ThinkPad X1シリーズは、側面を斜めにカットした形状を採用していた。ボディの薄さを見た目で強調するデザインだったが、下に向いた斜面にインタフェースを配置したことで、上から見下ろすと本体側面が死角になって、その姿勢のままではその位置を直接目にすることができない。USBなどにケーブルを接続するために場所を確認しようとすると、本体の下側まで視線を落とさなければならず、これが、意外と面倒に感じたのは、ThinkPad X1のレビューで紹介した通りだ。デザイン重視のため、インタフェースにはカバーを設けていて、そのカバーを外そうとすると下向きに外れようとするので机面に当たってしまうなど、こちらも扱いが容易でなかった。
ThinkPad X1 Carbonは、側面を垂直にしている。デザインを取りまとめた開発スタッフに確認したところ、やはり、ユーザーからの意見が大きかったようで、そのフィードバックを反映したと説明している。本体に用意したインタフェースは、左側面にUSB 2.0(ほかには電源コネクタと無線接続モジュールのパワーオンオフ切り替えスイッチ)を備え、右側面にはメディアカードスロットとMini DisplayPort、ヘッドセット端子、USB 3.0(ほかに盗難防止チェーンコネクタ)を用意する。本体の前面、および、背面にインタフェースを搭載しない(評価用機材には、背面にSIMカードスロットを設けている。製品発表会で展示していたシステムボードはSIMカードスロットを実装していたが、製品版でそのようになるのかは明言していない。ただ、アンテナは内蔵しないのでSIMカードスロットだけあっても利用できないのに変わりはない)。
背面のインタフェースを廃止したことで逆ヒンジを採用し、これも本体の薄型化に貢献したが、薄型ボディを優先するThinkPad X1シリーズで本体に搭載できるインタフェースの種類と数を減らすことにつながっている。特に、有線LANとHDMIがなくなったことは、依然として有線によるLAN構築が多いビジネス現場におけるネットワーク利用と、やはり、対応モデルが多い外付けディスプレイを必要とするユーザーで、使い勝手に大きく影響しそうだ。
ただ、従来のThinkPad X1シリーズで側面に用意していたインタフェースが1基のUSBとメディアカードスロットのみで、しかも、USBがカバーで覆われていたのと比べて、ThinkPad X1 Carbonは、左右の両側面にUSBを1基ずつ用意し、カバーを設けず、側面が垂直なので位置も目で確認しやすくケーブルの接続は容易だ。側面が垂直で使いやすくなったのは、メディアカードスロットも同様だ。そういう意味で本体に搭載したインタフェースの扱いは大きく改善したと考えていい。
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