薄いボディで強度を保つため(ただし、レノボ・ジャパンでは、ディスプレイの保護を目的にしたと説明している)に採用したゴリラガラスの廃止で、ThinkPad X1 Carbonでは、強度を炭素繊維強度プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Prastic)を採用することで確保している。

 型番に“Carbon”とあることから、ボディパネルのすべてにCFRPを用いていると思いがちだが、ThinkPad X1 CarbonでCFRPを使っているのは、天板“だけ”だ。ただ、ベースカバー(本体底面側を覆うパネル)は樹脂でなくマグネシウム合金を用い、キーボードベゼルに設けたロールケージ構造とともにシステムボードを挟んで、本体の強度を確保している。

 なお、ThinkPad X1 CarbonのCFRPは、強度の指標となるヤング率の値が500Gpa台と、人工衛星の素材として利用できるグレードを採用している。航空機素材として使うCFRPのヤング率が300Gpa前後なので、その2倍弱の強度を持つことになる。

 レノボ・ジャパンの説明によると、ThinkPad X1 CarbonのCFRPの強度は、ThinkPad T430sと同等で、ThinkPad T420sの2.3倍の強度になるという。ThinkPad X1 Carbonで使用するCFRPは、繊維を同じ方向に長くそろえた“単方向プリプレグ”で、繊維方向を直交した2層を重ねている。天板パネルは、このCFRP2層の組み合わせを2組用意し、発泡樹脂層を挟んで構成する。こうすることで、軽量化を図りながら曲げに対する強度を持たせることが可能になるとレノボ・ジャパンは説明している。なお、天板の周辺部は、無線接続のアンテナの感度を確保するため、ガラス繊維強化プラスチップを用いており、従来のThinkPad X1シリーズと同様のCFRPと境目がないハイブリッド構造を採用する。

kn_tpx1crbnrv_02.jpgkn_tpx1crbnrv_03.jpg その製品名にも掲げた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を天板に採用した。そのグレードは人口衛星の素材として使えるほどで、ThinkPad T420sで用いたCFRPの2.3倍に達するという(写真=左)。表面の質感は、ThinkPad Classicと共通の滑りにくい塗料を用いた光沢のない黒だが、ThinkPad X1シリーズと同様に、“ラメ”を混ぜている。

 

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