GIGABYTEは、COMPUTEX TAIPEI 2014会場近くの台北101において、顧客・報道関係者向けの製品展示を行ない、今後、日本市場に展開予定の製品などを披露した。
すでに、Intel 9シリーズチップセット搭載製品や、液体窒素を使ったオーバークロックに最適化したフラグシップ製品に関しては発表済みだが、会場では同社独自の超小型デスクトップPC「BRIX」の新製品と、同社が今秋に市場投入を計画しているグラフィックスカード用水冷ユニットなどが公開された。
BRIXシリーズの新製品として公開されたのは、MXMモジュールタイプのグラフィックスカードの搭載をサポートした「BRIX Gaming」に、NVIDIAのGeForce GTX 760Mを搭載したモデル。CPUには、Intel Core i7-4710HQ、またはCore i5-4200Hを採用し、9.5ミリ/7.5ミリ厚の2.5インチHDDを1基搭載できる。
インタフェースにはUSB 3.0×4、ギガビットLAN×1、オーディオ入出力などを備えるほか、IEEE 802.11a/b/g/n/acの無線LANとBluetooth 4.0にも対応する。ディスプレイ出力はmini HDMI×2とmini DP×1の3ポートを備え、3画面出力や4K出力にも対応する。同社は本製品を7月にも日本市場に投入したい考えだ。
また、同製品のAMDモデルとして、APUにAMD A8-5557Mを採用し、グラフィックスカードとしてAMD Radeon R9 M275Xを搭載したデモ機も披露。同製品のディスプレイ出力はmini HDMI×1、mini DP×1構成となるが、そのほかの基本スペックは上述のIntel+NVIDIAモデルと同様だ。なお、本モデルの市場投入時期については、まだ未定とのこと。
このほか、同社はBRIX PROでMac OSを動かすデモを披露。いわゆる「Hacintosh」(Mac OSのハック版)と呼ばれるMac OS自作機を実現するためのコミュニティは、欧米を中心にいくつか存在するが、総じてGIGABYTE製品に対する評判は高い。これは、同社の製品がオンボードコントローラに定番のICを採用し、独自仕様のものを避ける傾向にあり、Mac OSを含むLinux系OSのドライバサポートが容易なためだ。
製品担当者は「このMac OS 10.9.3システムも、なにも小細工することなしにインストールできちゃった」と、BRIXの“素直”な実装をアピールしていた。むろん、OSの著作権的には違法であり、かつ、インストールツールなしにMac OS自作機を作ることはできないので、「小細工なしに」という同社担当者の言葉は、あくまでも、Hacintoshに関するある程度の知識がある人向けということなのだろうが、編集部側(およびGIGABYTE日本法人も)としては、本件について「見たままを紹介している」に過ぎないことは、お断わりしておきたい。
また、同フロアには、「Celeron E8325」なるCPU/SoCを搭載したBRIXでAndroidを動作させるデモや、CPUにCore i5-4250Uを採用し、2.5インチHDD×4を搭載可能なNASモデル「BRIX Nas」も展示。さらに、BRIXの開発にサーバ・組み込み開発チームの力も集結し、Windows以外のOSサポートを強化するとともに、セットトップボックスやデジタルサイネージ向けにもBRIXやその派生製品の展開を拡大するなど、より個性的かつ幅広いラインアップ整備を進めている。
一方、周辺機器ではグラフィックスカードチームが、NVIDIAのGeForce GTX TITAN Black 3基と専用の水冷ユニットをセットにした「WATER FORCE GV-N79TX3WA-3GD」のエンジニアリングサンプルを公開した。
同製品は、12センチラジエーター×3を備えた専用の外付け水冷ユニットと、水冷対応のGeForce GTX TITAN Black×3枚、5.25インチベイ経由で水冷パイプの配管をするためのアクセサリなどで構成される。ギガバイトはこの製品を今年後半にも市場投入したい考えだが、現行の構成では、ケースの電源ユニットの位置などによっては、水冷パイプや電源ケーブルの取り回し、外付け水冷ユニットの設置場所に制約が生じるなど改良すべき点も多いため、製品化までにはまだまだ時間がかかりそうだ。
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