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» 2013年06月13日 15時33分 UPDATE

ルータープリンスの「5分で知る最近のモバイル通信&ルータ事情」:ソフトバンクの「もう1つのダブルLTE」対応ルータとは (1/2)

スマホもPCもタブレットも、何より快適快速なモバイルデータ通信環境が必須!──そんな人に向けたポータブルルータの「今」を解説する。第1回目のテーマは「もう1つのダブルLTE」と「LTEのMVNOが活発化」。

[島田純,ITmedia]

ソフトバンクモバイルが「203Z」発表 8月以降に発売予定

photo Pocket WiFi 203Z

 2013年5月は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社がそろって夏商戦向けモデルの発表会を行い、スマートフォンを中心に新機種が発表された。

 データ通信機器としては、イー・アクセスを買収したソフトバンクモバイルから、初の“Pocket WiFi”と名付けられた「Pocket WiFi 203Z」(以下、203Z)に注目したい。発売は2013年8月予定となっており、料金などの詳細は2013年6月現在まだ決まっていないが、追って告知されるようである。

 203Zは、SoftBank 4G(2.5GHz帯AXGP・TD-LTE互換)とEMOBILE LTE(1.7GHz帯FDD-LTE)、両方のLTEネットワーク(および1.5GHz帯ソフトバンク3G)を利用できるはじめてのポータブルルータである。SoftBank 4G接続時は下り最大110Mbps、EMOBILE LTE接続時は下り最大75Mbpsの通信速度となる。203Zは、EMOBILE LTEで下り最大150Mbsとする「UE Category 4」もサポートするが、対応サービスはまだ行われていない。2013年6月時点においては、直近では状況が分からないのでUE Category 4に過度の期待はできないが、1.7GHz帯での20MHz帯域幅を使えるようになれば、このまま下り最大150Mbpsで使えるようになる可能性があるという理解でよいだろう。

 バッテリー容量は3.7ボルト/5000mAhとかなり大容量であり、他のUSB充電/給電対応機機への給電できる機能も備わっている。連続通信時間は約13時間とLTE対応ルータとしては長めだが、バッテリー容量が大きいわりにはという感じだ。

 なお、“Pocket WiFi”はご存じの通りイー・アクセス/イー・モバイルのブランドとして使用されていたものだが、ソフトバンクのイー・アクセスの買収/経営統合によって、ソフトバンクモバイルからも「Pocket WiFi」が発売されることになる。イー・アクセスからは、この203Zと同等機能を持つ「Pokcet WiFi(GL09P)」が販売される予定である。

 それ以外の通信事業者からは、2013年夏モデルとして新たなモバイルルータは発表されなかった。

 NTTドコモは、下り最大112.5Mbpsの通信速度に対応したLTE対応ルータ「HW-02E」があり、夏モデルでも対応機器の追加に期待していたが、今回は追加なし。KDDIは4G LTEのポータブルルータとして主に法人向けの「Wi-Fi WALKER LTE(HWD11)」が存在し、ポータブルルータとしてはWiMAXとau 3Gを両方使える「Wi-Fi WALKER WiMAX」もあるが、同じく新機種は発表されなかった。夏モデルでの投入が無かったのは少々寂しいところである。

NECアクセステクニカ製のLTEルータ「AtermMR02LN」発表 2013年6月に販売開始

photo 3バンドLTE対応の「AtermMR02LN」

 NECアクセステクニカからは、同社のLTE対応のモバイルWi-Fiルータ「AtermMR02LN」(以下、MR02LN)が発表された。

 MR02LNは2013年6月より、NECビッグローブ「BIGLOBE LTE・3G」、ニフティ「@nifty do LTE」、ハイホー「hi-ho LTE typeD」など、NTTドコモ(Xi)のMVNOとしてLTEデータ通信サービスを展開するISPサービス向け機器として販売され、ほか、BIGLOBE LTE・3Gサービスは街のイオン実店舗でも販売するというので、モバイルデータ通信環境をより手軽に入手できるようになる手段が増えるのは喜ばしい。それだけ、ニーズも高まっていることを示す1例だ。

 MR02LNのポイントは、800M/1.5G/2.1GHz帯、計3バンドでXi(LTE)を利用できるよう、従来モデルより対応周波数帯域を拡大したこと。特にルーラルエリア(農山村地域)で用いる例が多い800MHz帯もサポートすることで、利用可能なエリアが広がる可能性が高いといえる。

 XiでのLTE通信速度は下り最大100Mbps/上り最大37.5Mbpsに対応。さらに無線LANは側は2×2 MIMOでのIEEE802.11nをサポートするのも利用時の実スループットが向上する仕様だ。MIMOは送受信ともに複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線通信技術。2×2とは送信用に2つ、受信用に2つのアンテナを利用できることを示し、同じく2×2(以上)のMIMO対応無線LANモジュールをたいていは搭載しているノートPC(あるいは一部タブレット)で効果があり、最大300Mbpsでの通信が可能である。


photo WiMAX対応の「AtermWM3800R」

 また、LTE対応ルータとしては初めてBluetooth通信を使った「休止状態からのリモート起動」にも対応する。この機能は同社製WiMAXルータ「AtermWM3800R」に搭載するのと同じもので、待機時により低消費電力なBluetoothを用いて通信し、休止状態の本体をスマートフォンアプリ(など)からの指示で復帰できる。本体をバッグに入れたまま電源(休止状態)のオン/オフを制御できるのが便利そうだ。

 もう1つ、前モデルであるAtermMR01LNはボディがかなり大きめだったが、MR02LNは体積比約25%、重量も約20%も小型軽量化された一方で、連続通信時間がLTE、3G接続時ともに8時間と、MR01LN(LTE 6時間/3G 8時間)と比べて延長された。

 MR02LNはリモート起動以外に目立つ新機能はないが、USBモデム機能、別売りクレードル+固定回線のアクセスポイントとしても利用できること、クレードル経由で有線LANでの接続にも対応することなどを含め、バランスのよい多機能ポータブルルータに仕上がっている。MVNOでのLTEデータ通信サービスを導入するなら、本機を同時に購入する機器とする第一候補にできる実力を持っている。

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