「VAIO Tap 11」――ソニー入魂の“Haswellで9.9ミリ厚”Windowsタブレットは買いか?最新タブレット速攻レビュー(1/4 ページ)

» 2013年10月09日 18時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
ココが「○」
・厚さ9.9ミリ、重さ約780グラムの薄型軽量ボディ
・第4世代Core Yシリーズ搭載で高性能と携帯性を両立
・無線キーボードと筆圧対応ペンによる快適な操作性
ココが「×」
・バッテリー駆動時間がタブレットとしては短め
・性能が高い半面、Atom Z系載タブレットより重い
・ファンを内蔵し、放熱面はAtom Z搭載機より不利

はじめに:VAIOのWindows 8タブレットは第4世代Core Yシリーズを搭載

ソニー「VAIO Tap 11」(SVT11218DJB)

 ついにWindowsタブレットの進化はここまで来た――。

 「VAIO Tap 11」は、ソニーが2013年11月16日に発売するWindows 8タブレットだ。CPUに「第4世代Coreプロセッサー」(開発コード名:Haswell)の中でも消費電力が低いYシリーズを採用し、性能と携帯性をかつてない高いレベルで両立している。

 現在のWindowsタブレットで主流のAtom Z2760(開発コード名:Clover Trail)とは一線を画す高性能を備えながら、11.6型ワイドのIPS液晶パネルを搭載したボディで厚さ9.9ミリ、重さ約780グラムの薄型軽量ボディを実現しているのは見逃せない。

 さらに、画面の保護カバーを兼ねる純正ワイヤレスキーボードが付属し、キーボード装着時でも厚さ14.15ミリ、重さ約1.15キロと携帯性を損なわず、スマートに持ち運べるのもポイントだ。筆圧検知に対応したデジタイザスタイラス(ペン)も付属し、指でのタッチ操作と合わせて、シーンに応じて入力方法を使い分けることもできる。

 これまでのCore iシリーズ搭載タブレットといえば、「Surface Pro」のように本体だけでも1キロ近い製品が多かった。一方、薄型軽量のWindows 8タブレットといえば、Atom Z2760を搭載した製品で、32ビット版Windows 8しか使えないうえに性能面で物足りなさもあった。それだけに、VAIO Tap 11のスペックは魅力的に映る。

 今回は発売に先駆け、店頭販売向け標準仕様モデル「SVT11218DJB」の試作機を入手したので、早速パフォーマンスや使い勝手をチェックしていこう。

ボディと製品概要:Haswell搭載で9.9ミリ厚、780グラムの薄型軽量ボディ

 まずは写真でVAIO Tap 11の概要を見ていく。

横位置の状態で本体サイズは304.6(幅)×188(高さ)×9.9(厚さ)ミリ、重量は約780グラムだ(写真=左)。正面には上部に照度センサー、インカメラ(有効92万画素/"Exmor R for PC" CMOS)、カメラランプ、下部にWindowsボタン、右下にキーボード充電端子を搭載。背面には上部にASSISTボタン(サポート情報などを表示する「VAIO Care」が起動)、NFC、通風口の穴、アウトカメラ(有効799万画素/"Exmor RS for PC" CMOS)、カメラランプ、左右にステレオスピーカー、右にペンフックの穴、そしてスタンドを内蔵する(写真=右)。ASSISTボタンは簡単には押し込めないようになっているので、誤操作の心配はないだろう
11.6型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1920×1080ドット(フルHD)に対応(写真=左)。画素密度は約190ppi(ppi:1インチあたりのピクセル数)だ。広視野角のIPSパネルを採用しつつ、専用のカラーフィルターを導入することで色域を広げた「トリルミナスディスプレイfor mobile」を採用する。通常は空気層となっている液晶パネルとガラスの間にクリアな樹脂を挟み空気層をなくすことで、コントラスト感とタッチの精度を高め、ペン先と描画面の視差を抑える「オプティコントラストパネル」、超解像技術を含む映像高画質エンジン「X-Reality for mobile」も備えている。背面はマットな質感で手触りがよく、収納したスタンドが出っ張ることはない(写真=右)
上面に赤外線ポート(テレビリモコン用アプリに利用)、デュアルマイク、バッテリーオフボタン、充電ランプ、microSDメモリーカードスロット(カバー内)を配置(写真=左)。下面にインタフェース類はない(写真=右)
左側面はカバー内にUSB 3.0(電源オフ時の充電対応)とMicro HDMIを内蔵するほか、ACアダプタ接続用のDC入力を用意(写真=左)。右側面にはヘッドフォン出力、電源ボタン、電源ランプ、音量調整ボタンが並ぶ(写真=右)。通信機能はIEEE802.11a/b/g/nの無線LANとBluetooth 4.0+HSを標準装備する
上面のカバーを開くとmicroSDメモリーカードスロット(写真=左)、左側面のカバーを開くとUSB 3.0、Micro HDMI出力が現れる。カバーはデザインを損なわないよう精巧に作られている
タブレット本体とほぼ同じフットプリントのワイヤレスキーボードが付属(写真=左)。サイズは304(幅)×187.4(奥行き)×4.25(高さ)ミリ、重量は約320グラムと薄型軽量だ。裏面はヘアライン加工が施されたアルミニウムの1枚板で構成され、単に薄さや軽さだけではなく、触感や高級感にもこだわっている(写真=右)
ワイヤレスキーボードは四隅のマグネットで本体にぴったり吸着する。キーボード装着時の下面(写真=左)と右側面(写真=右)。タブレット本体に装着した場合の厚さは合計14.15ミリ、重量は合計約1.15キロと、それでも薄型軽量だ
同社の13.3型コンバーチブルPC「VAIO Duo 13」と同じデジタイザスタイラスが付属し、ペンフックで本体側面に差したまま携帯できる(写真=左)。ACアダプタは実測でのサイズが39(幅)×104(奥行き)×27(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの総重量が213グラムと、持ち運びが苦にならない(写真=右)。バッテリー駆動時間は約8時間、充電時間は約2.5時間だ

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