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» 2013年08月13日 18時24分 UPDATE

AMDの最強CPU&GPUをぶん回す:AMDファン期待のモンスター級ゲーミングPC「MASTERPIECE a1500BA1」を徹底検証 (1/4)

G-Tuneにラインアップされる「MASTERPIECE a1500BA1」は、ターボ時のクロックが5GHzに達するAMDのモンスター級CPU「AMD FX-9590」を搭載したハイエンドモデルだ。AMDは「コスパで勝負」だけじゃないぜ!!

[石川ひさよし(撮影:矢野渉),ITmedia]

アビー製ミドルタワーケースに組み込まれたハイエンドスペック

og_amd_g-tune_001.jpg G-Tune「MASTERPIECE a1500BA1」

 MASTERPIECE a1500BA1は、マウスコンピューターのハイエンド機に採用されるアビー製の特注ケースを用いている。評価機はブラックを基調とし、フロントパネル両端に赤いラインが入る“AMDカラー”のデザインだ。フロント下部には同社のゲーミングPCブランドである「G-Tune」のロゴとともに、AMD FXとRadeonという2つのAMDロゴシールが張られ、AMDファンの目には「特別な製品」として映ることだろう。

 このケースは、フロント、両側面にエアホールを設けており、通気性を重視している。電源は下部にレイアウトし、電源部とマザーボード部との間にもスペースがあって、本来の内部空間はかなり広めだ。ただし、本モデルは特別モデル。ハイエンドパーツがギッシリと組み込まれ、これだけスペースのあるケースなのに、密に感じるところがある。まずはそのスペックを確認していこう。

og_amd_g-tune_002.jpgog_amd_g-tune_003.jpg 本体のカラーリングに加えて、FXとRadeonという2つのAMDロゴがAMDファンの心をくすぐる(写真=左)。前面下部にもエアホールを搭載。フロントファンから吸気を行う。電源は下置きタイプ(写真=右)

og_amd_g-tune_004.jpgog_amd_g-tune_005.jpg 左側面には多数のエアホールを設け、グラフィックスカード部に外気を取り入れる設計だ(写真=左)。ケース自体の内部スペースは広いが、簡易水冷キットにデュアルGPUカードを搭載した本製品の場合、ギッチリとした印象を受けてしまう(写真=右)

ターボ時5GHzに達するCPUを安定動作させるためのスペシャル仕様

og_amd_g-tune_006.jpg CPU-Zから見たAMD FX-9590。Multiplierが最大25倍で、バスクロック200MHzと掛けて5GHzに達する。1次、2次キャッシュを見ても、FX-8350の高クロック版であることが分かる

 AMD FX-9590は、Piledriver(開発コード名)コアを搭載する製品で、1000のケタが1つ上がったものの、基本的にはFX-8350の高クロック版である。FX-8350が定格クロックで4GHzを達成したのに対し、FX-9590はターボ時とはいえ5GHzを達成している。仕様を比べてみるとよく分かるが、かなりアグレッシブな設定の製品である。

 Black Edition CPUでオーバークロックするにしても、5GHz台に乗せるのは「当たりコア」を引き寄せる運や、特別な機材、そしてテクニックを要する。つまり、FX-9590は、AMDによる選別品と考えるのが妥当だ。生産された製品から高クロック動作に耐えるものをFX-9590として供給する、コアなAMDファンのための「夢のCPU」といったところだろう。

製品名 FX-9590 FX-8350
コードネーム Vishera Vishera
コア数 8 8
スレッド数 8 8
定格クロック(GHz) 4.7 4
ターボ時クロック(GHz) 5 4.2
2次キャッシュ(KB) 2048×4 2048×4
製造プロセス 32 32
TDP 220 125
DDR3メモリ 1866 1866
チャネル数 2 2
ソケット AM3+ AM3+

 特に注意を必要とするのがTDPだ。FX-9590は、ベース時で700MHz、ターボ時で800MHzも引き上げただけに、TDPが220ワットに達し、コンシューマ向けCPUではずば抜けて高い値となっている。FX-9590がリテール向けに単体販売されないのもこのあたりに理由があるのだろう。

og_amd_g-tune_007.jpg 12センチサイズだが厚めのラジエータに前後デュアルファンを組み合わせた簡易水冷キットでTDP 220ワットのCPUを冷やす

 通常のCPUであれば、高くても125ワットや130ワットといったあたり。コストを抑え、フェーズ数を抑えたローエンドマザーボードだと、220ワットも供給できる電源設定のものはまずない。結果、OC向けマザーボードのように、電源回路を大幅に強化した製品を組み合わせることになる。

 MASTERPIECE a1500BA1の評価機には、MSIのハイエンドマザーボード「990FXA-GD80」が採用されていた。チップセットがAMD990FX+SB950というのは妥当なところ。Hi-c CAPやスーパーフェライトチョークなどの高耐久性部品を採用し、DrMOSを用いて電源フェーズの発熱を抑えた設計で、本来、OC向けと呼んでいい仕様のATXマザーボードだ。

 また、220ワットというTDPを冷やせるCPUクーラーも重要なパーツとなる。MASTERPIECE a1500BA1で採用されているのは簡易水冷キット。ラジエータサイズも、長さ120ミリモノながら、厚みは38ミリある大型タイプで、前後に12センチ角ファンを挟んだ構成だ。おそらく、空冷CPUクーラーで220ワットを冷却するとなるとヒートシンクが大型になりすぎることもあるのだろう。ラジエータという大型パーツはあるものの、簡易水冷キットであれば、CPUソケット周辺に限ればスッキリと抑えられ、組み込み易さは格段に向上するし、220ワットクラスの冷却性能で見れば、簡易水冷と空冷クーラーどちらも同じくらいのコストがかかるはずだ。

og_amd_g-tune_008.jpg VRM部に向けて追加ファンがエアフローを供給。トップフロー型空冷CPUクーラーと同等のエアフローでCPU電源回路もしっかり冷やせる

 なお、簡易水冷キットを使いオーバークロックをしたことのある方なら経験済みかもしれないが、簡易水冷キットのデメリットとして、OC時にレギュレータ部分に熱溜まりが生じることがある。空冷CPUクーラーであれば、そのファンでCPUソケット周辺の空気を流し去る効果があるが、簡易水冷キットの場合はラジエータ部にファンを置くため、それができない。

 MASTERPIECE a1500BA1では、そうした点をきちんと考慮しているようで、CPUソケット上にブラケットを配置し、12センチ角ファン1基を追加している。こうした点は、「さすが自作PCを熟知したPCメーカーだけはある」と感じさせてくれる。

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