先週、多くのショップで一際注目されていたのは、NVIDIAのシングルGPU最上位の「GeForce GTX TITAN」を搭載したグラフィックスカードだ。複数のメーカーから登場し、12万円弱から14万円弱の価格で出回っている。しかし、ハイエンドユーザーの需要に流通量が追いついておらず、アキバ全体で品薄状態だ。
GeForce GTX TITANは、GeForceファミリーでシングルGPU最上位だった「GTX 680」の上位にあたるモデルで、世界最速のスーパーコンピューター「TITAN」に採用されているコアを転用しているのが特徴だ。
GTX 680と比べて、メモリバンド幅が256ビットから384ビットになるほか、自動オーバークロック機能が「GPU Boost 2.0」に進化している。一方、ピーク消費電力も最大195ワットから最大250ワットに上昇しており、補助電源コネクタが標準で8ピン+6ピン構成になっている点には注意したい。
BUY MORE秋葉原本店は「GTX 680と比べても目に見えてパワフルですが、リファレンスデザインのカード長が265ミリと短めで、コンパクトなケースにも組み込めるなど、意外と小回りも利きます」と語る。ユーザーの評価も上々のようで、「POPを出す前に売れてしまいましたよ」というショップも複数あった。
ただし、同時にハイエンドの主流にはならないとの評価も多い。TSUKUMO eX.は「何しろ高価ですから。(デュアルGPU構成の)GTX 690搭載カードにひかれる人は買うと思いますが、コストパフォーマンスの面でも評価されているGTX 680の代わりにはならないでしょう」と話す。別のショップも「スタートダッシュがすごくて、わずかなハイエンドユーザーの需要を満たしたら高根の花になる、いかにもハイエンドといった売れ方だと思います。その辺りは一般ユーザーに広がっていったGTX 680とは違う気がしますね」と分析していた。
ただし、入荷後即売り切れが多発する状況で、需要が満ちるのはまだ先のようだ。ドスパラ パーツ館は「これからMSIやASUSTeK製のGTX TITANカードも登場する予定です。それぞれ少数入荷だと思いますし、待っている人は少なくないでしょう」と語る。
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